義父の信じられない発言 孫が「私はいらない子なの?」と悲しむ大騒動に

わが家の息子は、親族のなかで最初に生まれた男の子。息子が生まれたとき、義父からとんでもない言葉が飛び出しました。義父の言葉は家族の反感を買い、手痛い制裁を下されることに。今回は、失言が招いた家庭内騒動についてお話しします。

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家族一同で集まり

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 息子が生まれたとき、義両親は病院に何度も足を運んでくれました。義父は息子を抱っこしたり、寝顔を眺めて「可愛いね」と言ってくれたり。思ったことはなんでも口にするタイプの義父ですから、息子の誕生を心から喜んでいることがわかりました。

 義兄家族も遠方から病院まで来てくれました。義兄家族の子どもは、6歳と2歳の女の子。6歳の長女は息子に
 「退院したらいっぱい遊ぼうね!」と声をかけ、家族みんながほっこりしました。

 息子は大きな病気やケガもなく育ち、生後半年の頃、お正月ということで家族一同が義実家に集まることになりました。団らんの場で、話題は順調に育っている息子のことに。息子の最近の様子などを話していると、義父も口を開きます。

義父の失言に一同あぜん

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 「孫くんが元気で育ってよかったよ。男の子は跡取りだもんな。ようやく跡取りが生まれて良かった!」

 さも当然とばかりに放たれた言葉に、特に驚いていたのは義兄夫婦です。義兄夫婦はなかなか子どもに恵まれず、不妊治療も考えていたところにめでたく長女を授かりました。義父もそういった経緯を知っているはずなのに…。

 すぐさま義母が唇を震わせて激高します。
 「跡取りとか関係ないでしょ!」義兄と私の夫は、怒りを通り越して
 「信じられない」
 「なんてこと言うんだ」と、呆れ顔で義父をたしなめます。しかし、何が悪いのかわかっていない様子で
 「だって女の子は結婚したら出ていくだろ? だったら跡取りは男の子じゃないか」と、平然と言い放ちます。

「私はいらない子なの?」孫の反撃

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 私たちは、ごく普通の会社員の家庭で、跡取りを気にするような家柄ではありません。義父も勤めていた会社を定年退職し、のんびりと余生を過ごすだけ。名家出身だとか、大きな財産があるとか、特別な事情のある家ではないのです。
 そもそも子どもを家の所有物のように考えるのは時代遅れで、「跡取り」などと呼ぶのは義兄夫婦にも息子本人にも失礼すぎます。

 空気が張り詰める中、それまで黙っていた義兄夫婦の長女が口を開きます。
 「おじいちゃんは、私と妹ちゃんがいらないってこと?」長女はしっかり者で、妹の面倒もよくみる優しいお姉ちゃんです。そんな彼女の言葉に、空気を読めない義父もさすがに「まずい」と思った様子。

 「そうじゃないよ! 長女ちゃんと妹ちゃんは可愛い孫だよ!」
 「でも、おじいちゃんは私と妹ちゃんに出ていけって言ったよ」長女は心から疑問を感じているようで、まっすぐな目を義父に向けています。義父はあせって、
 「違うよ! そういう意味じゃない!」と弁明しましたが、長女は納得できない様子。

 義父の言葉は、やりとりを見ていた私たちにも響きません。言い訳よりも、心の傷になりかねない言葉を耳にした長女を庇うほうが大事です。義父が言葉を重ねるたび、長女は悲しそうな顔になりました。義母が
 「あんたはいいかげん黙りなさい!」と義父を別の部屋へ連れて行きます。

 ようやく静かになった部屋で、私たちは
 「長女ちゃんは宝物だよ」
 「元気でいてくれるだけで長女ちゃんは偉いんだよ」
 「おじいちゃんの言葉は気にしないで」と、どれだけ彼女が大事な存在なのか伝えました。

嘆く義父

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 幸い、義父の言葉が子どもの心の傷になるようなことはありませんでした。長女は、義父の発言が異常だったと理解し、距離を取るようになります。習い事のピアノの発表会に
 「おじいちゃんは来ないで」と拒絶したそうですが、自業自得ですよね。

 失言は、十年を経た今でも尾を引いています。義兄夫婦の長女は誰に対しても親切で、中学校の部活動では部長をつとめる人徳者に成長しました。わが家の息子もよく遊んでくれる彼女が大好きで、実の姉のように慕っています。

 そんな長女が、義父に対してだけはそっけなく接し、視線も合わせません。
 「どうしておじいちゃんには冷たいんだよー!」と、嘆きますが、「身から出た錆とはまさにこのことだよなあ」と、家族一同呆れるのでした。

(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)

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