暗くなっても子どもたちが帰ってこない! 肝が冷えた出来事

 出産後、幼い子どもが行方不明になったり、虐待を受けたりというニュースを見聞きするたびに、人ごとではない気がしています。想像もしたくないことですが、「もし自分の子どもがそんな悲しい目にあったら…」と思うと胸が痛むのです。そんな折、子どもが帰宅せず、何か事件に巻き込まれたのではと考えた、肝が冷える出来事がありました。

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初めて子どもだけで遊びに行かせてみたものの

 わが家には、小学1年生の娘と幼稚園年中の息子がいます。娘が小学生になってからというもの、行動範囲と交友関係がグッと広がりました。わが子にたくさん友達ができてうれしい反面、心配事も尽きません。  ある日、娘が友達と一緒に学校から帰宅し、「今日これから公園に遊びに行ってもいい?」とお願いされました。本当は、娘と息子を連れて図書館に行く予定だったのですが、娘は約束をすっかり忘れてしまっていた様子。友達と遊びたくて、期待で目をキラキラさせています。そんな娘の様子を見て、息子も「僕も一緒に公園に行きたい!」と言い出しました。  これまでも、娘が友達と公園に行くときに、息子がついて行くことはあったのですが、子どもだけで遊びに行かせるのが心配で、私も付き添っていました。けれど、娘の友達は、第2子、第3子の子が多く、普段からお兄さんお姉さんについて、勝手に公園へ遊びに行くようで、誰も保護者は付き添いません。  娘は、自分だけママがついてくるのが恥ずかしかったのか、しきりに「ママはおうちにいていいよ! 自分たちだけで大丈夫だよ!」と言います。そこでその日は、子どもだけで遊びに行かせることにしました。    みんなで食べるようにとお菓子を持たせ、家から自転車で3分ほどの公園に向かうことを確認。私の住むエリアでは、秋冬になると帰りをうながすチャイムが16時30分に鳴ります。そこで、そのチャイムが鳴ったら、家に帰ってくるように伝えました。  普段は、大人の言うことをきちんと聞く娘ですが、玄関で友達を待たせているので、気もそぞろ。見るからにソワソワとして、話を右から左に聞き流しています。結局、娘は「分かった分かった!」と、飛び出して行ってしまいました。これが、後からあんなことになるとは…。

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約束の時間を過ぎても帰ってこない! 何かあった?!

 子どもたちを送り出してから時間がたち、帰りのチャイムが鳴る16時30分になりました。そして16時45分、17時…。まだ帰ってきません。最初は「チャイムが鳴っても、まだ遊びたいのかな」と、のんきに構えていましたが、17時過ぎてあたりはすっかり薄暗くなっているのに、まだ帰ってこないのです。  日が落ちると、風も冷たく、こんな寒い中で子ども達が遊んでいるとは思えません。だんだんと心配になって、私は自転車に乗り、遊びに行ったはずの公園へ向かいました。  街灯に照らされた公園は、ひっそりと静まりかえり、子どもの姿はどこにも見えません。  「うちの子たちはどこに行ったの…?」と薄暗い公園に立ち尽くして、背筋が冷えていくのを感じます。焦る気持ちで近所のコンビニエンスストアや駄菓子屋さんへ、自転車を走らせますが、どこにもいません。子どもの誘拐事件が、やたらと鮮明に思い出されますが「姉弟2人でいるはずだから大丈夫」と、不安を打ち消し、夢中で子どもを探しました。  一緒にいた友達は、どうしたのだろうと思いつきました。もしかしたら公園が寒くて、友達の家に行ったのかもしれません。そして時間を忘れて遊んでいるのかも。友達の家は分からなかったのですが、運良くクラスのママたちでグループLINEを作っていたので、そのママに連絡を取ることができました。もし、連絡先を知らなかったらと思うと、ゾッとします。  「娘が弟を連れて、○○ちゃんと公園に遊びに行ったのだけど、まだ帰ってこないのです。もしかして○○ちゃんのおうちにお邪魔していますか? 勝手にお邪魔していたらごめんなさい」と連絡をすると、すぐに返信がありました。  「うちには来ていないよ。娘に聞いたら『帰りのチャイムが鳴ったから、早く行かなきゃ』と公園でお別れして、図書館に向かったみたい」と教えてもらいました。  まさか図書館に行ったとは! 確かに、その日は図書館に行く予定でしたが、公園に行くなら図書館は延期すると伝えたはず。しかも、公園から図書館までは、子どもが自転車に乗って15分もかかるところにあります。大きな道を真っすぐ進むのですが、交通量の多い交差点もあり、子どもだけで行かせたことはありません。「事故にあったらどうしよう」と焦りながら、自転車を飛ばしました。

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親子の涙の再会後に、司書さんがかけてくれたやさしい言葉

 時間は17時30分。息を切らしながら、走って図書館の児童コーナーへ行くと、絵本を抱えた息子と、涙ぐんでいる娘のそばに、司書さんがついていてくれました。  2人の姿を見た瞬間、私は膝がくだけるようにガクンと折れ、「いた…」と、しゃがみ込んでしまいました。そして子どもたちが無事でホッとした気持ちと怒りで、感情がもみくちゃになり、涙がこみあげてきました。  それから、私はしゃがみ込んだまま2人の手を握り、「ちゃんとママの話聞いてた? 公園で遊んだらおうちに帰ってきてって、言ったじゃん。図書館はまた今度だよって話したよ」とグスグスと泣きながら叱りました。2人とも涙ぐみながら、うなずいています。司書さんは、そっと席を外してくれました。  ようやく話が終わって立ち上がり、放心状態の私。せっかくなので2人に好きな本を借りに行かせると、先ほどの司書さんがそばにきて声を掛けてくれました。  「娘さん、自分も不安なのに、弟くんの手を握って『ママ来るよ』と元気づけていました。途中でおうちに帰ろうとしたんですが、外も暗いし、お母さまがいらっしゃるかと思って、私が引き留めていたんです。すみません」  司書さんの優しい言葉に、また涙がこぼれ、何度も何度もお礼を言って帰宅しました。娘は、しっかりしているように見えて、まだ小学1年生。ちゃんと口約束は、理解したか確認しなければいけないなと反省しました。そして、周囲の大人の優しさを実感した1日になったのです。 (ファンファン福岡公式ライター/tsukuko)

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