「息子の成長を見守りたい!」育休延長か保育園入園か 人生最大の葛藤

わが家の長男は0歳、次男は1歳で保育園に入園しました。長男を保育園に入れるときは、とても寂しく感じたものですが、次男のときにはあまり心配していませんでした。しかし、いざ入園の現実が迫ると、複雑な感情が。人生最大とも思える葛藤に苦しんだ私は、1つの考えに行き着きました。

目次

長男を0歳で保育園へ

写真AC

 長男は、生後半年でA保育園に入りました。0歳児クラスの4月入園です。ちょうど、保育園の待機児童問題が大きく取り沙汰されていた頃で、競争率の高い1歳児クラスではなく、比較的入りやすい0歳児クラスに入れることにしました。

 しかし、大きな後悔が残りました。
 入園したころの長男は、まだハイハイで動き回る、かわいい赤ちゃん。入園日が迫るにつれて「復職しないで、成長をもっと近くで見ていたかった…」という思いが強くなっていきました。入園式で記念撮影をする家族を見ると「何がおめでたいの? 私なんて、本当はまだ保育園に入れたくないのに」と複雑な気持ちになったものです。

育休延長か? 4月入園か?

写真AC

 後ろ向きな気持ちで始まった保育園生活。しかし、夏祭りや運動会などの行事、手形や足形を使ったかわいい工作など、家庭ではできない経験に触れるにつれ、入園当初に感じた後悔は薄れていきました。

 そして、長男の誕生から3年半後。次男が生まれました。
 2月に生まれた次男は、翌年の4月に、A保育園に入園させるつもりでした。入園する頃には1歳。1年以上も成長を間近で見られるのだから、寂しさは感じないだろう、と考えていました。

 しかし、4月入園の申請時期となる秋。書類を眺めているうちに、長男のときの後悔が蘇ってきました。わが家は、子どもは2人までと決めていたので、小さなわが子と過ごせる時間は、これで最後。

 育休を延長して、もっと一緒にいたい。でもそうしたら、保育園や仕事はどうなるんだろう? 願望と不安が渦巻き、申請の締め切り日が迫っても、気持ちに折り合いをつけられずにいました。

一番後悔するのは?

 4月入園を見送ることには、大きなリスクがありました。
 まず、A保育園に入園できる可能性がきわめて低くなります。4月入園なら、長男が通っていることで入園審査に加点もあるので、落選する心配はありません。もちろん、5月以降でも空きさえあれば入園できますが、A保育園は人気があり、4月に定員に達するとなかなか空きが出ません。

 そして、育休終了までに保育園に入れないと、仕事に復帰できず、退職しないといけなくなります。
 こだわらなければ、入れる保育園はあります。しかし、A保育園の雰囲気が好きでしたし、仕事をしながら子どもを2カ所に送迎する生活は、続けられる自信がありませんでした。

 夫は、悩む私の背中を押そうと思ってか
 「リスクが高いなら、4月に入れたほうがいいんじゃない?」と言いました。ごくまっとうな意見ですが、どうしてもその選択に気持ちが向きませんでした。全部を取ることはできない。どれを選んでも、何かしらの後悔はする。

 申請の締め切り前夜まで悩んだ末に、1つの考えに行き着きました。「もっとも後悔したくないことを大事にしよう」

 私は、4月入園を見送り、育休延長を決めました。私にとっては、子どもとの時間を手放すことが、もっとも大きな後悔になると考えたのです。悩み抜いたことで、リスクを負う覚悟もできました。夫も私の選択に理解を示してくれました。

一番大事なものに気付かされた保育園問題

写真AC

 そして、現在。次男の通う保育園はなんと、長男と同じA保育園です! 実は、育休が終わる直前に、空きが出たのです。入園通知が届いた時は、夫と飛び上がって喜びました。悩みに悩んだ保育園問題でしたが、結局は杞憂に終わったわけでした。

 しかし、悩んだ時間を無駄には感じていません。育休を延長しなかったら、また入園初日に「一緒にゆっくりできる日々は終わりなんだ… うぅ…」とセンチメンタルな気持ちになったことでしょう。ですが、2年近く毎日一緒に過ごせたことで、次男のことは「保育園でたーくさん刺激を受けておいで!」と前向きに送り出すことができました。

 このとき悩んだことは、これからも折に触れて思い出すと思います。「迷ったときには、一番大事なものを選ぶ」という指針を与えてくれた、大きな経験でした。

(ファンファン福岡公式ライター/れな)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

ファンファン福岡(fanfunfukuoka)は、街ネタやグルメ、コラム、イベント等、地元福岡・博多・天神の情報が満載の街メディア。「福岡の、人が動き、人を動かし、街を動かす」メディアを目指しています。

目次