北九州市出身の映像作家で現在は福岡市を中心に活躍する松尾龍馬さんが、自身の子どもと一緒に作成した動画「One day at a supermarket 〜ある日のスーパーマーケット〜」をYouTubeにアップロードしています。
映像制作などを運営する会社「リーボ」(福岡市中央区)の代表取締役CEOで、写真家、映像作家としても活動する松尾龍馬さん。
動画を作ったきっかけは、「緊急事態宣言が出た翌日、スーパーに買い物へ行ったら食材やペーパー類が見事になくなっているのを目にしたから」と松尾さん。
「今は非常時なんだから、自分のことだけを考えるんじゃなくて、みんなで力を合わせて乗り越えようよ! って悲しくなったんです」と言います。
会社を設立した時から掲げる「映像は、言語の壁を越えてメッセージを伝える力がある“最強のコミュニケーションツール”」という信念に基づき、「自分ができるのは映像を生み出すこと。少しでも周りの人を思いやれるきっかけになる動画を作ろう」と思ったとか。
外出自粛を促され、「家の中でできることから題材を探そう」と見つけたのがブロック玩具。「僕たちもやりたい!」と、一緒に松尾さんの3人の子どもも参加することになりました。大筋のストーリーは松尾さんが担当しましたが、ブロック玩具のレイアウトやパーツの仕分けなどは子どもたちが率先して担当したとか。
動画は全体で2分5秒。そのうち写真1枚ずつをつなげて作る「コマ撮り」手法のアニメーション映像が前半の前半1分30秒を占め、ブロックで組み立てたスーパーマーケットの中を、ブロックの人形が動いているように展開されます。
買い占めに圧倒され、必要なものが買えずに途方に暮れる人形と、それを見た人形から差し出される優しさには、見ていて胸が締め付けられます。アニメーションの後に流れる、実際のスーパーの棚の様子や、貼られた注意書きの映像を恥ずかしく思える人になりたいと感じさせる作品です。
松尾さんは今回の作品を振り返って、「子どもたちと楽しみながら作れたことが何よりですが、『みんなこうすれば(分け合えば)いいのにね』と、作りながら学んでくれたことがうれしかったです」と言います。
家で過ごす時間が増えている中、動画を見て、考えるきっかけにしてみてはどうでしょう。不安からどうしてもすさみがちな世の中ですが、一歩立ち止まってみるのも大切ですね。