国内外問わず人気の福岡市中央区の大名・春吉・薬院にあるコーヒー店「マヌコーヒー」が2021年4月中旬からコーヒー豆自販機を設置。今回はライターの山内 亜紀子さんが、コロナ禍で時短営業や休業など影響を受けている飲食店が始めた、新しい自販機や無人販売機など、これからの新様式に合う非対面のグルメ自販機が増えているので調査しました!
コロナ前のようにコーヒーを楽しんでもらいたい…マヌコーヒーの「コーヒー豆自販機」
ーー2003年創業のマヌコーヒーは、現在、福岡市中央区に3店舗展開しているコーヒー店です。コーヒーの焙煎・販売やドリンクの提供はもちろん、アーティストとコラボしたコーヒーカップやグッズ販売、コーヒーにまつわるイベントや展示などを展開しています。 コーヒー⾖⾃販機は、福岡市中央区・薬院の店舗である「クジラ店」で2021年4⽉中旬から設置スタート。マヌコーヒーのブランドディレクターの中澤さんに⾃販機を設置した経緯や設置後の反響などを伺いました。
中澤さん 「コーヒー豆の自販機は、去年の年末から計画していたんです。コロナ禍で飲食店の時短営業や外出自粛などで、動きが制限されてしまって今まで当たり前だった日常が送れなくなってしまった今、社員から閉店後もコーヒー豆が販売できる自動販売機のアイディアが出たのがきっかけです。 「クジラ店」は営業時間は変わっていないのですが、もともとマヌコーヒーの春吉店・大名店は深夜まで営業していましたが、現在は20時までの時短営業中です。 そんな中でもお客様に少しでも今までに近いかたちでコーヒーを楽しんでもらえればという思いと、非対面接客の需要を期待して設置しました。」
「ラインナップはコーヒー豆やドリップバッグ、スイーツ類、抽出器具類、ギフトに加えて、今はマグカップやレコードとコーヒーのセットなど、約30種類を取り揃えています。 そのラインナップを見て、⾃販機メーカーの⽅は「こんなに充実したラインナップが揃ったコーヒー自販機は見たことがない」とおっしゃってましたね。人気商品はコーヒー⾖とスイーツです。 リモート勤務により家でコーヒーを飲むようになった⽅や人通りが多い時間の外出を控えている方など、もっとたくさんの方に知ってもらい使用していただきたいと思っています。」
ーー「急に友人に渡すギフトとしてコーヒー豆を買いたい」「朝早くなど、営業時間外に豆の購入したい」「できる限り非対面の購入したい」など、自販機を利用する人たちのきっかけは様々かもしれませんが、中澤さんは“コロナ後の自販機の活用に対しても可能性を感じている”と言います。
中澤さん 「マヌコーヒーにはオンラインショップもありますが、コーヒー豆を原則24時間、その場で商品を買うことができるという自販機の新しい可能性にも期待しています。 コロナ禍の時短営業などが自動販売機設置のきっかけの1つにはなりましたが、状況がよくなったあとにも、マヌコーヒーの表現を拡張する秘密兵器として活用していきたいですね。」
「まだスタートしたばかりでいろいろ試している段階なので、お客さんの反応をみながらTシャツやアクセサリー、雑貨など、コーヒーにまつわるところで商品ラインナップは強化していきたいですね。 他にも自販機のラッピングを施したり、もっとお客さんに楽しんでもらえるようにアップデートしていく予定です。 可能性を見極めつつマヌコーヒーらしさをできるだけ出せる自販機になればいいなと思っています。」
【マヌコーヒー】 ■manucoffee roasters クジラ店 ■TEL: 092-707-0306 ■住: 福岡市中央区白金1-18-28 ■営:10:00~19:00 ■休: なし ■他店舗情報: https://www.manucoffee.com/shoplist/
他にもまだある福岡・話題のグルメ自販機事情
ーー緊急事態宣言は明けましたが、感染拡大を防ぐため時短営業や非対面のグルメ自販機は増えていきそうです。今話題のグルメ自販機をご紹介します。
博多区・美野島商店街の「ちょいモツ自販機」
福岡市博多区・美野島商店街に設置されたモツの自動販売機は、食肉卸売会社「ベネフィットフーズ」の佐伯陽祐社長(53)が、レジャーにも持って行きやすい1人前の「ちょいモツ」サイズを自販機で売ろうと考えたもの。
自販機の表側が通り側を向いていないので少しみつけにくいかもしれませんが、設置後は夜中にこっそり購入する方もいるのだとか。価格は350円〜440円と手頃。 自粛影響で家でひとり飲みが増えていることから、一人分のモツがいつでも買えると密かに人気なのかもしれません。
キャベツなどの野菜と炒めて今夜のお酒のお供にするも良し、もつ鍋にちょい追加するも良し。博多名物のモツをぜひ味わってみて。 【ベネフィットフーズ】 ■TEL: 090-9725-1103 ■住: 福岡市博多区美野島1-20-13 ※7月に福岡市南区・野間大池近くとイオン糟屋店に自動販売機設置予定
中央区・高砂の居酒屋「手作り無人販売機」
中央区・高砂にある漁師直送の天然魚が食べられると人気の「銀しゃりと酒と魚 てる房」が、非対面の無人販売機を設置。 保温ショーケースを中に入れたこの無人販売機では、自慢のおむすびと唐揚げがセットになった「銀むすと唐揚げ3個セット」(500円)と5種類のスパイスを調合したオリジナルフライドチキンを使った「スパイシーてるチキバーガー」(400円)を販売。
手作りの無人販売機には、「自動販売機じゃなく!無人販売機です!」とオーナーの自筆で書いてありますが、店舗からスタッフの方が「袋必要ですか?」って、気遣って出てきてくれたり、温かみある販売機です。 魚料理など店内メニューも持ち帰ることができるので無人販売メニューと合わせておすすめです。 【銀しゃりと酒と魚 てる房】 ■TEL: 092-524-5228 ■住: 福岡市中央区高砂1-12-1 ■営: 17:00〜20:00 (テイクアウト〜22:00) ■店舗情報: https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40036541/
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—- 新型コロナウイルスによる環境の変化で生まれる、新様式に合わせた販売方法のひとつとして注目されている“自販機や無人販売機”。 時短営業や非対面接客というマイナスにも捉えがちな新様式をプラスに変え、新たな可能性を見出すグルメ自販機。少しずつ日常が戻ってきた後も並行して残っていくグルメ自販機が増えるのではと楽しみです。 ※本記事は、2021年6月23日時点の内容です ※新型コロナウイルスの影響により営業時間等変更になっている場合があります 文=山内 亜紀子