娘が小学1年生の時のこと。1カ月違いでピアノを習い始めた同級生と、初めてピアノ検定試験を受けることに。課題曲2曲から1曲を選ぶのに、先生が “かんたんな曲” と “ちょっと難しい曲” と言い分けたことで火が付いた、ママ友の呆れた行動とは!?
1カ月早くピアノを習い始めた同級生
娘は小学校に上がるとすぐ、近所のピアノ教室に通い始めました。毎週決まった時間に個人レッスンを受けるのですが、慣れるまで私も付き添っていました。
娘の前は、同級生Hちゃんのレッスン時間。娘より1カ月早く入会したHちゃんは、娘より数ページ先の練習曲を習っていることが誇らしかったと見え、入れ替わる時間でもなかなか帰らず、レッスン室の隅で待つ私の横で娘の弾く曲を確認しては私の肩を叩き
「私はここ」と得意気に話しかけてくるのでした。
しかし、Hちゃんは自宅練習が嫌いなようで、先生に練習不足を叱られることもしばしば。半年もすると1カ月分の差はなくなり、娘と同じタイミングで最初の教本を終えました。これに合わせ、2人一緒にピアノ検定試験を受けてみようと先生から勧められ、課題曲を練習することになったのです。
課題曲どっちにする?
娘たちが受ける試験は、最も初級者レベルのグレード。課題曲があり、指定された2曲から1曲を選びます。
先生は2曲をお手本で弾いたあと、子どもでもわかるように “かんたんな曲” と “ちょっと難しい曲” と言い分け
「かんたんな曲を完ペキに仕上げてもいいし、ちょっと難しい曲に挑戦してもいいよ」と娘に説明したそうです。
「ちょっと難しい曲のほうが好きなんだけど、弾けるかな?」と娘が悩んでいるので
「どちらでも、好きな曲を弾くほうが楽しいんじゃない?」と言うと、娘は納得したらしく “ちょっと難しい曲” を弾くことに決めました。
一方、Hちゃんは “かんたんな曲” を選んだそうです。
「2人とも違う曲を選んだので、楽しみです」と先生が言うので
「頑張ろうね」と私も娘と顔を見合わせました。
ところが、この後思いもよらない出来事が起こったのです!
ママ友がピアノ教室に怒鳴り込み!?
翌週、教室に行くと
「Hちゃんママから何か言われましたか?」と先生。
「いいえ」と答えると
「実は…」と神妙な面持ちで話し始めます。
先週のレッスン後、Hちゃんが家でママに課題曲の説明をした時、“かんたんな曲”“ちょっと難しい曲” と言い分けたのだとか。するとHちゃんママは、わが子が “かんたんな曲” を選び、後から習い始めた娘が “ちょっと難しい曲” を選んだのが面白くなかったらしく、血相を変えてピアノ教室に乗り込んできた、というのです。
「えっ? 娘が何か気に障るようなことを言ったのですか?」と聞くと
「いいえ何も…」と先生。
「2人とも簡単な曲じゃダメなんですか、と何度も聞くので、合否には関係ないと説明したんですが…。私が変に言い分けたのが悪かったんです」と申し訳なさそうに説明してくれました。
そんなことで先生に食って掛かるなんて… と、私はまだ会ったことのないHちゃんママにドン引き。以前、Hちゃんが進度を気にしていたのも、優劣に敏感なママの影響だったのかもしれません。
幸い、ピアノ検定試験は2人仲良く合格。ただ、ちょっぴり後味が悪かったのは否めません。
子育ては、どうしても隣と比べがち。でも勝ち負けの物差しで計るものではないはずです。目の前で頑張る子どもたちを区別なく応援できるようになれるといいんだけどなぁ、と私はしみじみ思うのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / 繭子)