野外には有害な虫がいることがあります。せっかくの楽しいハイキングやキャンプが虫による被害で台無しにならないように、防虫対策をしてアウトドアを楽しみましょう。
野外で出会う有害な虫とは?
●スズメバチ
夏〜秋にかけて活発に活動し、攻撃性が強いハチです。樹木の枝や土の中に巣を作ります。強い毒をもっており、刺されると強い痛み、赤い腫れを生じ、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こすおそれがあります。
●マダニ
季節を問わずに発生しますが、特に春〜秋に活動が活発になります。マダニは日本全国どこにでも生息していますが、中でも特に好む場所として知られているのが、山や森、草むらです。動物や人に咬みついて吸血しウイルスや細菌などの病原体を人間にうつすことがあります。市街地の草むらや公園など身近な場所にも生息するので気をつけましょう。
マダニは世界中に800以上の種がいるといわれていますが、このうち日本には47種が生息しています。マダニに咬まれると、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎、つつが虫病やライム病などの感染症にかかることがあります。
その他にも、山や森、草むらなど屋外で、動物や人間の血を吸うアブ、ヒル、蚊のほか、ムカデなどの有害な虫にも注意が必要です。
虫の被害から身を守るためのポイント
1.肌の露出は控えめに!
長袖・長ズボンのほか、帽子を被ったり、首にタオルを巻くなど肌の露出を控えましょう。虫除け剤も有効です。
2.黒い色はNG!
スズメバチは、特に黒い色に反応することが多いです。できるだけ黒い色の服の着用は避けましょう。
マダニが付着した場合にも見つけやすい明るい色の服がおすすめです。
3.匂いにも注意!
香水やヘアスプレーなどの匂いを好む虫もいます。香りのあるものはできるだけ避けましょう。
4.直接触れないように!
害虫や知らない生き物は直接触れないように注意してください。また、地面に直接寝転んだり、座らないようにしましょう。マダニ等の虫がつくかもしれません。座るときは必ずシートを使用しましょう。
5.帰宅後も気をつけて!
家に入る前に衣服をはたき、脇の下や足の付け根、ひざの裏など、害虫がついていないかをしっかりチェックしましょう。帰宅後は早めに入浴し、脱いだ服はすぐに洗濯しましょう。
虫に刺された時の対処法
注意をしていても害虫に刺されたりかまれたりすることがあります。そんな時はあわてずに処置しましょう。必要に応じて医療機関で診察を受けてください。
●ダニに咬まれた場合
吸血中のマダニを取ると、一部が皮膚内に残る場合があるので、無理に取らず、皮膚科で処置を受けましょう。また、数週間程度は体調の変化に注意してください。発熱などの症状がでたら医療機関で診察を受けてください。
●ハチに刺された場合
刺された場所から離れ、傷口をしぼりながら刺されているところをきれいな水でよく洗い流します。患部に抗ヒスタミン軟膏を塗り、冷やしましょう。処置した後、できるだけ速やかに医療機関で診察を受けてください。呼吸が苦しくなる、嘔吐、下痢、意識がなくなるなどのショック症状があれば、すぐに119番通報し、救急車を呼んでください。
ハチが集まる植物「ヤブガラシ」とは?
ヤブガラシは荒れ地や庭、道ばたなど、いたるところに生えるツル植物です。このヤブガラシには、スズメバチやアシナガバチなどが好んで集まってきます。近くに巣がないところにハチがよく飛来している場合は、近くにこのヤブガラシがある可能性があるので注意しましょう。
特定外来生物「セアカゴケグモ」に要注意
特定外来生物の毒グモで、背中とお腹に特徴的な赤色模様があります。暖かい物陰を好み、側溝の蓋、ベンチの裏や水抜き穴などに生息します。発見したら殺虫スプレー(市販)を吹きつけて駆除してください。殺虫スプレーがない場合は、靴で踏みつぶしてください。
●問い合わせ
福岡市 保健医療局 生活衛生部 生活衛生課
E-mail:seikatsueisei.PHB@city.fukuoka.lg.jp
提供:福岡市