まさか幽霊?! 午前2時、私にだけ聞こえる呼び声の正体とは?

 それは、強い雨が降りしきる真夜中のこと。だれもいないはずの家の外から、誰かを呼ぶ声が聞こえる。しかも私のほかには誰もその声に気づいてないみたい。これってまさか…

目次

真夜中の呼び声

写真AC

 あれはちょうどゴールデンウィークも終わり、いつもの日常が戻ってきたころ。その日の晩は、県内に大雨警報が出るほど、激しい雨が降っていました。屋根に打ち付けるような激しい雨でしたが、室内はじめっとしていてなんだか蒸し暑く、少しだけ窓を開けて就寝することに。

 ふと夜中に目を覚ますと、時刻は午前2時。
 「雨が部屋に吹きこんでいないかな」と気になり、窓のベッドのわきにある窓に目を向けました。すると、家の外から誰かが叫んでいるような音が聞こえたのです。

 はじめは近所の人が来たのかと思いましたが、それなら呼び鈴を鳴らすはず。しかも時刻は真夜中。外はこんなに雨が降っているのに、いったい誰が…? 私の横では夫も子どもも寝ていますが、誰もその声には気づいていません。
 「もしかして、聞こえてるのは私だけ…?」あまりの恐ろしさに、気づかなかったことにして、再び眠りにつこうとしたのですが、それでもやっぱり声は聞こえ続けます。

不気味な声の正体は…

 さすがに無視しきれなくなり、隣で爆睡する夫を起こすことに。
 「外で人の声がする気がする」と伝え、窓から外を見回してもらいますが、暗闇と雨で何も見えません。仕方なく、外の様子を見に寝室を出ていく夫。
 「どうか、私の気のせいでありますように…」と願いながら、子供たちと一緒に寝室で夫の帰りを待っていました。ところがしばらくすると、今度は外から夫が私を大声で呼ぶ声が。

 急いで駆けつけると、なんとそこには夫の祖父が雨でびしょぬれになって座り込んでいたのです。

おじいちゃんを家族全員で大救出

Adobe Stock

 わが家は夫の祖父母、両親、私たち夫婦、子どもたちの4世代で暮らしています。その中でも最高齢の義理の祖父は御年91歳。近頃認知症が進み、家族の介護が必要になってきていました。

 と言っても、ある程度身の回りのことは自分でできるし、普段から危険なこともありません。いつもひ孫に笑いかけてくれる、優しいひいおじいちゃんでした。

 しかしゴールデンウイークで親戚が集まった直後ということもあり、その晩はなにか思うところがあったのでしょうか。雨が降りしきる中、一人で外に出て転んでしまい、そこから動けなくなっていたのです。そう。暗闇の中から私が聞いたあの声は、ひいおじいちゃんが助けを求める声だったのです。

 そこからは家族中を起こして、おじいちゃんの救出作戦。毛布を担架代わりにしてなんとか家まで運びましたが、体が凍えきって体力もかなり落ちていたので、救急車を呼んで緊急搬送してもらうことに。
 病院での検査の結果、大きなけがや病気もなく、後日無事に家に戻ってきました。

もしも声に気づかなかったら…

写真AC

 あの晩は家族も全員家にいましたが、ひいおじいちゃんの声に気づいたのは、私だけ。雨音が強く、声が響かなかったことと、玄関に一番近い場所に寝ていたのが、たまたま私だったということで、私だけにひいおじいちゃんの声が聞こえたようでした。

 大変な騒動でしたが、おじいちゃんの命に別条がなかったのが、なによりもの幸いでした。もしもあのとき、私があの声を無視していたら… と思うと、本当にぞっとします。

 家族からは、ひいおじいちゃんのピンチを救ったプチヒーローとして、たくさん褒めてもらいました。とにかく、勇気をだして本当によかった。(様子を見に行ってくれたのは夫ですが… 笑)

 いろんな世代と暮らすということは大変なこともありますが、その分さまざまな経験も得られる貴重な時間でもあります。これからも家族みんなで、ひいおじいちゃんとのドタバタな生活を楽しんでいきたいです。

(ファンファン福岡公式ライター/kotoko)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次