福岡市地下鉄福大前駅から徒歩約10分。「ベトナムカフェVina House(ビナハウス)福大前店」は今年1月25日、ベトナムの旧正月「テト」の日にオープンしました。ベトナム各地の多彩な料理が味わえるほか、雑貨や食材の販売、ベトナムの年中行事にちなんだイベントの開催など、福岡にいながらにしてベトナム文化を丸ごと体験できる、“ミニ・ベトナム”スポットです。
ベトナムと日本の交流の場に
オーナーのブイ・テイ・トウ・サンゴさんは来日13年、福岡市在住9年目。西日本短期大学メディア・プロモーション学科の助教で、ベトナムの伝統芸能や食文化を紹介するイベント「ベトナムフェスティバル福岡」の実行委員長も務めています。
2019年、天神中央公園(福岡市中央区)で開催されたベトナムフェスティバルは大盛況。その一方で、「大きな会場で人がたくさんいると恥ずかしい」「もっと小さいスペースで楽しみたい」という声に応えて、アットホームな交流の場として作ったのがこの店です。
来店客はベトナムに関心のある日本人や、留学生や実習生など福岡に住んでいるベトナム人。スタッフにもベトナム人が多く、週末にはベトナムの年中行事に合わせた交流会を開催しています。 例えば、11月23日の「教師の日」には、日本人学習者が日頃の勉強の成果を披露するベトナム語発表会を予定。コンテスト形式で、優秀者にはアオザイなどの豪華賞品もあるそうです。
ハノイ、フエ、ホーチミン…各地の味が楽しめる!
ベトナム料理といえば、まず生春巻きとフォーを思い浮かべる人が多いのでは? 「それ以外にも、おいしい料理がたくさんあるので、ぜひ知ってほしいです。ここではベトナム北部、中部、南部それぞれの料理が全部食べられますよ」とサンゴさん。 麺料理一つとっても、北部ハノイの「ブンチャー」、中部フエの「ブンボーフエー」、同じく中部ダナンの「クワン麺」、そして南部ホーチミンの「フーティウ」と、バラエティー豊かです。
細うどん風のコシのある太めの米粉麺ブンと牛肉の「ブンボーフエー」は、濃厚なエビ風味のピリ辛スープにレモングラスの香りが爽やかです。
細めのブンとたっぷりの野菜、焼いた肉を甘酸っぱいタレで食べる、ハノイのつけ麺「ブンチャー」も人気。 アメリカのオバマ元大統領がベトナムを訪れた際に食べたメニューにちなんだ、ブンチャーとカニの揚げ春巻き、ハノイビールの「オバマセット」(1,500円)も好評だそうです。
とはいえ、生春巻きはやっぱり大人気! 豚肉、エビ、バインセオ(ベトナム風の米粉パンケーキ)、牛肉と、4種類の具材が楽しめる「バラエティ」は、これだけでおなかいっぱいになるほどボリューム満点です。 平日のランチタイムには、これら人気メニューのうち1品が日替わりで500円に! メニューに載っていない現地の屋台グルメなども、リクエストすれば大抵作ってくれるそうです。
民族衣装アオザイを着て記念撮影もOK!
店内には、調味料や缶詰、菓子、麺類など現地で調達した食材や、かわいらしい雑貨がずらり。民族衣装のアオザイや傘帽子ノンラーの試着もできます。
週末には、ベトナム語と英語の無料レッスンも。ベトナム語の生徒の多くは、ベトナム人の親を持つ子どもたちで、「母国の言葉や文化など、自分のアイデンティティーを忘れないように」とサンゴさんは語ります。
福岡に住むベトナム人にとって、サンゴさんは頼れる存在。サンゴさんは日本の制度や生活習慣を教えたり、トラブルの解決を手助けしたりと、広い人脈を生かして、さまざまな面でサポートしています。 「日本で暮らす以上、何をするにしても、日本人(=現地の人)との協力が大切。ベトナム人だけで固まったり、いつも同じ人と集まったりしていてはダメ!と学生にも言っているんですよ」
店名の「Vina House」の意味は「ベトナム家」。ベトナム人にとっては、ここに来れば家族のように過ごせる“みんなの家”。日本人にとっては、料理も文化も全て本格的なベトナムを体験できる交流の場です。 まずは、おいしくてバラエティーに富んだベトナム料理を味わいに、足を運んでみませんか?
ベトナムカフェ Vina House 福大前店
住所:福岡市城南区片江5-46-23 電話:092-517-8616 営業:10:00~14:00/19:00~22:00 ※土・日曜は11:00~15:00/17:00~21:00 ※いずれもラストオーダーは料理1時間前、ドリンク30分前 無休