私が小さい頃、明治生まれの祖母がちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。少しずつアップしていきます。
私が小学校に入学した夏、近所に大きな家が建った。
祖母と二人で引っ越しのお祝いを届けに行った。
越してきたのは大賀さんという祖母の知人だった。
畳の匂いも新しい座敷に通され、祖母がお祝いを述べる横で部屋の中を見回した。
ガラスケースに入った武者人形、湖水に浮かぶ小舟を描いた掛軸、違い棚に飾られた花器…
ふと気になるものが目に入った。
ピカピカに磨かれた床柱に浮かび上がるすごい数の木目。
しかもすべてが下を向いている。
なんとなく気味悪く感じたが、その場では何も言わなかった。
いとまを告げて帰る道々、祖母に聞いた。
「さっきの家の柱って…」
「気が付いたかい? あれは逆柱だよ。生えていたときと逆に立てた柱で縁起が悪いから普通はやらないんだけどね。なぜあんな…」
それから1年も経たずにその家族はよそへ越して行き、家は壊された。
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私が小さい頃、明治生まれの祖母がちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。少しずつアップしていきます。 イラスト:チョコ太郎 小学校3年生の時、...
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私が小さい頃、明治生まれの祖母がちょっと怖くて不思議な話をたくさん聞かせてくれました。少しずつアップしていきます。 イラスト:チョコ太郎 小学校2年生の6月…...