福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい【福岡キミスイ本 第16回】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。2020年の新春第1弾(通算16回目)は「MARUZEN博多店」の篠崎里絵さんに会いに行きました!

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福岡を出て九州を舞台にエスケープするロードノベル

「逃亡くそたわけ」絲山秋子著

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―新年おめでとうございます。今年もどんな本が推薦されるのか楽しみです! 早速、今回の本を教えてください。  はい。絲山秋子さん作「逃亡くそたわけ」(講談社文庫・400円+税)です。 ―以前、直木賞候補にもなった話題作ですね、何年前くらいの作品だったでしょうか?  2005年に発表され、07年に文庫が出ました。福岡市の百道にある精神病院から逃げ出した男女2人が、九州内を縦断しながら逃亡するというロードノベルです。07年には映画化もされています。

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―福岡をスタートして九州内が舞台ですね。  福岡、熊本県・阿蘇、鹿児島県・指宿など高速道路を使わない逃走ルートです。本の中には経路を示した地図のページもあるんですよ。通行止め、う回などの情報も描かれています。作者は実際に1,200kmの距離を1週間かけて運転して逃亡経路を巡ったそうで、描写がリアルです。

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―登場人物は福岡の人という設定でしょうか。  逃走を企てた「花ちゃん」は福岡市出身で福岡大学の女学生。話の中でもずっと博多弁で話しています。ばりばりの博多弁です(笑)。一方、巻き込まれて自分のクルマで逃走に付き合う男性の「なごやん」は名古屋市出身。病院内ではそれを隠して東京出身とうそをついているのですが。 ―隠しているんですか?  名古屋出身の人はあまり名古屋を誇りに思わない県民性と言われています。一方、福岡の人は福岡を誇りに思って大好き。そんな2人の違いも描かれています。

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―作者の絲山さんは福岡や名古屋の人ではなかったですよね。  メーカー勤務時代に福岡や名古屋に転勤で赴任していたそうです。その時に言葉だけでなく県民性を知ったのかもしれませんね。 ―言葉、県民性、性格が違う2人というわけですね。  そんな2人の掛け合いが面白いんです。精神を患っている人の話なので、幻聴や幻覚があったり、危なっかしいところもあるのですが、話は全く重くなくて軽快です。会話のテンポがよく、ユーモアも散りばめられています。それに、何より私はこれを読んで「逃げてもいいよ、休んでもいいよ」という癒やしを感じました。

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―それと今作を選ばれたのには、他にも理由があるとか。  実は、この作品の続編の連載がスタートしたんです! 季刊誌「文藝」2019年冬号から「まっとうな人生」というタイトルです。 ―花ちゃんとなごやんが出てくるのですか?  2人の14年後が描かれているんです。「あの2人にまた会いたい」というファンの声が多かったらしいのと、絲山さんも「書きたい書きたいとずっと思っていた」と、ツイッターでコメントしておられました。私も楽しみにしていたので、本当にうれしいです! ネットでも話題になっていますよ。

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―少しだけ内容を教えてもらえますか。  (笑)。2人はそれぞれ結婚していてお互いに家族があります。そして富山県で偶然の再会を果たします。家族も一緒にキャンプをしたりするのですが…。 ―そうか、年齢を重ねているわけですね。  20代前半だった2人が、もういい大人になっています。これから、どうなっていくのか楽しみですね! ―旧作分を早速読んで、ついて行きたいと思います!

福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい!【福岡キミスイ本 第15回】

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