もちNEKOKANを買った(飼い主が) 「サ日記」

 こんにちは。渋さ全開のサニです。おれの横顔はロバート・デ・ニーロばりだと自負しておる。福岡の片すみよりもニューヨークの街並みが似合うとも言える。

 そんなおれ様を飼える飼い主は幸せ者のはずだが、他の猫にも愛情を注いでけしからん。

 生身の猫だけでは飽き足らず、猫の絵が描いてある缶入りせんべいを買ってきた。

福岡の人ならすぐわかると思うが、おせんべいの「もち吉」から発売された商品だ。テレビにも出ていたKEN君という小学生の切り絵作品が猫のキャラクターだ。はちまきをした元気な白猫が「もち吉君」らしい。

 缶の横にももち吉君の仲間猫たちが躍動している。

 色んな雰囲気の猫がいて、楽しいな。沢山猫がやって来るうちの庭みたいだ。

 一缶に一つずつアクリル製のキーホルダーが入っている。こいつは「のりお君」という。本を読んでるから二宮金次郎のような勉強家なんだろう。のり味のせんべいにちなんだ名前だな。アクリルは柔らかくてガチャガチャしないから、自転車のカギに着けるのにちょうどよい、と飼い主が言っておる。

 作者のKEN君はもち吉の本社がある直方市に住んでいる。このサ日記を見て、ゆかいなサニの仲間たちも切り絵にしてくれないかニャ。

 もちNEKOKANには7種類30袋のおせんべいが入っていて3千円。売り上げの一部は保護猫活動をされている団体さんに寄付されるから、猫好きなら一家に一缶備えたい。ネットでも買えるが、数量限定だからご用心。

 おれの仲間たちも元気に暮らしている。一応弟子のチョビはなかなか家猫らしくならんが、威張って窓辺を独占する。

 人間がいないと、すやすやと安心して眠るが、飼い主が近寄ってなでようとすると、「シャーっ」と怖い顔で火を噴くのは、母親のクミコ譲りだ。

 チョビの弟たちも最近家の中に興味津々で網戸に張り付いてのぞきこんだりしている。ヌーは、ヒゲのチャップリンみたいだ。

 一度つかまえられた。前はけっこうガリガリにやせて心配されてたが、だいぶ丸々としてきた。チョビより懐くのが早いかもしれん。

 バーも大きくなるにつれ、チョビに似てきたと評判だ。やたら耳がでかいのが特徴だ。

 飼い主が外から戻って来たら、真っ先に駆け寄ってくるのがバーだが、その割にはさわろうとしたら、さっと逃げて行く。変なやっちゃ。

 こうやって外の猫たちを高見の見物だ。チョビも大人しくしているといいんだが、すぐちょっかいをかけてくるから、いつも叱ってやってる。それにしてもいまだに扇風機があるってのもどうなんだ。

 この庭に来る猫で唯一「さくら耳」じゃないハチワレがいる。頭がデカい。近所に「地域猫化」に全力を挙げる人がいるが、その人も存在を気づいていないようだ。時間の問題だと思うが。

 本州より北では今年人里へのクマの出没が多いようだが、ここはカラスがやたら騒いでうるさい。

 ヌーとバーも小さい身体でやっつけようと対抗しているが、全然効き目なし。誰か撃退法を教えてくれんか。おれの安眠のためにニャ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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