2人目を妊娠中に、2歳の息子とバスに乗って出かけた時のことです。行きは座ることができましたが、帰りは満員バスに当たってしまいました。次のバスまで30分…。2歳の息子と待つことは難しいと判断し、満員バスに乗ることに。その車内でほっこりした体験を聞いてください。
満員バスに乗車
バスに乗る前に
「座れないから立ってバスに乗るよ」と伝えると、意外にも息子からは
「は~い!」とご機嫌なお返事が。バスに立って乗ることは初めて。不安に思っていた私は、息子の機嫌が良いことに心の中でガッツポーズ。
手すりにつかまるように伝え、私自身も片手で手すりを持ち、もう片方の手で息子の体を支えました。
バスが出発しました。
「ピンポンしていい?」と息子。
「まだだよ~。押していい時にママが言うね」と会話もして、なんだかいい感じ?!
目的のバス停までは15分。なんとかこのまま乗り切りたい私は、息子の集中が切れる前に1分でも早く到着することを祈っていました。
抱っこをせがむ息子
しかし、嫌な予感は的中。5分もしないうちに飽きてしまった息子が
「抱っこがいい」とせがみます。
「もう少し待ってね」と伝えましたが、抱っこで頭がいっぱいになってしまった息子の耳には入らず
「抱っこ~ 抱っこ~」と抱っこコールが始まり、その場にしゃがみ込みます。
まずい…。
帰宅ラッシュの満員バスで、ぐずり泣きが今にも始まりそうな様子。
サラリーマンが迷惑そうにこちらを見ます。揺れるバスで足元が不安定な中、妊娠後期の大きなお腹で抱っこするのは気が引けましたが、そうは言っていられない状況です。覚悟を決めたその時、神の声が!
意外な人物が、神対応!
赤信号でバスが停まったその時。後ろから
「あの… よかったらどうぞ」と声をかけてくれる人物がいました。
声の方を振り返ると、制服を着て大きなスポーツバッグを持った、高校生の男の子がすでに立ち上がり、心配そうにこちらを見ていました。
「ありがとうございます」お礼を言う私。優先席でもないのに声をかけてくれた、心の優しい男子高校生にほっこり。
すると男子高校生は、しゃがみこんだ息子に
「立てる?」と優しく声をかけて立ち上がらせてくれました。普段は人見知りの息子ですが、男子高校生の優しい雰囲気に警戒を解いて手をつないだまま座席へ。男子高校生の優しすぎる神対応に嬉しさを超えて、びっくりでした。
息子も座席に座ることができてからは、外の風景を見て機嫌が戻りました。男子高校生のおかげで一難を逃れることができたのです。
優しさにほっこり
その後、無事に最寄りのバス停に到着。
「ありがとうございました」降りるときにも感謝を伝えると
「あっす…」と少し照れた様子の男子高校生。
息子が
「バイバイ」と手をふると、ふりかえしてくれました。
バスを降りた後も、人の思いやりに触れた心地よい余韻が残り、1日を気分よく過ごすことができました。
声をかけて席を譲ってくれる気遣いと、息子へ優しい表情に、きっと将来良いパパになるのだろなあ… と彼の未来に思いを馳せずにはいられませんでした。
(ファンファン福岡公式ライター/Mina)