【唐泊ヴィレッジ徹底リポート】惑える40男が糸島の秘境で人として回復するまでの話【福岡キャンプ】

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孔子 said【不惑】but 俺【惑いまくり】

 孔子は言った。40にして惑わず。
 私はこう返した。適当なこと言ってんなよ、孔子!こっちは本格的に惑ってきたよ、孔子!

 今年で42歳になりますが、惑いに惑っている。40代になり、体力の低下が顕著で、常時疲れている。そんな中(一般論ですが)仕事においては、多少なり経験は積んだものの、一度きりの人生、真のやりがいは果たしてこれなのかと考えてしまう。これでいいのか?

 また(一般論ですが)上層部の旧態依然とした価値観とのギャップに戸惑いや怒りを覚えつつ、しかし一方で中間管理職の自分自身は真にアップデートできているのであろうか。これでいいのか?

 その他も家庭生活や人間関係の悩みがどっぷり押し寄せてくるのが40代というタイミングではないでしょうか。そんな中で日々惑いに惑い、自分の存在がなんなのかさえわからず震えている42の夜。

 時にその惑いは、臨界点に達します。いつもギリギリで生きていたいから~あ~あ~あ~・・・って、もう無理!しんどい!投げ出したい!飛ぶぞ!

そんな私に届いた「秘境への誘い」

 飛ぶぞ!そんな私の状況を察したかのように、同じく惑える40代の会社の同期から、気になる非日常・秘境への誘いが届きました。

 行き先は、福岡市西区、糸島半島の東の先、唐泊にあるキャンプ場「唐泊ヴィレッジ」

うしろ浜上空2_edited.jpg
提供:唐泊ヴィレッジ

 なんだこれは・・・こんな場所が福岡市内に?私が今行くべきはここではないか・・・・。これはバッドコンディション極まりない自分に対する神の導きに違いない。いったんここに飛ぶぞ!

 急なお誘い、かつ日程が平日ではありましたが、午前中出社し、午後から移動。バタバタとはしつつも、車で唐泊へ向かいました。

お迎えにくるのはトゥクトゥク

 午前中の仕事を終えて、13:30に車で天神を出発。メンバーは同じ会社の同僚4名(男性3名・女性1名)。いずれも40前後の「惑える時期」を生きるメンバーです。全員、目が澱んでます!
 
 今回は都市高を使ったので、移動時間は30分ほどでしょうか。糸島の海を眺めてたら。あっちゅうまに唐泊漁港に到着。

 唐泊ヴィレッジまでは小道で、一般車両で向かうのは難しいとのことで、乗ってきた車を駐車し、指定のあった唐泊漁港に隣接する「唐泊漁協ストアー」に到着すると、間もなく・・・・

 なんか来た!これは「トゥクトゥク」というやつではありませんか・・・東南アジアとかでタクシーに使われてるアレです。ここから既に非日常のスタートです。

 初めて乗るトゥクトゥクは、思ったより速い。狭い道をすいすいと走り、山の奥地へ進みます。あぁ、なんか徐々に非日常へと突入する感覚。そしてほどなくすると・・・・

到着!ここが唐泊ヴィレッジだ!

 うおーーーー!!!ついたー!!!!!

 まさに「秘境」です。この唐泊の地に、こんな場所があるとは思わなんだ・・・。とにかく開放的。この日は涼しい気候だったこともあり、非常に心地よいです!

今回は「手ぶらプラン」で伺いました

 今回、いくつかプランがある中で、みんな疲れ切って眼の澱んだメンバー、かつ会社から直行したということもあり、多少の贅沢は良いでしょうと言うことで「手ぶらで」楽しめるプランを予約。

 キャンプに必要な道具は全て現地で貸し出してくれ、さらにオプションで晩御飯(BBQの食材)+朝食がついてくる、かつ「滞在中ずっと飲み放題」という夢のごたるプランを選択。最高!

トイレ・シャワー・洗面所がめちゃキレイ

 到着してすぐに、私がチェックしたのはトイレ・シャワー・洗面所。私、決して潔癖というわけではないのですが、特に汚いトイレが苦手でございまして・・・しかし、この施設は本当に掃除と手入れが行き届いており、清潔!ポイント高いです!

宿泊する「インスタントハウス」は超快適!

