【年末調整】を忘れてしまった! デメリットとその後の対処法を解説

 会社に年末調整の用紙を提出するのを忘れていた… その場合、デメリットやその後どうすれば良いのか心配になりますよね。今回はファイナンシャルプランナーの川畑が年末調整をうっかり忘れてしまった場合に押さえておくべき点を解説していきます。必要な手続きについて一緒に確認していきましょう。

目次

年末調整は正確な所得税を納めるための手続き

写真AC

 そもそもなぜ年末調整が必要なのか、簡単におさらいしておきたいと思います。
 会社に勤めていると、所得税は住民税、社会保険料と一緒に毎月の給与から天引きされます。しかし、この際に引かれる所得税はあくまでも概算です。もしかすると、年の途中で大幅な給与アップなどがあるかもしれませんが、そういった事情は考慮されていません。

 そこで、その年の所得金額が確定した後で正確な金額が算出され、場合によっては還付や追加の徴収が行われます。年末調整とはこの概算で引かれていた所得税と、正式に出された所得税の金額の差額を調整するものです。

年末調整の用紙を出し忘れた! その場合は必ず確定申告を

 年末調整を忘れた場合には確定申告が必要となりますが、ここで年末調整をしないことによるデメリットと、その後に必要となる確定申告の概要を掴んでおきましょう。

年末調整を忘れることによるデメリット

 デメリットとしてはまず、年末調整の代替の手続きとなる確定申告に手間がかかることです。毎年している人なら慣れたものですが、初めての場合だと面倒に感じるかもしれません。

 また、年末調整をしなければ基礎控除や配偶者控除、生命保険料控除といった所得控除を受けることができません。よって、これも確定申告による手続きが必要となります。そして、もし還付がある場合はそれを受け取れなくなるというデメリットもあります。

 こうした手間などを考えると、年末調整で済ませられるのならそれが一番ですよね。では次に確定申告について簡単に解説します。

確定申告の概要

写真AC

 確定申告とは、その年の所得額から納めるべき税額を計算し、納税することを目的としており、年末調整を忘れた場合は確定申告によって手続きを進めることになります。

 基本的に会社員であれば年末調整で完結してしまうことも多いですが、給与以外に所得があったり、確定申告でなければ適用されない控除がある場合などは年末調整とは別で手続きを行うこともあります。

確定申告の作成と期限 

 確定申告は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から作成することができます。作成した申告書は印刷して税務署へ郵送する方法のほか、e-Taxという電子申告を選ぶことも可能ですので、自分に合った方法を選びましょう。

 注意点として、確定申告にも期限があります。毎年1月1日から12月31日の間に生じた所得については、翌年の2月16日から3月15日の間に申告するというルールになっているため、確定申告をすることになった場合は早めに準備をしておきたいですね。
(※国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.2024 確定申告を忘れたとき 抜粋|参照元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm#:~:text=%E6%A6%82%E8%A6%81,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%E3%80%82

もし年末調整を忘れたら必ず確定申告を!

写真AC

 年末調整を忘れてしまったら確定申告で手続きができることをご紹介しました。
 確定申告は自分で行わなければならないので、初めてだとやや戸惑う部分もあるかもしれません。その点、年末調整は必要事項を記入して会社へ出せば良いので手間もそれほどかかりません。

 「忘れている」と会社から言ってもらえる可能性はありますが、担当者もそうしたチェックを一人一人するのは大変です。まずは忘れないように年末調整の用紙を記入して提出するように心がけたいですね。

(ファンファン福岡公式ライター/川畑彩花)

あわせて読みたい
お小遣いでお金の勉強!金額や渡すタイミングを工夫してみよう 子どもにお小遣いをどのように渡すべきか、悩ましいですよね。今回はファイナンシャルプランナーの川畑が、お小遣いの金額や渡すタイミングのポイントを整理して解説します。子どもに早いうちから金融の勉強をして欲しい! と願う方はぜひ参考にしてみてください。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次