【金婚式でまさかの事態】義父が参加できなかった、驚きの理由とは

私たち夫婦が結婚して6年目、子どもが2歳のときに夫の両親が金婚式を迎えることになりました。義母のがん手術の成功祝いと日ごろの感謝の気持ちを込めて、私たち夫婦から家族旅行のプレゼントをしました。しかし、当日参加したのは義母と私たち夫婦と子どもの4人。義父はそのとき…。

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男子厨房に入らず

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 義母は71歳の時にがんが見つかりました。幸い発見が早く、今では元気に生活しています。義母は入院する際、自分のことよりも義父の心配をしていました。「男子厨房に入らず」。昭和生まれの義父は一切の家事ができなかったのです。

 義母には治療に専念してもらうため、私は義実家と家の往復生活。義父に炊飯器やトースター、洗濯機の使い方などを一から教えました。義父が興味を持ったのは料理。危なっかしい手つきで包丁を握り、何とかカレーが完成しました。私が
 「おいしい、おいしい」と食べると義父はまんざらでもない様子。この成功体験が義父の心に火をつけたようです。

 その後も、義父が作るのはカレーだけですが、凝り始めたらとことんこだわり、ターメリックやシナモンなどを使う本格派! 「雨降って地固まる」。義母も義父の変化と料理に喜んで、10日に一度はカレーの日となりました。

高級ホテルで金婚式をお祝い

 義母も体力が徐々に戻り、快気祝いをする計画を立てました。そしてこの年は義父母の結婚50周年の金婚式。ダブルでお祝いです。そこで高級ホテルに義父母と私たち家族の5人で家族旅行することにしました。一生に一度の金婚式。露天風呂付きの客室を、給料の半月分はたいて予約をしました。ホテルにサプライズ用の花束とホールケーキを注文し準備は万全!

 当日はホテルに現地集合です。私たちは高級ホテルを堪能しようとチェックイン時間早々に到着し、くつろいでいました。すると義母から
 「ちょっと遅れるけど心配しないで」と電話が。電話口の義母は早口でいつもよりも慌てた様子です。
 「時間はお気になさらず。ゆっくりで大丈夫ですから」とのんきに答える私。ところがこの時に義父母は大変なことになっていました…。

 出発当日の朝、例によって義父お手製カレーを食べたそうです。一晩寝かせて、コクが出て美味しくなったカレー。朝からお代わりをして満腹の義父。その後義父に異変が起きるのです…。

 昼過ぎ、義母は旅行の支度を整え出発の時刻を待つばかり。ところが義父の姿がどこにも見えません。家の中を探すとトイレからうなり声が。義父は腹痛、嘔吐、下痢に襲われてトイレで動けなくなっていたのです!

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 すぐ救急車を呼び病院に行くと
 「食中毒です。多分カレーが原因でしょう。点滴しますので日帰り入院をしてください」と言われました。同じ物を食べたのに、義父だけが食中毒になってしまったのです!
 義父は
 「お前だけでも行ってこい…」とベッドから義母を送り出したのでした。ホテルの部屋のベルが鳴り扉を開けると、現れたのは疲れた様子の義母1人。

意地を張る義父

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 私たちは事の顛末を知りびっくり仰天。義父に連絡すると
 「結局、一泊入院することになったから」と苦しそうな声がしました。豪華料理と露天風呂付ホテルが一変。点滴につながれ病室で過ごすことになろうこととは…。

 後日息子が
 「じいちゃんも一緒に来ればよかったのに!」と言うと
 「じいちゃんは、もっといい所に行ってたからいいもん」と子どものように意地を張る義父なのでした。

 義父は、私たちが帰省すると今でもカレーをふるまってくれますが、みんなドキドキしながら食べています。

(ファンファン福岡公式ライター / みっちー)

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