福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第56回福岡キミスイ本】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。56回目はくまざわ書店 福岡西新店(福岡市早良区)の生田 将吾さんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の7冊を紹介します。

目次

福岡大学法学部教授が作った「社会保障」のガイド本

「社会保障のトリセツ」山下慎一 著

くまざわ書店 福岡西新店の生田 将吾さんに聞きました

―こんにちは! 今回生田さんが紹介するのはどんな本ですか?
 山下慎一さんの「社会保障のトリセツ」(2022年8月弘文堂、1,485円、税込み)です。日本にはどんな社会保障があるのか、その制度の内容や仕組みなどが全体的に説明されています。著者は福岡大学法学部の教授。信頼のおける内容に加え、社会保障全般に対して書かれている本はなかなか無いので、家に一冊あると重宝する本だと思います。

―珍しい一冊ですね。なぜこの本を選びましたか?
 著者である山下教授は社会保障法を専門としていますが、実際に自身が制度を知らなかったことで活用できなかった経験があり、本書は“そんな人を1人でも少なくしたい”という思いから出したと、出版を機に来店した際、伺いました。その言葉がとても心に響き、もっと多くの人に知ってもらえればと今回選ばせてもらいました。本書については、“社会保障を全て把握するのは難しいので、この本を役所に持って行ってもらえれば。役所の人と一緒に見れば、制度の使い方が分からなくても、この本に載っているので説明がしやすい”とも言われていました。まさにサブタイトルにある「困ったときに役所の窓口に持っていく本」だと思います。

「社会保障のトリセツ」山下慎一 著

―「社会保障」と聞くと小難しい印象がありますが、実際に読んでみた感想は?
 図やイラストが用いられているほか、本書の最初に「お悩み別フローチャート」があるため、とても分かりやすくて画期的だなと思いました。このフローチャートをたどると、その先でそれぞれの悩みに適した社会保障の説明がなされているので「自身の悩みがどの制度に当てはまるのか…」という人でも安心です。私自身、知らない制度が結構ありましたが、子ども手当や保育園・幼稚園に入る時の制度についてなど、とても勉強になりました。

―この本はどんな人にオススメしたいですか?
 何かあって「制度を使いたいが、どういうものがあるのか分からない」という時にこの本を活用してもらうと、どんな制度があるのか、また、その後の進め方が明確になると思います。年齢・性別に関係なく購入する方が多いので、困った時にはぜひ手に取ってもらいたいです。

PRALIVA(プラリバ)2階に位置する「くまざわ書店 福岡西新店」

―くまざわ書店 福岡西新店について教えてください。
 当店は2019年7月にオープンし、今年で4年を迎えます。学習参考書や文庫をはじめとした書籍約2万冊を取りそろえています。学生はもちろん、家族連れも多いため、児童書や旬の漫画なども取り扱っていますよ。また、普段使いしやすいステーショナリーも充実しています。

くまざわ書店が選ぶ「新刊・話題の本」コーナー

―「新刊・話題の本」コーナーがありますね。選定はどのように?
 はい、このコーナーでは「くまざわ書店」が選んだ本をランキングで紹介しています。その月に出版された新刊はもちろん、テレビや新聞で紹介された話題の本が並んでいます。「くまざわ書店」では当店に限らず、どこの店舗でも同コーナーを展開しているので、ぜひ立ち止まってみてくださいね。

ありがとうございました。福岡大学教授の経験から生まれた「社会保障のトリセツ」。各ライフステージでの強い味方になってくれそうです…! 続いて話題の7冊を紹介します。

「52ヘルツのクジラたち」【中央公論新社】

町田そのこ 著/814円(税込み)

提供:中央公論新社

 「この声は、誰にも届かないと思っていた」。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚(きこ)と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた2人が出会い、魂の物語が生まれます。2021年本屋大賞受賞作品が待望の文庫化!

「能面検事の死闘」【光文社】

中山七里 著/1,600円(税込み)

提供:光文社

 忖度(そんたく)しない、空気を読まない…己の流儀を貫く大阪地検一級検事・不破俊太郎の活躍を描く、累計12万部超の人気シリーズ待望の第3弾。“無敵の人”を自称する通り魔と連続爆破犯〈ロスト・ルサンチマン〉、2人のテロリストは凶悪犯か? 時代の被害者か? 棄民と司法の対決が始まります。

「自民党の統一教会汚染2山上徹也からの伝言」【小学館】

鈴木エイト 著/1,760円(税込み)

提供:小学館

 安倍元首相銃撃事件が起きて以降、自民党の統一教会汚染問題を追及してきた鈴木エイト氏。果たしてその裏で政治家や教団とどんな暗闘があったのか、事件からの追撃300日をレポートします。本書では、山上被告について知られてこなかったスクープ情報も開示。また、鈴木氏が秘めてきたこの問題についての原点も明らかにします。

「あなたの内なる『神の声』を聞く方法」【青春出版社】

佳川奈未 著/1,760円(税込み)

提供:青春出版社

 佳川奈未氏、作家デビュー20周年特別記念出版!「直感は、神の声!!」それは、あなたの叶えたい人生、たどり着きたいゴール、望む運命を知っており、神秘的でリアルな“誘い”を得意とする高次からのガイダンスです!「神の声の受け取り方」「天の誘い方」の秘密を、しっかり教えてくれる一冊。

「薄毛、白髪、細毛…頭皮を耕せば髪が健康になる!頭部リンパ流しで髪が増えた!」【Gakken】

横田有里惠 著/1,540円(税込み)

提供:Gakken

 薄毛、白髪、くせ毛…髪トラブルは頭皮下の老廃物が原因と本書。紹介される「頭部リンパ流し」は、頭をもみほぐすことで老廃物を流し、黒く、太く、豊かな美髪を育てるメソッドです。著者自身も59歳とは思えないハリ・コシのある美髪の持ち主で、白髪染めともいまだに無縁とか! 一生役立つ美髪作りがよくわかる一冊です。

「ほろよい読書 おかわり」【双葉社】

青山美智子、朱野帰子、一穂ミチ、奥田亜希子、西條奈加 著/759円(税込み)

提供:双葉社

 今夜は癒やしの一杯で、自分にお疲れ様を。今大注目の作家5人が「お酒」をテーマに描いた、読み心地抜群の短編小説集第2弾です!

「もっと上手に小さい畑」【農文協】

斎藤進 著/1,980円(税込み)

提供:農文協

 著者は市民農園で野菜をつくって30年。15㎡(4.5坪)の狭い畑を空間もいかし、フル回転させて年間約45品目の野菜をつくっています。ビギナーの失敗を防ぐ作付け計画の作り方、施肥のコツと落ち葉主体の土つくりをイラストで詳解します。

 いかがでしたか? しとしとと雨音を聞きながら、本の世界に入り込んでは。次回もお楽しみに。

著者情報

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