新型コロナウイルスの行動制限が緩和され、飲酒の機会が増えています。飲酒運転事故をなくすための意識をあらためてシェアしたいですね。ファンファン福岡公式キャラクター・ピーチョが適正飲酒の取り組みなどについて、NPO法人はぁとスペースの山本美也子さんとキリンビールの杉山和之九州統括本部長に聞きました。
キリンビール九州統括本部長 杉山和之さん
「飲酒運転根絶とともに人と人とのつながりに貢献できるお酒の良さも伝えたい!」と、キリンビール九州統括本部長の杉山和之さん。「一番搾り」が発売された1990年に入社。2021年3月から現職。ソムリエの資格も。
NPO法人 はぁとスペース理事長 山本美也子さん
「キリンビール福岡工場が110番でお客さんの飲酒運転を防いだニュースを見て涙が出ました!」と、NPO法人 はぁとスペース理事長の山本美也子さん。福岡県飲酒運転撲滅活動アドバイザー。看護師。障がい者スポーツ指導員。
今年はどんな飲酒運転撲滅活動をしたの?
山本 講演会や街頭啓発を少しずつ再開しました。講演を聴いた大学生が交流サイト(SNS)で発信したり、ポスターを描いたり自主的に啓発活動をしてくれるんです。はぁとスペースに集う小学生に“酔っぱらい眼鏡”を体験してもらい「なぜ飲酒運転がだめなのか」をちょっとずつ伝えています。
杉山 キリンビールはお酒はもちろん、その時間をゆっくり過ごす、適正飲酒“スロードリンク”の考え方を提唱しています。お互いを思いやる飲み方が大切ではないでしょうか。キリンビール福岡工場の担当者を講師として、今年5月に西南学院大学で大学生向けのセミナーを開催しました。
取り組みへの反響について教えて〜!
山本 学生時代に私の講演を聴いた子の話です。大人になって初めてできた恋人が初デートで飲酒運転をしようとしたときに、間違いを正したのだそうです。「ちゃんと判断できたのは山本さんたちのおかげ」と親御さんが話してくれてうれしかったことを覚えています。
杉山 活動を長く続けることは大事ですね。中高生が成人してライフステージが変化していく中でお酒に触れる機会も増えます。西南学院大学のセミナーではパッチテストキットでアルコールの耐性を確認してもらいました。体質を自分も周りにも知ってもらえるいい機会になったと思います。
今後の活動はどうなっていくのかな?
山本 「飲酒運転を見かけたら110番」。福岡県民の義務であるこの条例があるからこそ企業も飲食店もわれわれも心がけたいですね。躊躇(ちゅうちょ)なく110番できるのが理想です。
杉山 ハンドルキーパー運動を継続していきます。そしてノンアルコール商品がより一般的になる世界をつくっていきたいです。
飲酒運転撲滅、アルコール有害摂取根絶に向けたキリングループの活動はさまざま!
飲酒運転撲滅自販機売上金を寄付
キリンビバレッジ西日本統括本部(福岡市)は2012年に「STOP!! 飲酒運転」のロゴマークを表示した自動販売機を製作(今年6月末時点で273台)。
以来、売上金の一部を「はぁとスペース」に寄付しています。
福岡工場、西南学院大学で適正飲酒セミナー実施
キリンビール福岡工場は今年5月に西南学院大学(福岡市)で「大学生のためのお酒との正しい付き合い方セミナー」を実施。アルコール耐性を判定するキリンオリジナルのパッチテストキットを活用し、正しく楽しい飲み方を伝えました。
時間をゆっくり楽しむ適正飲酒がいいね
2018年から提唱する適正飲酒の取り組み“スロードリンク”。「飲む人も飲まない人も、飲めないシーンも大切にしたい」(杉山さん)
時間をゆっくり楽しみ、飲酒後は車、自転車に乗らないことが当たり前になることを目指しています。
飲酒は18歳ではなく、20歳から! 若年層に向けて
昨年、成人年齢が18歳になりました。「お酒は変わらず20歳から」ということをSNSなどで発信するほか、キリンの工場がある自治体の成人式で「お酒との上手な付き合い方」冊子を配布して若い世代に啓発する役割も果たしています。