しっかり見張っていても、子どもは隙をついて、親が驚くような行動に出ることがありますよね。私は一瞬の不注意で、娘にとても痛い思いをさせてしまいました。119番通報する事態にまでなった、娘の怪我についてお話します。
娘の手が挟まりパニックに
娘が1歳2カ月の頃、いつものように私と娘の2人で自宅で過ごしていました。私は玄関とリビング間のドアを開けっぱなしにした状態で、玄関フロアに掃除機をかけていました。このとき娘はリビングで、ハイハイしながらボールを転がしたり追いかけたりして遊んでいました。
掃除が終わり、リビングへ入りながらドアを閉めると、すぐ横で娘が泣き始めました。何ごとかと見ると、娘の指がドアの蝶番側の隙間に挟まっています! 私が閉めているタイミングで、ドアの隙間に指を入れてしまったようです。親指以外の4本が付け根から挟まっており、娘の指を抜こうとしてもドアは全く動きません。
時間が経つにつれて、娘の手は血の気がなくなり白さが増しています。怪我は大丈夫なのか、骨折していないだろうか…。激しい娘の泣き声と、どうにもできない状況で私はパニックになってしまいました。
消防隊と救急隊を呼ぶことに
5分ほど娘の指やドアを動かそうとしましたが、状況は全く変わりません。自力で娘を助けるのは不可能と思い、助けを求めることに。1番に思い浮かんだのは救急車ですが、この状況で呼んでいいのか分からずためらってしまいました。そのとき目に入ったのが、ホワイトボードにメモしておいた、救急電話相談(#7119)の番号。まずはここへ電話しました。
頭が真っ白になりながら、状況を説明。
「お子さんの指はまだ挟まっていますか?」という問いかけに、
「はい」と答えると、
「それならすぐ救急車を呼んでください」と指示がありました。
救急車を呼ぶときは119番。
いつもなら当然知っていることですが、このときは思い浮かばず、
「救急車を呼ぶのって何番ですか?!」と聞いてしまうほど焦っていました。
119番に連絡して事情を伝えると「消防隊と救急隊がすぐに向かう」とのこと。この時点で、ドアに挟まってからすでに10分ほど経過していました。到着を待っている間、
「もうすぐ助けがくるからね」と声を掛けましたが、娘は激しく泣き続けていました。
約5分後、まずは消防隊が自宅前に来ました。玄関とリビング間のドアが開かないので、キッチンの窓から家の鍵を渡しました。
消防隊の方がペンチの刃部分をドアの隙間へ差し込み、力いっぱい広げると、ドアの隙間と指の間にわずかなスペースが。娘の手をそっと引くと、すんなり抜けました。無事に救助され安心しましたが、娘の泣き方は変わらず、怪我の状況が心配です。
そして消防隊と入れ替わりで、救急隊が自宅に来ました。白くやや腫れ気味の娘の指を見たあと、
「病院へ行くので救急車に乗ってください」と指示。焦りながら支度していると
「お母さん、慌てなくていいからね」
「鍵閉めた?」と、救急隊の方は私の目を見ながら、穏やかに声を掛けてくれました。おかげで頭が真っ白の状態でしたが、無事に支度を終えました。
救急車の中で娘はまだ泣いていましたが、抱っこしながら
「もう指は抜けたから大丈夫だよ」と声をかけていると、少しずつ落ち着いてきました。娘の指をそっと動かしたり曲げたりしていた救急隊員の
「骨折の心配はなさそうですね」という言葉を聞き、私も少し緊張が解けました。
医師の診断結果は…?
病院に着くと、レントゲンの撮影へ。医師の診断結果は、
「1歳でまだ骨が完全に出来ていないから判断が難しいけれど、おそらく大丈夫」このとき娘は泣き止んでいましたが、指には紫色の跡がくっきり。診断結果に安心したものの、傷跡を見るたび心が痛みました。
指はその後2、3日ほど腫れていましたが、痛がる様子もなく2週間後には紫色の跡も消えて完治しました。大事に至らず良かったですが、自分の注意力が足りなかったことを猛反省。対応策として、ドアの隙間は専用テープで封鎖し、ドア付近に娘がいるときは、特に目を離さぬよう気を付けています。
そして救急車を呼ぶ事態をもう起こさないようにと思っていますが、ホワイトボードの「#7119」の横に「119」を書き足しました。
(ファンファン福岡公式ライター/坂 真琴)