ようやく涼しくなってきました。皆さん、おうち時間をどう過ごしていますか? 読書の秋に手にしてほしい新刊9冊を紹介します!
「1分おしり筋を伸ばすだけで劇的ペタ腹!」【学研プラス】
Naoko/著
やせるコツはお尻にあるんです! おなかや下半身のダイエットには、お尻の筋肉を伸ばし骨盤を整えることが何よりの近道だとか。基本のポーズはたった4つで、しかも簡単。何より体がスッキリするといいます。筋肉や骨盤の図解のおかげで、効果を理解しながら実感できるのもポイント。まさにセルフ整体です。3人のママである著者の脅威のスタイルや、体験者の話も大きな励みに。これまで何をやっても結果が出なかったという人はぜひ!
「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」【光文社】
山口周/著
読みながら、「ついに私の時代が来た!」と思いましたね、ええ。これからのビジネスではロジックや数字と並んで、直感や倫理を含む「美意識」が重要になるというのが本書のテーマ。もちろん私、エリートではありませんし、デスクの上も常にぐちゃぐちゃですけれども…。でも、アートや文学は大好き! 「自分が関わるプロジェクトを自分の作品だと考えてみる」という著者の考え方に仕事観が変わる人も多いはずです。
「ソフトバンク『巨額赤字の結末』とメガバンク危機」【講談社】
黒川敦彦/著
経済のこと、特に金融のことは素人には分かりにくいというのが正直なところです。しかし、銀行預金だけではお金を増やせない超低金利の現在、なにがしかの金融商品に投資している人が少なくないでしょう。金融商品に手を出せば、多かれ少なかれ意識しなければならないのがリスクです。この本のタイトルは規模の小さな個人投資家には無関係に思えますが、日本経済が直面しているリスクについて手がかりがつかめるはずです。
「恐ろしくきれいな爆弾」【小学館】
越智月子/著
大臣就任直後の美人女性議員が永田町の男社会を破壊していく物語。登場人物、出来事は架空のものですが、「角田長英→田中角栄」、「福永貫介→福田赳夫」、「パッカード事件→ロッキード事件」などモデルが分かりやすく名付けられているため、実際に起こった政治史を知るキッカケにもなるでしょう。日本を発展させた先人たちが、今は老害となって主人公に立ちはだかります。そのバトルの行方はいかに?
「フシギな謎と新発見! 読んで旅する秘密の地図帳」【青春出版社】
おもしろ地理学会/編
日本というのは、世界の中でも小さな国だという印象を持っている人が多いでしょう。日本の国土面積は世界の陸地全体の0.15%しかありません。ところが、海岸線の全長は3万3889km。アメリカの約2万kmより遥かに長いのです。こうした驚きの事実をはじめ、地理・地形に関する謎や不思議を集めたのがこの本です。友達に話したくなるような雑学が詰まっています。
「遥かに届くきみの聲」【双葉社】
大橋崇行/著
本書は、高校の朗読部を舞台に、主人公・透の再生を描いた物語です。トラウマを抱えた透と快活な遥のやり取りに青春を感じる一方、文芸作品をどう分析するか、どのように感情を込め、どのように演出するかを考える「朗読」の奥深さに驚かされました。思わず声に出して読みそうになりました。朗読経験者はもちろん、そうでない人も興味深く読めるであろう作品です。
「酒場詩人の美学」【中央公論新社】
吉田類/著
「酒場放浪記」を知っている人にはおなじみ吉田類のエッセー集です。あちこちを旅し、その土地の景色、人、酒場を紹介しています。酒に関する話以外にも、ちょっとした文章が見逃せません。「丸亀辺りから西のエリアが特に旨(うま)いです」と、地元のうどん通から聞かされた情報がさりげなく記されていたりします。1編ずつ、いろいろな味が楽しめるエッセーです。
「私が愛したトマト」【潮出版社】
髙樹のぶ子/著
「官能幻想文学小説集」とでも呼ぶべき、髙樹のぶ子氏の短編集です。死んだはずの友人とトマトを分け合ったり、今は亡き元恋人から贈られてきたガラス細工のバッタが喋(しゃべ)り出したり。果たして現実の話なのか主人公の妄想なのか分からなくなり、物語の迷宮に迷い込んでしまったような感覚に襲われます。その快感に、ぜひ酔いしれていただきたいです。
「麹本 KOJI for LIFE」【農文協】
なかじ/著
塩麹(こうじ)を使った料理の経験はあっても、麹そのものを作った経験のある人は少ないはず。本書は、その作り方を一から細かく解説している珍しい本です。麹作りは湿度や温度の管理が重要で大変な作業。けれど発酵という麹菌の生命力の不思議を実感できる神秘体験でもあるのです。若き麹文化研究者による本書は英訳や2次元コード付き。世界中でトライできるように紹介されています。若い人や外国人にもおすすめしたいオシャレな一冊です。
気になる本はありましたか? 秋のおうち時間の相棒に、手にしてみてはいかがでしょう。次回もお楽しみに。