 宿泊する部屋は2種類あり、こちらは「シブレ―テント」というタイプ。

 今回、我々が宿泊するのは「インスタントハウス」という、モンゴルのゲルを想起させるテント。魔人ブゥみたいなフォルムが可愛らしいです。

 男性3名・女性1名で伺ったので、必然的に男性3名が同室となり、さすがにおっさん3人で過ごすには暑苦しい・狭いんじゃないかと訝しんでおりましたが・・・・

 あれ?結構広いではないですか。後、暑すぎたり寒すぎたり、温度を心配していたのですが、気持ち良い風が室内に入ってきて非常に快適・・・涼しい・・・。もう眠くなってくる。てか、同僚は速攻で寝ました。

贅沢の極み プライベートビーチ「うしろ浜」

 ひとり付近を散策していたら「BEACH」と書いてある看板と、小道を発見。迷わず突き進みます。

 まぁ海につながる道でしょう。しかし私も様々な場所の海を楽しんできた、海には一家言ある男。ちょっとやそっとの美しさには驚かない・・・・・

うわーーー!!!きれーーー!!!めちゃくちゃきれー!!!
人も全然いねーーーー!!!プライベートビーチや!!!!

 完全に取り乱してしまいましたが、こちら地元の人たちからは「うしろ浜」と呼ばれ愛されるビーチ。砂の色が白く、遠浅でもあるので、エメラルドグリーンに見えます。

 この日は少し肌寒かったですが、夏場はもちろん海水浴が楽しめるとのこと。こりゃ泳ぎたくなるな~と思っていたら

 同僚が泳いでる!というか、波に向かってぐんぐん進んでいる!気持ちよさそうだけどなんか怖い!寒いよね?落ち着け!

唐泊ヴィレッジでワーケーション的に働いてみた

 一通り散策したのち、今回、急な決行だったので、仕事の調整が完全にはついておらず、オンライン会議等もいれたままだったので、会社の定時である17:30までは仕事をひとまず片付けることに。Wi-Fiも整備されているので、ネット環境も問題ありません。昨今よく聞く「ワーケーション」気分で仕事してみるか・・・ただテントの中で仕事するのも味気ないので・・・

ケース1 ビーチで仕事をしてみた

 先ほどのビーチ「うしろ浜」にPCをもって行ってみました。砂が入ってPC壊れたら嫌なので、岩場を散策してると・・・

 なんかこの岩、椅子じゃない?ここで仕事しちゃう?

 Oh・・・・ピタッとはまりました。ここが自然のマイデスク。めちゃめちゃ気持ち良いです。しかし・・・

 最高に気持ちが良いのですが、正直気持ちよすぎる。仕事に身が入りません。よりによって、事業の収益管理をしていたら「こんな大自然の中で俺は、何で金の事ばかり考えてんいるだろう」と自分がちっぽけに思えて、涙が頬を濡らしました。

ケース2 インスタントハウスの前で仕事をしてみた

 涙をぬぐいながら、PCを持って移動。インスタントハウスの前に、椅子とテーブルを設置して仕事をしてみたところ。

 これは良い。これは良いぞ。

 波や風の音を聞き、自然を感じながらPCをいじると、オフィスではほぼ出てこない気力が溢れてきます。はかどるぞ・・・これははかどるぞ・・・。

 ただちょうど日差しが強くなってきたタイミングで、少々暑くなってきました。そこで、スタッフの方に「ちょっと仕事したいんすけど、どこが適してますかね?」と聞いたところ

ケース3 中央広場のテントで仕事してみた

 「ここが一番いいと思いますよー」と中央広場のテントを案内いただきました。

 早速中に入って仕事をしましたが・・・確かにここがベストかもです。快適!!!

 ただワーケーション使用にはばっちりだと思いますが、シコシコひとりでやる作業よりも、社員間でのアイデア出しなど、雄大なロケーションの中で会社や事業の未来を語り合う、という性質にマッチしてるような気がしました。経営者のみなさん、会社の研修とかイベントの場所としておすすめですよ!

