化粧品や健康食品を販売するファンケル(本社:神奈川県)は、福岡県内の高校生と一緒に持続可能な開発目標(SDGs)を考える「ファンケル 福岡SDGs講座」を実施しています。9月22日、福岡県立柏陵高校(福岡市南区)で2回目の講座が開かれ、海洋プラスチック問題の学びやトークセッションを通じて自分たちにできることを探りました。
便利な暮らしの裏にある環境問題
「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」を創業理念に掲げ、美と健康を提供するファンケル。無添加化粧品、サプリメント、青汁、発芽玄米など安心、安全の商品開発をはじめ、地球環境、社会問題といった「未来の不安」にも立ち向かい、持続可能な社会を目指しています。
福岡県内で2回目となる「ファンケル 福岡SDGs講座」は福岡県立柏陵高校で開かれました。同校は全国でも珍しい「環境科学コース」を1997年に設置。SDGsの実現に貢献する人材の育成に力を入れています。
今回のテーマ「環境」は、ファンケルが2018年に策定した「サステナブル宣言」の重点取り組みの一つです。第1部はファンケルサステナビリティ推進室の町田洸徳さんが「海洋プラスチック問題」を取り上げ、「どのようなことが起こっているか、周りの人と5分ほど話して発表してください」と呼びかけました。
生徒たちは元気に挙手し、「海の生物がプラスチックを食べて苦しんでいる」「プラスチックを食べた魚が食卓にあがり、人間が食べてしまう」「海のごみが砂浜に流れ着いて、遊ぶ時に危ない」「処分時に二酸化炭素(CO₂)が発生する」など、次々に問題を指摘しました。
町田さんは
「プラスチックは便利な暮らしを支える面もあります。メリットとデメリットのバランスを取り、できる限り減らすことが課題です」と解説。削減の方法として、リデュース(減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再生)、リニューアブル(再生可能素材に置き換え)の頭文字からなる「4R」の考え方を紹介しました。
3人の登壇者がSDGsの意見交換
第2部のトークセッションは町田さん、福岡SDGs協会代表理事の髙木正太郎さん、ファンケル大丸福岡天神店の山田佳那さんが登壇しました。
経営者である髙木さんは、ビジネスにもSDGsの視点は不可欠と話し、町田さんも「最近は企業がSDGsに取り組んでいるかどうかが、商品選びの基準にもなっている」と強調。山田さんは9月16日から福岡市内のファンケル6店舗で、使用済みプラスチック容器を回収し、リサイクルする取り組みを開始したことを報告し、「一緒にSDGs活動をしていきましょう」と笑顔で語りかけました。
生徒たちは質疑応答も積極的に参加。
「17の目標で最も重要視すべきことは」の質問には、3人とも「全部大切だから難しい」とうなりつつ、髙木さんは「全ての基となる4番の『質の高い教育をみんなに』」、町田さんは「ファンケルはいち早く貢献できることを大事に、事業と連動する重点テーマのSDGs番号」をそれぞれ回答。山田さんは「ジェンダー平等です。一人一人の優しさを持ち寄って、より良い地球をつくっていきたい」と答えました。
講座を終えて
扇小春さん
海の問題を解消するために、一人一人の行動の積み重ねが大切だと感じました。回収ボックスを利用して、私も活動します。
青木結さん
来年の文化祭の出し物に生かしたい気づきがありました。ファンケルのように有名な会社の活動は大きな影響力があると思います。
松尾祥子校長
企業の方から直接話を聞けたことは、生徒たちにとって刺激になったでしょう。主体的な行動につながると期待しています。