ヘリコプターペアレントにならないために! 特徴や親が気を付けたい子どもとの接し方

最近耳にするようになった「ヘリコプターペアレント」という言葉をご存じでしょうか。子どもに過干渉や過保護な親の比喩言葉として、2000年代初めから使われてきました。今回はヘリコプターペアレントの特徴や、ならないための対策法を元保育士ママが考えてみました。

目次

ヘリコプターペアレントとは?

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「ヘリコプターペアレント」は、アメリカで使われて世界中に広まった言葉です。その名の通り、ヘリコプターのように親が子どもの頭上をホバリングして、絶えず監視・支配している様子から名付けられました。

1969年のハイム・ギノット博士のベストセラー著書「Between Parent & Teenager」の中で、10代の子どもが親への不満の一節として表現されたものが語源になったともいわれています。

勉強面・生活面・対人関係などあらゆる場面において、行き過ぎた過干渉や過保護の親のことをたとえて使われています。元々は10代後半の高校生や大学生の子どもに対しての親の行動を指していましたが、現在は、小学生の子どもを持つ親の行動に対しても用いられています。

子どもを過剰に管理する

ヘリコプターペアレントの親は、子どものすぐ近くで監視し続け、必要以上に手や口を出してしまうことが多いです。危険を察知したら子どもの先回りをして助けたり、過剰に行動を制限・管理することで、危険や失敗から子ども回避しないと気が済まない親も多いようです。

過干渉と過保護の違い

ヘリコプターペアレントの特徴として過干渉と過保護がよく言われていますが、そもそも過干渉と過保護という言葉には違いがあるのでしょうか。

過干渉な親

過干渉は、子どもの意思や希望を無視して、親の思い通りに行動させること。親の望みを子どもの望みと勘違いして必要以上に子どもの生活・行動に手や口を出すことを言います。

子どもの進路や習い事を勝手に決めたり、子どもの対人関係にまで口をだしたり管理することなどがあげられます。

過保護な親

過保護な親は、子どもを大切に思うがあまり、必要以上に甘やかしたり守ろうとする思いや行動が見られます。

例えば、ケガを恐れて子どものやりたい遊びなどを制限したり、欲しいものなど我慢させずすぐ買い与えてしまうなども過保護な親の特徴です。子どものやりたいことなどは尊重しつつも、子どもができるだけ安全に・平和に過ごせるように子育てすることを使命としている親も多いでしょう。

ヘリコプターペアレントの特徴

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ヘリコプターペアレントは自分の理想の育児、理想の子どもの進路を実現するために、親が積極的に行動し、子どもに押し付ける姿がみられます。例えば、子どものやりたいことを尊重するのではなく、「この進路に進むならこれを習わせよう」「○○大学に入るならこの塾で」など親の意思を尊重しがちに。

学校の宿題や自由研究などもアドバイスというより、共同作業のように手をだしてしまうことも。より良い研究成果を上げて賞をとってほしいという思いや、子どもに大変な思いをさせたくないという親の気持ちから傍からみたらやりすぎとも思える行動に移してしまうのです。

友人関係に対しても、子どもが悪影響を及ぼされそうな子との関係性を断ち切らせたり、友人の悪口などを子どものまえでも平気で言ってしまうことがあります。

これらの行動が幼児期・小学生の間だけではおさまらず、子どもが大学生や社会人になっても続いていくことがヘリコプターペアレントの特徴です。

元保育士ママ

ヘリコプターペアレントの親がしていることは、すべては子どものためと思っての行動なので、悪気もなく、子どもが窮屈に思っていることなどにも気づかないのです。

ヘリコプターペアレントになりやすいのはどんな親?

