「ままごとは、おじさんがほしいね!」プライバシーダダ漏れ!? 園児が教える家庭内の事情

 子どもは素直で何でも話してくれますが、時には親が話してほしくないことまで、他人に話してしまうことがあります。保育士の私が、園児から聞いてしまった家庭内のびっくり事情をお話します。3歳のAちゃんが、ままごとで話していた「おじさん」とは一体?

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年少クラスのAちゃん

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 保育士として勤務し始めて5年。今年は、年少さんのクラスの補助を担当することになりました。みんな素直で、懐いてくれて、とても可愛い子ども達ばかりです。特にAちゃんという3歳の女の子は、私に手紙を書いてきてくれたりして、とても慕ってくれていました。しかし、そんなAちゃんの家庭の秘密を知ってしまうことになるのです。
 
 その日は、あいにくの雨。外で遊びたがっていた園児数人と、お遊戯室でおままごとをすることにしました。

 私が、おままごとで遊ぶ準備をしていると、Aちゃんが
 「おままごとには、ママとパパと赤ちゃんと、それから… おじさんがほしいね!」と、張り切っている声が聞こえてきました。

 私は一瞬、Aちゃんが何を言っているのか理解することができませんでした。他の園児も困惑した表情で
 「おじさんなんていらないよ!」と、Aちゃんに強く言ってしまったのです。

 Aちゃんはその言葉を聞いて
 「おじさんいるもん!」と言って、ついに泣き出してしまいました。

「おじさん」って誰?

 私は、その場を他の保育士にお願いして、Aちゃんの話を聞くことにしました。私がAちゃんに
 「Aちゃん、何でおままごとにおじさんがほしいって言ったの?」と聞くと、Aちゃんは泣きながら
 「だってAちゃんのおうちには、おじさんいるもん…」と教えてくれました。

 Aちゃんの家族は、Aちゃんのパパとママ、Aちゃんの3人家族のはずです。おじさんって一体誰なのかと不思議に思った私は、Aちゃんに
 「そのおじさんは、親戚の人かな?」と聞くと、Aちゃんは
 「ちがうよ! ママのお友達なの」と教えてくれたのです。

 Aちゃんの話によると、そのおじさんは、Aちゃんのパパがいない時だけ家に遊びに来るそうです。そしてAちゃんが欲しがるおもちゃを買ってくれるのだそうです。

 私はこの話に驚愕してしまい、信じられない思いでした。

私とAちゃんだけの秘密

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 Aちゃんは一通り話し終わると、急に表情が暗くなりました。
 「どうしたの?」と聞くと、Aちゃんは焦った様子で
 「ママに、Aが言ったって言わないでね! 先生とAちゃんだけの秘密ね! ママに『だれにも言っちゃいけない』って言われたの」と、言ってきたのです。

 私は、Aちゃんの必死な様子に
 「わかったよ。このお話は先生とAちゃんだけの秘密ね」としか答えることができませんでした。Aちゃんと秘密の約束をしたものの、万が一Aちゃんに何かあったらいけないと思い、私は園長に相談することにしました。

 園長は困惑した表情をうかべたものの、すぐに真剣な表情になり
 「家庭のことは口出しできないから、Aちゃんのことは私たちが気をつけて見ていきましょう」と言いました。

 そこで私は、Aちゃんのことを今まで以上に気をつけて見ていくことを心に決めました。

Aちゃんのその後

 Aちゃんを見守るといっても、何事もなく時が過ぎていき、半年が経った頃でした。園長から、Aちゃんのパパとママが離婚したことを聞きました。

 やはりAちゃんのママは、あの“おじさん”と不倫をしていたようです。新年度からは、Aちゃんのママ、おじさん、Aちゃんの3人で一緒に住むことになり、転園してしまうそうです。

 Aちゃんは、そのこともとても嬉しそうに私に話してくれましたが、私は少し複雑な気持ちで聞いていました。Aちゃんが、新しい家族といつまでも幸せに暮らしていけることを願うばかりです。

 このように、子どもは家庭内のことまで何でも話してしまうものです。私も改めて気をつけようと思った出来事でした。

(ファンファン福岡公式ライター / miyuki)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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