幼児期には、友達とのトラブルは付きものです。そんなトラブルを通してこれから生きていく知恵を身に付けさせるために、子どもに伝えておきたいスキルを現役幼稚園教諭のママが紹介します。
「貸して」と「いいよ」をセットにしないのが大事
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幼児期に多いトラブルの一つが、物の取り合いです。
友達が楽しそうに遊んでいるあのおもちゃを自分も使いたい! そんな気持ちからでしょうが、入園初期はまだ言葉でうまく伝えることができずに突然横から奪い取ったり、無言でスッとかすめ取ったり。取られた子は泣き出したのに、取った子は何事もなかったようなふりをしていることも。
幼稚園では、まず言葉で伝えることを教えます。
「貸して」って言ってみるんだよ、と言って聞かせます。 その時に
「貸して」と言われた子に対しては、いつも「いいよ」じゃなくていいんだよ! と必ず伝えます。
決まりごとのように「貸して」「いいよ」をセットにしてしまうと「貸して」という言葉が免罪符のようになってしまうからです。先に遊んでいるのですから、すぐに「いいよ」と言えないことのほうが多いものです。
特に年少クラスでは「イヤだ!」と言っていいんだよと伝えます。友達関係がもう少し進んできたり、学年が上がったりすると、どうして「イヤ」なのか理由も一緒に言えるように教えていきます。
たいてい「今使い始めたばかり」「先に使っているのは自分だから」などの理由ですが、意外とものの数分で「使っていいよ」「どうぞ」と渡す場面も多くあります。
幼児期の友達同士のやり取りの中で磨いていくコミュニケーションスキル。大人が一方的に言葉だけを教えるのではなく、自分の気持ちの表し方、表すための言葉を伝えていけたらいいなと思います。家庭では兄弟姉妹間のやり取りでも「気持ちを言葉で表す」ことの大切さを教えてあげてください。
じゃんけんで決めるのは、さてどうなのでしょう
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物の貸し借りのトラブルを、じゃんけんで解決する場合があります。
例えば、1つしかない物を同時に複数人が使いたといったケースに多いかもしれませんが、じゃんけんは一見公平のように思えても、言葉でのやり取りを阻害してしまうという難点があります。
「それが欲しい!」がどのくらいの気持ちなのかは、子どもによって違います。おもちゃが空くのをずっと待っていたという場合もあれば、たまたまそこに転がってきたからという時もあります。
幼稚園では、いろいろな気持ちを表す言葉を教えながら、相手に伝えるように子どもたちを導いています。
家庭でも使っていきたい、気持ちを表す言葉
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最後に、幼児期に身に付けさせたい気持ちを表す言葉をいくつか挙げてみます。家庭でも使ってみてください。
うれしい ・たのしい ・きもちいい ・はずかしい ・くやしい ・かわいそう ・きんちょうする ・さびしい ・ふしぎだ ・おもしろい ・つまらない ・こわい もちろん、他にもたくさんあります。
例えば、運動会では「楽しみ」「わくわくする」「はずかしい」「きんちょうする」「どきどきする」「くやしい」「くるしい」など、いろいろな気持ちを獲得することができます。
幼児期には大人が一方的に示す言葉ではなく、気持ちの表し方を伝えていけるといいですね!
(ファンファン福岡公式ライター/nanako)
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