無事に保育園が決まり、楽しいワーママライフ! と思ったら、休職中に人事制度が変わり、期限内にキャリアアップしないと時短勤務ができないことに…。生きるだけで精一杯の中、必死にキャリアアップをして過酷だった話です。
休職中に人事制度が変わった!?
フィットネス関係の会社に入社して、早6年。入社の理由は色々ありましたが、決め手は「ママになっても働きやすい環境」でした。男性よりも女性の方が多い会社なので、子育てへの理解があり、時短勤務はもちろん急な休みも取りやすい。「ママになっても、この会社なら安心だ!」なんて思っていました。
しかし、私が育休に入って数カ月後… ママ社員の人事制度が大きく変わりました。「子どもがいる」というだけで、時短勤務ができたはずが、復職後の一定期間内にテストを受け、キャリアアップしないと時短勤務ができないという条件付きになったのです! キャリアアップに失敗すると、ママ社員はフルタイム且つ退勤するのは深夜近く…。そんなの無理だろう! という労働環境で、キャリアアップは強制状態でした。
育児しながら働くだけでも大変なのに、勤務時間外に勉強をし、テストに合格してキャリアアップなんて… と途方にくれて、「辞めてやる!」とまで考えました。
しかし、子育てしながら新しい職を探したり、保育園に入れることを考えると、やっぱり今の職場に戻るのが最善です。悩みに悩み、市役所に相談に行くと
「たった1日でもいいので、今の職場に戻れば保育園にも入れてベストです。たった1日でいいんです」との回答が。その一言で心が軽くなり、ひとまず今の職場に戻る決意をしました。
いざ復職!
不安を抱えながらも「たった1日でもいい」という言葉をお守りに、いざ復職です。
「辞めてやる!」と荒れていた私はどこへいったのやら、育休を経て外で働くことの楽しさが身に滲み、仕事が楽しくてしょうがない状態になっていました。
ひとまずキャリアアップを目指そう、と決意をして、仕事をしながら研修に行き、自宅でも勉強を進めることに。育児と仕事・勉強の両立がとにかく大変でした。仕事を終えて帰りの電車で勉強し、娘のお迎えに。その後ご飯やお風呂を済ませ寝かしつけをさせるだけでヘトヘト。娘の就寝後に残った家事を済ませてから、深夜まで勉強する日々…。時間が足りなくて、時短料理を心がけ、調理時間と睡眠時間を削りながらなんとか生きていました。
職場で人に恵まれ、周囲が優しい言葉をかけてくれたことがモチベーションに繋がり、なんとかテストに合格! 周囲の協力を得ながら、期限内にキャリアアップすることに成功しました。
本当に必要なことは?
育休中に失いかけたアイデンティティを取り戻し、大変だったけど「頑張ってよかった」という思いが1番強く残りました。私は周囲に恵まれて、数えきれないほど助けてもらいながらなんとかキャリアアップできました。
「ママが活躍できる社会」が重要視されがちですが、同時にパパも育児しやすい環境を整えないと、ママのやることばかりが増えるのではないかと思います。また、どのような環境が働きやすく且つモチベーションを持てるのか、実際に育児を経験した人が人事制度に携わるべきなのでは? と思い、健やかな労働環境を作れるよう、今は人事に関わるため奮闘しています。
ママだけが互いの痛みを分かち合うのではなく、子どもがいる人も、いない人も互いの声に耳を傾けながら働きやすい環境になったらいいな、と思いながら、今日も職場で話し合いを重ねています。
(ファンファン福岡公式ライター / Vanilla)