スタッフや近隣住人の方との交流もまた良し

 テントで仕事をしてたら、斜め向かいの席にこの施設のリーダーである髙松さんが座られて、お仕事をされており、色々お話を伺いました。経験豊富でトークがおもしろく、また、この場所に対する愛情がビシビシ伝わってきました。

さらに近隣にお住まいの、御年84歳のパイセンが普通に入ってきて雑談。

 パイセンの就寝時間が平均24時くらいで、それまでテレビを見ているという話を聞いて「おそっ!なんの番組みとるんすか?」など他愛のない話をしつつ、実はこの方元々唐泊漁協の偉い方とのことで「唐泊の恵比須かきは美味い!」というプレゼンを拝聴し、時期である冬前後にもう1回泊まりに来ます、と約束したのでした。

夕飯は糸島産の肉・野菜をふんだんに楽しめるBBQ

 そんなこんなで会社の定時である17:30が過ぎたので、その瞬間に「滞在中飲み放題」プランのアルコールを注入。乾杯して晩御飯の準備に移ります。

 火起こしとかは自分たちでやる必要があるのですが、親切なスタッフのみなさんがフォローもしてくれるので、不慣れな方でも安心かと思います。

 「地産地消」にこだわった食材。野菜もこのままかじりつきたくなるような美しさ。

 糸島産のお肉もきれいです!肉厚もすごい。これは中々お目にかかれないやつですね~。ソーセージも美味しそう・・・。

 飲んだくれている私以外の皆で協力して作業し、スムーズに調理終了。いただきます!最高に美味しいです!

20時以降は唐泊ヴィレッジ名物の「ティピバー」へ

 食事を楽しんでいるとあっという間に日も沈み、あたりは徐々に夜の様相。

 お酒も進み、良い感じに仕上がってきたためこちらの「ティピテント」にて20時以降開催されている唐泊ヴィレッジの名物ともいえる「ティピバー」に伺いました。この日は大きな満月も出ていて幻想的な雰囲気です。

 ちなみにティピバーとは、ティピテント(唐泊ヴィレッジのテントは日本最大級らしい)の中で、焚火を見つめながら、お酒と会話を楽しむことができるバー。なお宿泊客は、アルコール・ソフトドリンク・おつまみが無料。宿泊客同士の交流の場としても親しまれているとのこと。

 焚火を見つめながら、静かに語り合う時間を過ごし、心が洗われていくようです・・・・。

 しかしリラックスしすぎたのでしょうか、途中から完全に飲みすぎて、記憶が朧気。

 翌日スマホに残っていた動画を見るとオジサンなのに「若者のすべて」を熱唱してたり、同僚が奇怪なダンスを踊る様子などが確認されました。多少ふざけすぎた感はありますが「よか晩、よか酒」。日ごろ不眠気味で中々自力で眠れないのですが、この日はぐっすり眠れたので、やはりリラックスできたのだと思います。精神的に再生してきた気がする。

朝も非常に気持ち良い

 しっかり飲みましたが、オジサンなので朝は6時にしっかり目が覚めます。スタッフの方に「大丈夫ですか?二日酔いとか?」と聞かれたので、満面の笑みで「通常運転です!」とお伝えし、本日もビーチへ。

 本当は日の出の瞬間が見たかったのですが、ちと遅かった。しかし風が涼しく、波の音も気持ち良いです。

 ビーチからキッチンに戻ると、スタッフの方が朝ごはんのパニーニを出してくれました。糸島豚のローストポークや新鮮な野菜がたっぷりはさまったパニーニは絶品。朝から幸せです。

ありがとう、回復したぜ、唐泊ヴィレッジ

 食後ちょこっと仕事を片付けて、この日は午後から会社に出る予定があったので、早めに帰路へ。

 ここにくる前は、惑いに惑った末に孔子に悪態をつく、なかなかやばい精神状態だった私。しかし1泊2日、雄大な自然の中で、穏やかな時間を過ごせたことで、人として回復・再生した気がしています。ありがとう、おかげさまで生き延びたぜ、唐泊ヴィレッジ!あと八つ当たりしてごめんね、孔子!

 今回は時間的に難しかったのですが、他にも「テントサウナ」があったり、秋以降は「石窯ピザの体験会」が楽しめたり、気になるアクティビティがちらほら。プランも今回のように「手ぶらで」楽しめるものから、価格的にはよりお手頃な「持ち込みフリーサイト」プランもあるので、シチュエーションによって使い分けるのも良さそうです。

 帰宅して写真を見た小学生の息子たちが「何で自分だけ行ってるんだよ!」と激怒していたので、まずは遠からずファミリーで再訪してみたいと思います!

唐泊ヴィレッジ

〒819-0201 福岡県福岡市西区宮浦273−1
総合受付:080-6781-8727(10:30~17:30 水曜日、日曜日を除く)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

惑える40代。飲み歩き・食べ歩きをこよなく愛し「酒ダルマ」と呼ばれるも、40代にして守りに入りやや健康志向。基本ミーハー、浅く広くカルチャー全般に興味。

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