正月に食べる機会が増える餅。餅は他の食品に比べて窒息事故の頻度が高いそうです。気を付けたいポイントを「防災新聞」サイト、竹若由里絵編集長に聞きました。
Q:餅の窒息事故の原因は?
A:厚生労働省のe-ヘルスネットによると窒息事故は65歳以上の高齢者に多いとされています。原因は体の機能の衰えと餅の特性。年齢を重ねるごとにかむ力、のみ込む力、咳で食べ物を押し返す力が弱くなり、唾液の量が減ります。また、口の中でかんでいるうちに、冷えて喉の粘膜にくっつきやすい状態になるのです。
Q:窒息事故を防ぐために気を付けることは?
A:ポイントは5つ。(1)餅を小さく切る(2)餅を食べる前に汁物を飲む(3)姿勢を良くして顎を引いて食べる(4) おしゃべりは控える(5) 唾液と混ぜ合わせながら、よくかむ−ことです。
Q:もし家族が餅を喉につまらせたら?
A:人は窒息すると無意識に喉を親指と人さし指でつかみます。これが「窒息のサイン」です。呼びかけに反応がある場合は「腹部突き上げ法」や「背部叩打(こうだ)法」を試してください。呼びかけに反応がない場合は「心肺蘇生法」を行いましょう。
\Point/ 窒息している人の反応がある場合
腹部突き上げ法
患者の後ろに回りウエスト付近に手を回す。一方の手でへその位置を確認。もう一方の手で握りこぶしをつくって、親指側を患者のへその上方で、みぞおちより下方に当てる。へそを確認した手で握りこぶしを握り、すばやく前方上方に向かって圧迫するように突き上げる。
※妊婦や乳幼児にはしないこと
背部叩打法
患者の後ろから、手のひらの基部で左右の肩甲骨の中間辺りを力強く何度もたたく。
出典:日本医師会「救急蘇生法」
https://www.med.or.jp/99/