いつも公園で一緒に遊ぶママ友は、自分の子をほったらかしておしゃべりに夢中でした。しかしある日投げた石が通りすがりのおじさんに当たってしまって…。ママ友の子どもの世話に手を焼いていた私のスカッとした体験談です。
子どもよりおしゃべりに夢中なママ
わが家の4歳の娘はよく近所のお友達と公園で遊びます。その中のNくん(1歳半)とママにいつも困っていました。Nくんママは子どもを公園に放置しておしゃべりばかり。
「Nは1人で遊べるから楽なの」が口癖です。
当のNくんは石を投げるのが大好き。石を滑り台に投げたり、公園の外に投げたりするたび、私を含め近くにいるママが
「石は投げないよ!」と止めます。しかし、Nくんはまだ1歳半。止めると
「いや!」と大泣きです。それでもNくんママは
「公園の外に出なければOK」と放置。「ちゃんと自分の子を見てよ…」とNくんママに不満を抱く日々でした。
公園の外を歩くおじさんに石が!
私たちが公園で遊ぶ時間に、毎日散歩しているおじさんがいました。子どもたちはいつもおじさんに挨拶して顔見知り。ただ、Nくんはそのおじさんの方に石を投げることもしばしば。そのたびに近くにいるママが
「すみません!」と謝り、おじさんは
「まだ小さいからね。でも石は投げたらダメだぞ」と優しく言ってくれていました。
しかしある日、ついに事件が起きました。いつものように石を投げ始めたNくん。
「Nくん! 石投げない!」と私が止めに行きます。しかし、投げた石は散歩中のおじさんのおでこに当たってしまったのです!
「おい! これはさすがにダメだ!」と普段優しいおじさんが一変。そして
「小さくても実際に当たったことは事実だ。いつも親が違うがこの子の親はどいつだ!」と公園に入ってきました。大きく響く声に静まり返る公園。聞こえているはずなのに手を挙げないNくんママ。
そのとき
「ママ~!」とNくんが走りだしました。おじさんの剣幕に怖くなったのか、泣きながらママの元へ。Nくんママは
「あ、いえ、あの…」としどろもどろ。
Nくんママ怒られる
おじさんはNくんママの方へずんずん歩き、
「あんたか!」と一喝。Nくんママは
「すみません…」と小さな声。
「子どもがやることだから見逃してきたが、そもそもあんたはいつもこの子のそばにいないじゃないか! 今だってすぐに来なかったのはどういうことなんだ!」とおじさんはカンカンです。
Nくんママは
「すみません、すみません…」とひたすら謝罪。かわいそうにも思えましたが、日ごろから不満を抱えていた私はつい「おじさんが言ってくれた!」とスカッとしていました。怒り終えたおじさんは私たちに
「すまんね、楽しく遊んでいたのに」と言い、公園を去っていきました。楽しかった空気が一変した公園。1人のママが
「少し早いけど今日はもう帰ろうか」とその日はお開きになりました。
Nくんママとは公園で別れましたがその背中は明らかにしょんぼり。一方、私と一緒の方向に帰るママたちは、いつもNくんのお世話をしていた人たち。1人のママは
「いつもNくんを見てないから、正直おじさんに感謝かも」とポツリ。
「たしかに」
「実は私もスカッとした」とすっきりした表情。ママたちの本音が漏れた帰り道でした。
おじさんの怒鳴り声には驚きましたが、内心「よくぞ言ってくれた!」と思った私や他のママたち。この一件以降、Nくんママはおしゃべりよりも子どものお世話を優先してくれるように。Nくんがママと楽しそうに遊ぶようになったことがなによりです。
(ファンファン福岡公式ライター/K)