3歳ともなれば、ある程度会話のキャッチボールができるようになり、言葉のやりとりの楽しさがグッと増えますね。でも、言葉の数がまだ限られているため、時にはビックリ発言をしませんか? わが家の次男も3歳のときにこんなビックリ発言をしたことがありました。
3歳になりグッとおしゃべりになった息子
わが家の次男は、いつも自信満々。2番目の子どもなので母も気負わず、いい意味で気楽に子育てしていたのがよかったのか、少し神経質なところがある長男と比べると、「本当に兄弟?」というほど、おおらかで自信たっぷりです。
次男は
「今日なー、ゴミ収集車いっぱい見たねんー(ゴミ収集車大好き)。それでー…」と毎日保育園から帰るとその日の出来事をたくさん話してくれます。3歳を超えた頃から、グッとおしゃべりが増え、使う言葉も標準語ではなく関西弁が多くなってきました。周りの大人の関西弁をしっかり聞いて理解できるようになってきた証拠だと思います。
担任の先生のココが好き
3歳のときのクラス担任はT先生。長男のときにも担任をしていただいた先生です。大きな声では言えませんが、実は長男の初恋はT先生。とても優しく、美人で素敵な先生なんです。もちろん次男もT先生が大好きでした。
あるとき、息子に聞いてみました。
「T先生のどこが好きなん?」すると、息子は
「うーん…」と大人顔負けの顔で少し思い悩んだあと、
「顔やな」と一言。
わたしは、予想の斜め上の答えにびっくりし
「あ… そうなんや…」と戸惑いつつ答えました。たしかにT先生はかわいらしく、きれい。でも、そんなダイレクトに言うなんて… T先生好きの夫の存在も思い出し、
「なんや、うちの男性陣はみんな面食いか…」とちょっぴり複雑な気持ちになりました。
お母さんの好きなところはココとココ!
それから数日経ったある日、わが家に友人が遊びに来ました。そのとき友人が冗談半分で次男にたずねました。
「お母さんのどこが好きなん?」と。
私も友人も「やさしいところ」とか「ご飯作ってくれるところ」とか、そんなありきたりだけどほのぼのする子どもらしい答えを待っていました。
すると次男は、はっきりと自信を持って
「顔と身体やな」と断言したのです。
なんだ、このアダルトな発言は? と場が一瞬静まりかえり、友人と目を合わせて吹き出してしまいました。その様子を見た次男は「何がおかしいの?」というようにきょとんと私たちを見ていました。
顔と身体が意味するものは?
なぜだかとても自己肯定感の高い次男。いつも自信満々で発言するので大人顔負けです。特に最近は流ちょうに関西弁を使うようになり、ついつい忘れてしまいがちですが、彼の語彙力はまだまだ成長の途中です。
「顔が好き」というのも言葉通りに「顔のつくり」が好きということではなく、その人の顔を含めた全部が好きという気持ちを込めた言葉なのでしょう。
「身体」は、その人の存在やその身体から発せられることすべてが好き、ということを伝えたかったのだと思います。それがわかると、決して子どもらしくはない「顔と身体」という答えの持つ子どもらしさが理解でき、うれしくなりました。
「顔と身体が好き」は3歳児の息子なりの最上級の愛情表現。そんな息子の思いに気づき心が温かくなりました。これからボキャブラリーが増えるともう二度と聞くことはできない、この特別な表現を大切にしたいと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/鶴野 ふみ)