一所懸命にご飯作りをしていると、お手伝いをしたがる娘。特にやりたがったのは包丁で切ることですが、ママには時間と心に余裕がありません。やってみたいという好奇心は伸ばしたいものの、日常生活では難しい包丁チャレンジ、実はぴったりの時期があったのです!
娘のお手伝いしたい気持ちはとても嬉しいのに…
当時、保育園に通っていた娘。毎日のようにおままごとを楽しんでいるうちに、本物でもやってみたくなったのか、私がキッチンにいるとトコトコとやってきては、「私も何かやりたーい!」「お野菜切ってみたーい!」と言うのです。 お手伝いをしているエプロン姿の娘を想像するとつい微笑んでしまうのですが、実現することはなかなかできません。 なにせ、平日のご飯作りというのは時間との戦いです。家に帰ってから寝るまでの間にやらなければならない事を考えると、娘と一緒にキッチンで料理をするなんて夢のまた夢。 「ごめんね、今は無理だよ。」と断ると、「じゃあ、お休みの日は?」となかなか引かない娘。よっぽどやってみたいのでしょう。 でも、お休みの日だってママ業は大忙しです。平日にできなかった家事を片付けたり、用事を済ますとあっという間に終わってしまいます。娘に包丁を使わせる事を優先できるような時間の余裕はありませんでした。 とはいえ、私の都合で「やってみたい」という娘の好奇心を満たせない事に、罪悪感がありました。私自身は、母が専業主婦だった事もあり、割と早い時期から包丁を握っていたので、娘には自分がやってもらったのと同じようにやりたい気持ちも。 時間と心に余裕があって、娘の願いを叶える事ができるのはどんな時だろうと考えた結果、ベストタイミングを見つけたのです!
お正月休みのお雑煮作りはデビュー戦に最適!
ベストタイミング…、それはずばり、お正月休みです! 長いお休みでありながら、やる事といえば大掃除と初詣くらい。チャンスはここしかありません。 「ママと一緒にお料理してみる?」と、ゴロゴロしている娘に声をかけるとガバッと飛び起きてキッチンに飛んできました。あらかじめ買っておいたエプロンをつけて、かわいいお手伝いさんの誕生です。 お手伝いデビュー戦、今回やってみるのは「包丁を使って切る」。献立は、お正月らしくお雑煮です。このお雑煮、実は包丁デビュー戦におすすめの献立なんです。 私の地域は、かまぼこや油揚げを入れるのですが、この2つは、切りやすい形と柔らかさが子どもの包丁使いにぴったりです。切る時に強く力を入れる必要がないし、指が切れないようにする、「猫の手」の形も、じゃがいもや人参に比べて簡単にできるので安全です。 瞬きもせず、子供用包丁で一つ一つ真剣に切る娘。かまぼこを切り終わるのに、30分はかかっていたと思いますが、時間に余裕があるので長くかかっても平気です。これが時間のない時なら、途中で取り上げて私がササっと切ってしまったかもしれません。 穏やかに見ていられたからこそ、娘はかまぼこと油揚げを全部切り、達成感を味わう事ができました。 そして、その日の夜は、「このかまぼこと油揚げは私が切ったんだよ!」と娘の自慢話で食卓が盛り上がりました。 おままごととは違う、本物の包丁の切れ味と、本物の料理をしたことで少し大人になった気分を味わったようです。喜んで自慢をする娘を見ながら、これからも日常のなかで、娘の好奇心を満たすための時間を取れるようにしたいと思いました。 (ファンファン福岡公式ライター/tamura)