「それ素敵ね、どこで買ったの?」会うたびに真似してくる恐怖のママ友

 有名人の見た目や持ち物が素敵で「真似したい」と思った経験は誰しもあると思います。しかし、平凡な主婦である自分が「真似される側」になると、恐怖体験に変わりました。私は今でも、なんでも真似するママ友にゾッとしています。

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私のイヤリングを気に入ったママ友

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 ママ友のAさんとは、息子が小学校に入学して最初に開かれた5月の学級懇談会で知り合いました。
 Aさんは黒髪を1つ結びにした真面目な印象のお母さん。挨拶も会話も、他の保護者と変わらない雰囲気です。Aさんの息子とわが家の息子はクラスが同じで、習い事も同じ所に通っていると判明。そんなご縁で、息子と共にお宅へ招待されました。

 息子たちはゲームなどの遊びに熱中しているので、私たちは小学校の話など世間話をしていると、ふとAさんが私の耳に目を留めます。
 「そのイヤリング素敵ね。どこで買ったの?」と、何気ない様子で聞かれました。

 イヤリングは「ノンホールピアス」と呼ばれるタイプで、店頭で取扱い数が少ないため、ネット通販で購入しました。私は、何も考えずAさんに購入先のオンラインショップを教えました。

 次の週、習い事のお迎えで遭遇したAさんの耳元には、見覚えのあるイヤリングが輝いています。
 「あれ? イヤリング買ったんだ。もしかして一緒のデザイン?」そう尋ねると、悪びれなく
 「そうなの、素敵だと思って同じのにしちゃった」と答えました。

 正直なところ「ママ友とお揃いにする!?」と思ったのですが…。シンプルで使いやすいデザインなので、「そういうこともあるか」と自分を納得させました。しかし、Aさんの「真似」はイヤリングだけにとどまりませんでした。

見た目を丸ごとコピーされる

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 夏の終わり頃。息子を習い事に送っていくと、Aさんもちょうどやって来ました。Aさんを見た瞬間、私の心臓がドッと鳴ります。
 Aさんの髪型はロングだったはずが私と同じ肩までの長さのボブに切られており、スカーフ柄のヘアバンドを付けていました。へアバンドも私が付けているものとそっくりで、首から上のシルエットが鏡に映った自分に瓜二つだったのです。

 Aさん宅にお呼ばれされたのは最初の1回きりですが、習い事の送迎で顔を合わせる機会が何度かありました。そのとき、
 「そのヘアバンドどこで買ったの?」と尋ねられたことを思い出します。その時、イヤリングの件でモヤモヤしていた私は
 「どこだったかなあ?」と濁しました。

 私と似たデザインのヘアバンドを探して買ったのでしょうか? 想像すると、「勘弁してよ!」と、不快感がこみ上げました。しかし、Aさんは髪型のことにもヘアバンドのことにも触れません。私もはっきりさせるのが怖くて聞けず、ゾッとしながら別れました。

 Aさんは他のママ友に対しても「良いな」と思ったものを尋ね、真似しているのかもしれません。もちろん「真似」ではなく、「偶然」でという可能性もあります。もしそうだったとしたら自意識過剰が恥ずかしくて、周りのママ友には相談できないままです。

対処法は「避ける」一択

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 その後Aさんを避けるため、わが家は習い事の送迎時間をずらしました。さらに、2年生進級時のクラス替えで息子たちのクラスが離れ、息子同士も遊ぶ機会が減ります。その後、他の習い事に集中するためにAさん宅と一緒だった習い事を辞め、会う機会は完全になくなりました。

 時間と共にAさんのことは忘れていきましたが、3年生への進級時、再び顔を合わせることになります。学校の授業参観へ行くと、クラスは違いますが、廊下でばったり会ったのです。無視するわけにもいかず、警戒しながらも軽く挨拶しました。すると、Aさんは私のバッグに視線を移します。
 「それ素敵ね。どこで買ったの?」

 悪びれなく笑顔で聞いてくるAさんに軽い眩暈を感じます。私は
 「うーん、忘れちゃった」と適当に濁し
 「じゃあ、そろそろ授業の時間だから!」と、その場を後にしました。

 Aさんは、私と好みや価値観が近いのかもしれません。しかし、どうしても不快感が拭えないままです。授業参観の後は一度も遭遇していませんが、今後も距離を置こうと思います。みなさんは、自分の持ち物や見た目を真似する人が現れたら、どう対処しますか?

(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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