私の夫はイタリア人。一般的にイタリア人は子煩悩で、家事や育児は積極的にやる男性が多いと言われています。わが家の夫も、子煩悩なマイホームパパではあるのですが、たまにドン引きする行動をすることも。今回は、息子が生後1カ月の時、寝かしつけで起こったエピソードです。
寝かしつけの悲劇
多くの母親にとって、子どもの寝かしつけは一大イベントではないでしょうか。わが家の息子は授乳しないと寝てくれないので、寝かしつけはほぼ私の役目でした。
でも夫は一日外で働いているし、やはりこういうのは母親の仕事と納得していました。あの日までは…。
その日は義母が家に遊びに来たため、昼寝が遅くなってしまいました。そのため、息子は夜に寝るのも時間がかかっていました。私が授乳をしている間、夫は食事をし、お風呂に入っています。
そして約1時間後… やっと息子が寝ました! 心でガッツポーズをしながら、息子をベッドに移すタイミングを見はからっていた、その時です。お風呂上りの夫がやってきて、寝たばかりの息子を抱きあげたのです!
息子はびっくりして泣きそうになりましたが、夫が高い高いをするのでゲラゲラ笑い始めました。気を良くした夫は、高い高いとコチョコチョ、そして最後は歌を歌い、息子はキャッキャと大喜び。
すっかりテンションが上がってしまったようで、息子は元気一杯!
夫の一言に唖然
時間にして5分程度でしょうか。ふいに夫が
「はい」と抱いていた息子を私に渡しました。息子は、楽しく遊んでいたのに中断され、ギャン泣きです。でも夫はまさかの
「じゃあ寝るわ。男同士のコミュニケーションもしたしね」と無責任な一言!
その日は義母の訪問もあって、私はクタクタ。息子の世話に追われて、自分はまだご飯も食べていない状態でした。そんな中、やっと寝た息子を起こして、男同士のコミュニケーション? あまりの無責任さにイラっとした私は
「男同士のコミュニケーションって言うなら、寝かしつけもしてくれる?」と言いました。
すると夫は、心底びっくりした表情で
「インポッシブル! 僕にはオッパイという便利なものはないから」と言い放ったのです! 「男同士のコミュニケーション発言」に加え、「オッパイは便利発言」に、頭の中の何かがプツっと切れました。
自分では気づかないうちに、涙が勝手にポロポロこぼれてきました。そして息子はギャン泣き。夫は、とにかく呆然としていました。
結局夫は、泣く妻と息子に挟まれ、軽くパニックになりつつ、息子の寝かしつけをしに寝室へと避難していきました。しばらく号泣する息子の声が聞こえていましたが、30分ほどで静かになったので様子を見に行くと、夫も一緒に寝ていました。
私はなんだか気が抜けてしまい「来世は男性に生まれる」なんて非現実的なことを考えたのを今でも覚えています。
夫の何気ない一言は危険!
今思い返すと、夫の一言になぜあんなに反応してしまったのか不思議です。でも、あの時は「もうこの人とはやっていけない!」とすら思いました。ホルモンバランスが乱れていたのもあるのかもしれません。
ちなみに夫は、今でも私がなぜあの時泣いたのかわかっていません…。でもその後、夫は寝かしつけをしてくれるようになりました。
私はこのエピソードを散々ママ友に語っています。すると皆、共感してくれて、そして何かしら夫のドン引きエピソードを披露してくれます。妊娠中や、産後は、メンタルも体調も不安定。そんな時の夫の何気ない一言は、本当に危険だなと改めて思う私です。
(ファン福岡公式ライター / raymama)