3歳~5歳頃は、自己主張やこだわりが出てくるため、親としてどのように接するべきか迷う時期だと言われています。毎度駄々をこねる歯磨きを、自分から進んでやるようになった例など、子どもの心に言葉を響かせた実体験をご紹介します。
ワガママ爆発、私も怒り爆発な日々…
今はすっかりお兄さんに成長した小学校高学年の長男ですが、幼稚園の頃は人一倍の聞かんぼう。靴を履きたくないと泣きだしてどうにもこうにも歩いてくれず幼稚園に行けないことや好き嫌いも激しく白米以外を食べてくれないことも…。
優しく言っても怒ってもおだてても諭しても絵や絵本で説明しても理解してくれず、どうすればいいのか困り果てていました。
おばあさんの一言
登園中のある日、朝からまた
「くつイヤだー!」と急に靴を脱いで走る息子。
「危ないから履いて!」と腕をつかむと
「イヤーイヤー」と泣いてひっくり返ってしまいました。
するとそれを見たおばあさんが声をかけてくれました。事情を説明すると、道路に寝そべって癇癪を起こしている息子に
「いいねぇ。この青い靴、僕のなの? 素敵だねぇ」と言ったのです。
いきなり知らない人に話しかけられてびっくりしたのか、息子も少し大人しくなりました。おばあさんはニコニコしながら
「履いたらカッコいいんだろうねぇ。元気に歩けそうだねぇ」と言うと、なんと
「うん」と言い息子は靴を自分で履きはじめたのです。
「自分で履けるんだねぇ。すごいねぇ」と言っておばあちゃんは行ってしまいました。
親の言葉と他人の言葉
私も、怒らずに褒めて靴を履かせようとしたことは何度もありました。靴も息子と一緒に選んだものですし「自分で履けるの見てみたいなぁ!」とおだててみたこともあります。でもやっぱり嫌々モードになってしまうと聞く耳を持ってもらえませんでした。
しかしその日からは当たり前のように
「自分で出来る」と言うようになり、揉めていたのが嘘のように毎日自分から履いてくれるようになったのです。今までの苦労は何だったのかと絶望感を覚えたのと同時に、親以外の大人の影響力の大きさに驚きました。
周囲の大人に相談をする
それからは、自分であれこれ試してもどうにもならない時は、周囲の大人に相談をして息子に声かけをしてもらうことに。これがびっくりするくらい効果テキメンです。
歯磨きの度に大喧嘩になっていた頃は、歯科検診の先生に相談し先生から歯磨きの大切さを説明してもらったところ、自分から進んで磨くようになりました。おやつではない時間にアメなどのちょっとしたお菓子を食べたいと癇癪を起こすこともあったのですが、
「ダラダラ食べは良くない」と先生に言われたからか今までのように泣いてお菓子をねだることはなくなりました。
唇の皮をむく癖があった時は、ママ友の旦那さんに
「血出てるで! 病院行った方が良いんちゃう?」と超大袈裟に心配してもらったことで、私が何度言っても止めなかったのにピタっとやらなくなったのです。
この経験から私が学んだのは
「困っていることを周りの大人に相談するのは決して恥ずかしいことではない」
「親以外の大人からの声かけには真剣に耳を傾けてくれることがある」この2つです。
相談することで心がちょっと軽くなりますし、他人の声はいつも一緒にいる親の声よりも心に響きやすいようです。効果には個人差はあると思いますが、外では良い格好しいの息子には効果がテキメンでした。
どうしてもワガママが治らないという時の最終手段に、是非試してみてはいかが?
(ファンファン福岡公式ライター/塚原 朋子)