ゆとり世代に生まれた私は、子ども時代にぼーっと過ごす時間があったからこそ、今、心にゆとりを持って生活できていると感じていて、子どもにもゆとりのある生活をしてほしいと考えています。しかし、同じくゆとり世代のはずのママたちの多くは、自分の子どもたちにゆとりを持たせたいとは思っていないようです。
子ども時代のゆとりある贅沢な時間が人生を豊かにする
私は「ゆとり世代」と呼ばれる年代で、土曜日に学校へ通う必要もなく、薄い教科書に書かれている最低限の内容さえ押さえておけば、余った時間に何をしようが自由という風潮の中で育ってきました。
そんな私の幼児~小学校時代の記憶といえば、草が生い茂る空き地に虫を捕りに行ったり、図鑑を眺めたり、チラシの裏にお絵かきをしたり、ビーズでアクセサリーを作ったり、特にすることが思い浮かばないときには、ただただぼーっとしたりと悠々自適でのどかなものでした。
時間が過ぎるのが遅すぎると感じることさえありました。今思い返すと、とても贅沢(ぜいたく)な時間の使い方をしていたなと思います。
そのような生活を送ってきた私は、特に習い事をたくさんすることもなく、幼少期から目指していた国立大学に進学して夢を叶え、現在では優しい夫とかわいい子どもたちに囲まれて人並みの幸せを感じながら過ごしています。
私が今の穏やかな生活を手に入れることができたのは、詰め込み教育とは無縁で、幼少期からのんびりと過ごすことによって得た心のゆとりのおかげだと思っています。どんなときも、幼少期の贅沢な時間の思い出が、私を支え、励ましてくれました。
そのため、私は自分の子どもたちにも、心にゆとりを持てるような子ども時代を過ごしてほしいと強く考えています。
子どもの将来のために毎日習い事をさせるべき?
ところが私の周囲には、同じゆとり世代でも、子どもにゆとりある生活を送らせたくないのかな? と思えるママが多いようです。
3歳の子を持つ同世代のママ友たちと会うと、必ず出るのは習い事の話題。私も息子に
「ピアノをさせたいな」「何か1つだけでいいから運動をさせたいな」くらいのことを思いはするし話もするのですが、私以外のママ友は、1週間の予定を全て習い事で埋めようとしているのかと思うほど、多くの習い事をさせたいと考えているようなのです。
私が
「あまり習い事を詰め込まずに、子どもにもある程度のゆとりを持たせた方がよいのでは?」と意見しても、ママ友の多くは私の考えに賛同しかねる様子。
私たち同世代は、何かと「これだからゆとり世代は…」と標的にされてきたため、ゆとりを持つことが悪いことだと考えているのかもしれません。
確かに、私もゆとり世代として否定されることが多かったので、ゆとり教育の是非を問われれば、言葉に窮してしまいます。それでもやはり、自主性を尊重し、自分のために時間がしっかり使えるゆとりがあったからこそ、今の自分があると思えることが多いのは確かです。
自分の持論を証明するためにも、自分を信じて子どもにゆとりを持たせられるような育児に励んでみようと思う今日この頃です。
(ファンファン福岡公式ライター/ぼたん)