これは私が社会人1年目の時の話です。社会人になって初めてまとまったお金を手にするようになり、当時、同期と一緒に旅行することにハマっていました。社会人になった喜びで浮かれて、同期がまさかあんなハプニングに遭遇してしまうとは…。
お土産を目当てに決めた旅行先
私の会社は4月に入社して、1カ月間の研修後に各店舗へ配属される流れでした。何百人といる同期の中で、奇跡的に気の合う同期と巡り合う事ができました。かなり忙しい店舗へ配属になったのですが、同期と励まし合いながら切磋琢磨し、2人で7月に旅行する計画を楽しみに仕事を頑張る日々でした。
私は沖縄の海の美しさと人の温かさが大好きだったので、沖縄旅行を提案。調べていると「宮古島まもる君」という交通安全の目的の人形が、宮古列島の交差点等に設置されているとわかり、同期は興味津々。
「宮古島まもる君グッズのお土産を買いたい!」と意気込んでいました。こうして迷う事なく、旅行先は沖縄県宮古島に決定したのでした。
楽しい宮古島観光
新人なので覚える事も多く、日々の業務に追われる日々。でも沖縄旅行に胸をはずませていました。そして、いよいよ旅行へ出発。入念な下調べのおかげもあり、宮古島観光は毎日楽しかったです。
そして最終日。私達は「夜の星空ツアー」に申し込んでいました。ツアーまで少し時間があったので、楽しみにしていたお土産屋さんに行くことに。さすが宮古島という事もあって、本島では見ないような限定のお土産も置いてあります。その中には、同期が
「絶対買う!」と意気込んでいた、今回のお目当ての宮古島まもる君のグッズも! 私たちは大興奮で、大量のお土産を購入し店を後にしました。
帰りにまさかのハプニングが!
無事にお土産も購入し、4泊5日の楽しい旅行も終わりが近付いてきました。飛行機が着陸して羽田空港に着いてからも
「楽しかったね!」と言いながら、なかなか流れてこないキャリーケースの受け取りを待っていました。同期とは住んでいる家も近かったので、空港から自宅までの電車も一緒です。電車に乗り、のんびり座って帰っていると、同期が
「いつも励ましてくれる〇〇(私)にサプライズのプレゼントがあります!」と言ってお土産の入った袋をガサゴソし始めました。
「え!? 何?」とドキドキする私。しかし同期の顔は、とてもサプライズを仕掛ける人の顔とは思えないほど曇っていきます…。思わず
「大丈夫?」と声を掛けると
「いない… 私のまもる君が… え、嘘…」と呆然としています。
そして、続けて
「私、こんなおばあちゃんの風呂敷買ってない…」と一言。そう、同期は空港で、自分と同じお土産袋を引っ掛けた違う人のキャリーケースを持ってきてしまったのです!
無事に帰ってきたまもる君
気付いた時にはもう遅く、終電に近かったので羽田空港へ戻る電車もありません。すぐに空港へ電話すると、荷物が1つ残っているとのこと。
次の日。仕事の後に往復3時間かけて荷物を空港へ持っていき、また自分の荷物を持って帰って来たそうです。
「家に帰るまでが遠足です!」とはよく言ったもので、この日から「“自分の荷物”と家に帰るまでが旅行です」という旅の教訓が出来ました。ちなみに宮古島まもる君は、ちょっと見た目が怖くて友人からは不評だったそうです…。
(ファンファン福岡公式ライター / ハッピーポイフル)