福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい【福岡キミスイ本 第31回】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。31回目は、「福家書店 木の葉モール橋本店」(福岡市西区)の南隆大さんを訪ねました。さらに、おうち時間に読みたい話題の9冊を紹介します。

目次

福岡市出身の作家が怠け者の生きざまをゆるくつづった作品集

「怠惰の美徳」 梅崎春生著 荻原魚雷編

出典:http://fanfunfukuoka.aumo.jp

―こんにちは! 今回、初めての福家書店さん訪問です。文芸書担当の南さん、おすすめの福岡ゆかりの本を教えてください。

 こんにちは! 今回紹介するのは、「怠惰の美徳」(梅崎春生著 荻原魚雷編、900円+税)です。中央公論新社から2018年2月に発売されています。エッセイストの荻原魚雷(おぎはらぎょらい)さんが選んだ、梅崎春生さんの文庫オリジナル作品集です。

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―この本との出合いは。

 タイトルを見た瞬間、何だこれは!と手に取りました。冒頭に「三十二歳」という詩が出てきます。これを読んだ昨年、自分がたまたま32歳になる年で、運命めいたものを感じました。さらに梅崎春生さん(1915~65)を調べると福岡市出身の直木賞作家だったのです。

―恥ずかしながら、この作者を初めて知りました。  戦争に参加していて、その時の経験も執筆活動に生きているそうです。「ボロ家の春秋」(1954年)で直木賞を受賞されています。

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―「怠惰の美徳」はどんな内容ですか。  エッセー、短編小説、詩が合わせて35編収められ、主に作者が怠け者のままに生きてきたことなどが書かれていて、どれも内容はゆるいです(笑)。ビッグネームの作家なのに「小説を書くことは、私には苦痛です」「仕事が私を怠けさせるのだ」などとつづられています。自分勝手だけれど、どこかすがすがしくて共感でき、こんなふうに気楽に考えてもいいんだ、と思わせてくれます。

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―怠けてきたことを堂々と書いているというのが興味深いですね。どんな人に読んでもらいたいですか。  分かりやすい文章で書かれているので、読書になじみがない人にもおすすめしたいです。そしてこのご時世に、重圧を抱えているような人などにも読んでほしい。作者のユーモアある考えに触れて、少しでも気持ちが軽くなればいいなと思います。

―ときには肩の力を抜くことも必要だと教えてくれる本なのですね。ありがとうございました!  あ、もう1冊だけ個人的におすすめの本を。「書店主フィクリーのものがたり」(ガブリエル・ゼヴィン著、小尾芙佐訳、早川書房、840円+税)です。小さな書店主をめぐる心温まる物語なのでおうち時間にぜひ!

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 続けて話題の9冊を紹介します。

「純烈 人生相談室 僕のお腹で、泣けばいい」【中央公論新社】 

出典:中央公論新社

酒井一圭/著 1,540円(税込み)

 「世の中は不公平です」「夫と家庭内別居状態です」「パワハラ正社員が怖くて眠れません」…。人生は誰もが崖っぷち。みんなそれぞれの理由で息苦しいものです。「そんな時には泣けばいい。僕の胸で、いえ“お腹”で泣いてください」。「婦人公論」の大人気連載、読者悩み相談室「脱衣所からこんにちは」が待望の書籍化!

「運気を引き寄せるリーダー 七つの心得」【光文社】

田坂広志/著 858円(税込み)

出典:光文社

 「運の強さ」は、「意識的な努力」で変えられる、と本書。われわれは誰もが、自分の人生を導く「リーダー」です。危機や逆境でリーダーに求められる「究極の力」など、元内閣官房参与で多摩大学大学院教授の著者による先進の量子科学、トランスパーソナル心理学に基づく「新・運気論」。「運気を磨く」(14万部)の待望の続刊。

「子宮内フローラを整える習慣 「妊活スープ」で妊娠体質に変わる」【青春出版社】

古賀文敏/著 1,540円(税込み)

出典:青春出版社

 晩婚化にともない妊娠についての悩みを抱える女性が増えています。一方、子宮内の細菌の集まりである「子宮内フローラ」を良い状態に保つことで、妊娠率のアップが期待できると産婦人科医の著者はいいます。そのカギを握るのが「日々の食事」。本書では、「子宮内フローラ」の善玉菌を増やし、妊娠体質に変わるという食習慣のヒントを紹介しています!

「DVD付 学研まんが NEW日本の歴史 1巻 国の成り立ち」【学研】

大石 学/監修 1,100円(税込み)

出典:学研

 歴史まんが唯一のDVD付き! NHKの迫力の映像、ダイジェストアニメ、オリジナル資料映像といった充実のDVDで、まんがと一緒に歴史を自然と理解できます。1巻は旧石器から古墳時代を描写。贈り物にも最適!

「生贄探し 暴走する脳」【講談社】

中野信子、ヤマザキマリ/著 968円(税込み)

出典:講談社

 「なぜ、誰かが得すると自分は損した気になるの?」。経済をよくするための“Go Toトラベル”も「あの人だけ、いい思いをするなんて!」とモヤっとした人も少なくなかったのでは。コロナ禍では医療関係者までも生贄(いけにえ)探しの対象に。脳科学者の中野信子さんと、時代も国も超えた体験を描く漫画家・随筆家のヤマザキマリさんが鋭く分析。

「二平方メートルの世界で」【小学館】

前田海音/文 はたこうしろう/絵 1,650円(税込み)

出典:小学館

 病院のベッドの上で、9歳の少女が発見したのは? 「たくさんのだれかが、わたしに語りかけてくれた。ひとりじゃないよって…」。札幌市の小学5年生・前田海音さんが3年生のときに書いた作文をもとに作った絵本です。この作文は「第11回子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)小学生の部で大賞を受賞しています。

「小さな神たちの祭り」【潮出版社】

内館牧子/著 1,760円(税込み)

出典:潮出版社

 人気脚本家・内館牧子が感動のテレビドラマを書き下ろし小説化! 3・11東日本大震災で自身を除く家族全員が行方不明になり、「自分だけが幸せにはなれない」と苦しむ一人の青年。彼が再び前を向いて歩んでいく姿を通して、人間の”心の復興”を鮮やかに紡ぎだしています。

「踊る彼女のシルエット」【双葉社】

柚木麻子/著 693円(税込み)

出典:双葉社

 結婚、妊娠、出産…ライフステージが変わって疎遠になった友達はいますか? 年齢や環境の変化に揺れ動く女の友情を鮮明に描く長編小説。社会の暗黙のルールや物差しなど“見えない差別”に苦しんでいる女性に届けたい、自分で自分の生き方を決めることを肯定してくれる一冊です。 ※「デートクレンジング」を改題し文庫化

「うねゆたかの 田んぼの絵本」(全5巻)【農文協】

宇根豊/作 小林敏也/絵 1万4,850円(税込み)

出典:農文協 

 田んぼは、稲を育てる農家の仕事によって豊かに保たれています。農家と子ども、生き物の対話から田んぼという環境を深く理解するシリーズ絵本。対象は小学校中学年以上。(1)田んぼの四季(2)田んぼの動物(3)田んぼの植物(4)田んぼの環境(5)田んぼの文化の5巻編成。作者は元福岡県農業改良普及員で「田んぼの学校」を全国に広めています。

 いかがでしたか? おうち時間が続いているので、読書の時間を充実させてはいかがでしょうか。次回もお楽しみに。

福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい【福岡キミスイ本 第30回】

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