子どもの養育費を準備するために、学資保険に加入すべきか迷っていませんか。学資保険は用途が限定されておらず、いろんな活用方法があるのが魅力な保険です。しかしデメリットや注意点もあり、場合によっては加入の必要はないかもしれません。今回はファイナンシャルプランナーの川畑が、学資保険の加入の判断に役立つポイントをお伝えします。
学資保険のメリットとは? 保険金の用途が幅広く認められるのが強み
学資保険に加入すれば、預貯金とは別に資金を準備できます。返戻率が100%を超えるものであれば、払込保険料の総額よりも多くの保険金を受け取ることが可能です。
しかも、学資保険は支払う保険料が生命保険料控除という所得控除の一種となり、節税できるというメリットもあります。満期を迎えて受け取った保険金の用途は、学費に使用する必要がなければ生活費に充てても問題ないという点も魅力です。
これであれば、資金の用途が未定でもとりあえず加入を検討される方もいらっしゃるかもしれません。
学資保険のデメリットとは? 中途解約時や受取人の設定には要注意
学資保険は途中解約すると元本割れのおそれがあります。つまり、払い込んだ保険料よりも少ない金額しか戻ってこないということです。
一方、定期預金は中途解約しても元本割れはしません。急に資金が必要となった場合は定期預金の方が解約しやすいですね。
また、親が契約して保険金の受取人が子であった場合、贈与税がかかります。ただし、基礎控除が110万円ありますので、その範囲内であればかかりません。それを超えた金額については所定の税率がかかり、例えば200万円以下なら税率は10%です。(※国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税) |参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm)
学資保険は加入する必要なし? 加入判断のポイント
人によっては学資保険に加入する必要がないかもしれません。加入の判断ポイントについて重要な2点をまとめました。
子どものための資金が十分にあるかどうか
まず、十分に資金がある場合はわざわざ学資保険に加入する必要はないと考えられます。一度始めると中途解約による元本割れを防ぐため、できるだけ満期まで契約した方がいいですよね。しかし、それだけ自由に使える資金は減ってしまいます。
資金に余裕があるなら、あえて加入する必要はないでしょう。
運用の知識や経験があるかどうか
学資保険では決まった額を受け取ることはできるものの、運用はできません。
将来、物価が上昇することで相対的にお金の価値が下がってしまうリスクがあります。インフレに対応するには多めの保険金を設定しておくか、学資保険ではなく運用するという選択肢を考えても良いかもしれません。
もし運用についての知識や経験がある場合、自分で余裕資金を運用した方が効率的に資金を増やしていける可能性があります。
学資保険以外にも選択肢がある点もチェックしよう
学資保険は保険金の使い道が自由である半面、インフレに弱いことや中途解約で元本割れのリスクがあることをお伝えしました。
お金を使い過ぎてしまうのが心配という場合は、学資保険で必要な資金を準備しておくことも選択肢の1つになるでしょう。ただ、学資保険以外にも定期預金や資産運用など、いろんな手段を利用することも可能です。
それぞれにメリットやデメリットがあるので、一つの手段に偏るのではなく複数の手段を組み合わせていくことも重要ですね。
(ファンファン福岡公式ライター/川畑彩花)