西鉄天神大牟田線井尻駅(福岡市南区)から徒歩約1分。素材選びにこだわったパンを2年前から作り続けるパン店「くぅらぼ」を訪れました。
西鉄井尻駅の利用客が行き交う場所で営まれているベーカリー「くぅらぼ」。入り口横の大きなポスターに”ごはんみたいに食べるパン”と書かれているのが目に留まります。いったいどんなパンでしょうか。 中に入ると、店内やプライスカードに材料の説明やアレルギー表示がされていて、買う人への気遣いが伝わってきます。
店主の平良章多さんはシンプルで飽きのこないパンを心掛けているそうです。「ご飯みたいに毎日食べてもらえるパンを届けたい。皆さんにとって、あるのが当り前の店になればいいですね」と話します。 「おいしくて体に良い素材を選んでいます。例えば、残留農薬が少ない国産小麦や天然酵母。マーガリンやショートニングは使わず、バターやオリーブオイル、米油を使っています。野菜は主に九州内の契約農家から届きます」。 こだわりは、塩や砂糖にも。ほとんどの生地に鹿児島県奄美(あまみ)諸島の喜界島産サトウキビの粗糖や、瀬戸内海で作られた「花藻塩」が使われています。
一番人気は「絹食パン 」(1斤 税込み 280円)は、北海道産、九州産の小麦をベースに栃木県産米粉を加えた独自のブレンド粉を焼いた、もっちりと引きのある生地が特徴です。米油を使い、乳製品、卵は使われていません。 「翌日も柔らかなままの食パンを目指しています」と自慢げです。食べてみると確かにパンの耳まで柔らかい! 購入したところ3日過ぎてももっちり感はそのままで、ファンが多いのもうなずけました。トーストすると、感動のもっちり感が! 食パンは全部で4種類。「全粒粉食パン」(350円)は、ミネラル豊富な全粒粉20%配合。テンサイ糖、ヨーグルト入りで腸内環境によさそうです。そのほかミニサイズの食パン「小絹」(100円)や「くぅ食パン」(150円~)もあります。
4月に発売を始めたという店主の自信作「のぅらぼ」シリーズは、全部で10種類。農家の作物への思いと「安心」をテーマに、原材料にとことんこだわっているといいます。どれも外側はハードで中身はモチモチ! 福岡県産無農薬の小麦が香る「ナチュラル」(170円)をはじめ、無農薬の玄米粉、酒かすを使った「玄米粉のパン」(100円)など、素材本来のうま味を堪能できます。 ほかにも「オーガニックコーヒーとチョコ」(220円)、甘酒に漬けたレーズン入りの「オーガニックレーズン」(260円)、無農薬タマネギが風味豊かな「オニオン」(240円)、無農薬ゴボウを包んだ「玄米ごぼうスティック」(220円)など、味わい深いパンばかり。
サツマイモを使ったパン3種類は無糖で、生地にローストしたサツマイモのペーストが練り込まれ、やさしい甘味が特徴です。熊本県大津町で無農薬で育てられたサツマイモのおいしさが生きています。「お湯でふやかして離乳食にしている方も多いんですよ」とのこと。 「さつま塩バター」(210円)は発酵バターがアクセント。「さつまいものカンパーニュ」(ハーフ350円)と「さつまいものパン」(150円)は、なんと生地の約60%をサツマイモペーストが占めているといいます!
同シリーズは、育児中の人や食物アレルギーがある人からも支持されています。今後は種類を増やす予定とのこと。安心素材のパンを求めるお客さんにとって心強いですね。
奥の工房で焼き上がるパンは約50種類。ハード系が3割、ソフト系が3割、その他が4割。
人気第2位の「さくさくメロンパン」(150円)は香ばしい表面と、小麦に牛乳だけで仕込んだ生地のミルク感が決め手。しっかり練り上げたカスタードたっぷりの「なめらかクリームパン」(160円)は、口溶けが良く後を引くおいしさです。 練乳好きな私は、フランスパン生地に練乳が入った「ミルクフランス」(150円)、ソフトな食感の「練乳クリーム」(150円)が気に入りました。
人気第3位の「丸塩パン」(1個80円、3個220円)は、有塩バターを包んだモチモチのパン。米粉の湯種が使われています。 ソフトな食感の「くぅ」(80円)は、生地に生クリームとバターを使用。ちぎって食べやすく、子どもに人気があるそうです。
店長自ら、バイクで宅配もしているとか。「 宅配の “通(つう)らぼ” が好評です。インスタグラムで情報を発信していて、申し込みはダイレクトメールで受付けています。店から半径約3kmがお届けの範囲ですが、不定期で範囲外にも届けていますよ」。
確かな素材のパンを探している人に、ぴったりのお店。また焼き立てを買いに行こうと思います♪
くぅらぼ
住所:福岡市南区井尻5-2-1 電話:092-581-1508 営業:10:00~20:00、土曜・日祝日9:00~19:00 第3木曜休