最近は保育園を利用して働くママが多く、ニュースを見れば保活の話題や、働くママの時間術の特集…。私は専業主婦の自分に負い目を感じつつも、幼稚園に通う息子と共に毎日を平凡に過ごしていました。けれどある日、息子から衝撃の発言が!
ママ友が職場復帰する中、私は
7年前に息子を妊娠した時、私は教員をしており、そのまま育休をとりました。息子が4カ月頃から通い出した支援センターで知り合ったママ友は、皆同じように育休中。1歳の誕生日が近づくと、保活の話題でもちきり! 私の夫は激務で、平日の帰りは遅く、休日もほとんどありません。私はワンオペの中で、以前のようにフルタイムで働く自信が全くもてず、最終的には退職を選択しました。
働くママになれなかった自分に劣等感を抱きつつも、息子が幼稚園に入ってからは専業主婦のママに囲まれ、バスを見送ってからおしゃべりをしたり、降園後に公園で子どもを遊ばせたりし、穏やかな毎日を過ごしていました。
息子が放った、衝撃の一言
息子が年長になった頃、近所に住む保育園に通う女の子、Aちゃんと土日に公園でよく会い、仲良くなりました。
ある日の幼稚園帰り、息子がAちゃんと遊びたがりました。Aちゃんのママは仕事をしているから、休みの日でないと遊べないことを伝えると、私の話を聞いて息子は突然立ち止まり、きょとんとした顔で言います。
「何言ってんの、ママ。女は働かないよ? お仕事するのは男でしょ」
「え…」息子の言葉に、今度は私が衝撃を受けて立ち止まります。
「ち、ちがうよ。女の人だって、男の人のように働いている人はたくさんいるよ」
「えーっ! でも、幼稚園のお友達のママは、みんな昼間おうちにいるよ? いつも迎えにきてくれて、そのまま公園で遊ぶよ!」
専業主婦の私に育てられ、幼稚園に通う息子には、『働くのは男で、女は家にいる』という、まるで昭和な女性観をもっていることをこのとき初めて知りました。
家庭の形は様々で、専業主婦でいることが悪いわけではない。けれど、息子が将来家庭をもつ頃には、今よりもっと共働き家庭が増えているだろうし、息子には多様な男女観をもった人に育ってほしい。
何より私自身、母親や妻としてではなく、1人の人間として社会に出て働き、自分に自信をもちたいと強く思いました。
今から出来ることを一歩ずつ
私はひとまず、在宅でできるライターの仕事を探し、幼稚園の延長保育や夜間を利用して働き始めました。初めは不安でいっぱいでしたが、時間をかけて丁寧に1つ1つの仕事を行い、ご依頼者様と連絡を密にとることを大切にしたことで、問題なく仕事を進めることができました。
息子は最初のうちは戸惑い、
「ママが働いたら、誰が僕の面倒をみるの?」と、家に1人きりになるのではと不安がっていました。
「朝はママが今まで通りにいるし、帰りは皆より降園が遅くなっても必ず迎えにいくから大丈夫だよ」と理解できるまで何度も話しました。
「今日はママ、お仕事があるから延長保育のお部屋で待っててね」
「分かった! ママ、お仕事頑張ってね!」息子の顔は、以前と比べてとても頼もしく見えます。
最近では、前職を活かして働くために、近隣の市に講師登録をしました。フルタイムのママには程遠いですが、「自分もまだまだ働ける!」と、自信を取り戻しつつあります。職務経歴に空白ができてしまった私ですが、これからも前向きに自分にできる仕事を一歩一歩すすめ、働くママの姿を息子に見せていきたいです。
(ファンファン福岡公式ライター/かがみ 真紀子)