小学1年生の娘は自撮りが大好き。スマホのカメラは性能も良くなりフィルター機能も充実しているので、毎日私のスマホで自撮りを楽しんでいます。娘の撮り溜めた写真を見返し成長を楽しむことは私にとっても大切な時間。そんな癒やしのひとときが、娘からの衝撃の一言で膝から崩れ落ちることになるなんて…
娘の自撮りブーム
ここ数年で、フィルター機能は、目が大きくなったり輪郭がシャープになったり、時にはコレ誰? というレベルまで顔が変わるなんてことも。そんな変化が楽しいのか小1の娘は、自撮り遊びが大好きで私のスマホは娘の写真だらけ。まだ恥ずかしさもないようで、いろんな表情がおさめられている写真データを見るのは、私の楽しみにもなっています。
ある日、娘の撮り溜めたデータを見返していると、私と娘のツーショットが出てきました。それは数日前にノーマルモードで撮影したもので、見た瞬間、娘の顔より自分の顔に釘付けになりました。
「あれ? 私の顔、太って見える?」そう感じてすぐに鏡を見たけれど、写真ほど太ったようには思えません。角度の問題? でも、自分の顔って見慣れているし… と考えながら、鏡を見れば見るほど、どんどん分からなくなっていきました。
私は近くにいた長男に
「この写真、太って見える?」とスマホを顔の横に並べて聞いてみました。息子はスマホの画面と私の顔をサッと見比べて
「んー、そうでもないよ」と、明らかに何か誤魔化す様に目を反らし早口で答えます。
息子は普段から他人の外見の事を口にしないタイプなので、太っていると思っても言わないだろうと、しつこく何度も
「ちゃんと見て!」と迫りました。
息子は呆れ少し怒って
「もう知らない! 妹に聞きなよ!」と逃げてしまいました。それでも諦めきれない(太ってないと言われたい)私は、まだ幼さが抜けずいつもふざけて笑っている娘を少し頼りないけれど呼び出し、同じことを聞くことにしました。
娘から衝撃の一言
「この写真、太って見える?」私の問いに娘は、息子と違ってじっくりと真剣に写真と私の顔を見比べます。
そして、ジーッと私の目を真っ直ぐ綺麗な瞳で見つめながら…
「顔が太っている!」と真顔で一言!
はっきりと「太っている」と指摘してきた娘に、写真が太って見えるだけだと思いたかった私は、ショックで思考停止。離れた場所で聞き耳を立てていた息子に視線を移すと「なんてことを!」というように目を見開き、娘を見たまま固まっていて、文字通りその場の空気は凍り付きました。
「ちょっ、ちょっと待って! もう1回見て! 写真の顔が丸いんだよね?」と動揺を隠せない私は再度、娘に聞いてみましたが、娘は先ほどより深刻そうに眉間に皺を寄せ
「違うよ、これ! 丸い。まん丸! だから写真も丸いの!」と私の顔を指さし丸いと連呼! 私は人生で初めて、ショックで膝から崩れ落ちました。
あまりのショックにその後も何度も写真と鏡を見返して時間が過ぎましたが、落ち着いて考えてみると、こんなにハッキリ言ってくれる人は娘以外いない、きっと誰も言えない。実際、このあとに夫にも確認しましたが
「どうだろうなぁ」と目を泳がせながら息子と同じ様な逃げ腰の返答でした。
あの日以降、娘は
「その恰好変だよ」
「太って見えるよ」と厳しく私のファッションチェックをしてくれる頼もしい存在です。娘の厳しい目があるので、3日坊主の私がダイエット継続期間更新中です。
いつか写真を見ながら「この頃、太っているね」と娘と笑える日まで頑張りたいと思います。
(ファンファン福岡公式ライター/渡山笑名)