ヘリコプターペアレントになりやすい親にはいくつか特徴があります。一見長所にしかみえないようなことも、行き過ぎると周りからヘリコプターペアレントと呼ばれてしまうことにもなりかねません。

完璧主義者

仕事も家事も育児も完璧に行いたいというできる人。自分にも厳しい反面、家族や子ども達への理想も自然と高くなってしまいます。

学校の先生にも求めることが多くなり、必要以上に苦言を呈したり、子どものささいなトラブルなどにも口をだしたくなるでしょう。

心配性

過保護な親に多いのが心配性な性格。風邪を引いてしまったらかわいそう。忘れ物をしたら子どもが怒られてしまう。など、日常の子どもの安心・安全を確保しないと気が済まないように。

洋服を親が選んだり、小学校高学年や中学生になっても持ち物のチェックやテストの勉強法なども全て親が計画を立てて実行させるという家庭もあります。

せっかちで合理的

せっかちな性格の親は、できるだけ最短ルートで無駄なことをせずに家事や育児をこなしたいと思っている人。そのような性格の方は、子どもに対しても回り道させずに結果をすぐに出してほしいと思う人が多いようです。

子どもが自分ひとりで頑張ってみようとしていても、ゆっくりと見守ることができずに手を出して手伝ってしまう姿が見られます。

よく気が利く

周りの状況をよくみて、細かな事に気がつく人は誰よりも先回りして物事をサポートできる人でもあります。子どもや他の大人が気にしないようなことでも、気になってしまうこともあるためついつい子どもに口出しをしてしまったり過干渉になりがちに。

当てはまったら危険?!ヘリコプターペアレントチェック

もしかして私もヘリコプターペアレント?! と不安になっている方もいるかもしれません。ヘリコプターペアレントは、特別な診断などがされるわけではなく、あくまでも抑圧的・支配的な育児をしている親の例えです。

不安な方はヘリコプターペアレントの以下の代表的な行動にいくつ当てはまっているかチェックしてみてください。複数当てはまっているとヘリコプターペアレントの予備軍かもしれません。

□ 着る服・履く靴を親が毎日選ぶ

□ 宿題や自由研究などの勉強を管理する。口を出すだけでなく実際に手伝う。

□ 子どもの行動を先回りして注意する(危険だからやめなさい/失敗するからやめなさい等)

□学校の先生への要求が激しい

□子ども自身がされた質問に親が答える

□子どもの友人関係に口をだす。友達を決める。

□できるだけ子どもに失敗させたくないと常に思っている。

いかがでしたか?ついついやりがちな親の行動もあったのではないでしょうか。上記の項目は子どもの成長にあまりよい影響を与えないものもあります。当てはまった項目については、やりすぎていないかなど一度振り返ってみるとよいでしょう。

元保育士ママ

私も子どもの行動を先回りして注意してしまうこともありました。日常的に行っている行動も、子どものために=おせっかいな対応になっていないかなど考えてみましょう。

ヘリコプターペアレントが子どもに及ぼす影響

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常に親から指示されたり、過干渉・過保護な親に育てられていると、子どもの成長によくない影響がでてきます。ヘリコプターペアレントの親から行き過ぎた対応をされた子はどんな子に育ってしまうのでしょうか。

指示待ちの子になる

幼い頃から、親にささいな事も決められてきた子は決断力や判断力が育たないまま成長してしまいます。やらなければならないことが分からず、指示されるまで動けない子になってしまうことも。

自ら考える機会を奪われてしまうと、子どももそれになれてしまい親に決めてもらうのが一番良いと依存してしまうように。

失敗から立ち直りづらい

過干渉や親、過保護な親は子どもが失敗しないように手厚くサポートしていることが多いですが、失敗した経験が少ないとトラブルに直面した時にうまく立ち直れなくなってしまう恐れがあります。

自分で問題解決する力が育たず、親以外の誰かに相談することも経験していないため誰を頼ってよいか分からず落ち込みやすくなったり、鬱になりやすいとも言われています。

自立心が育たない

優柔不断で親や周りの意見に流されてしまう子は、自分で物事を判断することができず自分で自分の意思に責任が持てなくなってしまうことも。自立心が育たないまま成長することで、大人になってからその甘い考えを周囲に叱咤されることもでてくるでしょう。

ヘリコプターペアレントにならないために親ができること

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大切な子どもの幸せを願っているからこそ、ついつい行き過ぎた対応・先回り育児をしてしまっているのがヘリコプターペアレント。知らぬうちに子どもを傷つけたり、子どもの健やかな成長を阻害してしまわぬよう今日からできる親の関わり方をご紹介します。

子どもに選択支を与える

ささいなことから子どもが自分自身で決断できるように選択肢を与えて選ばせてあげましょう。たとえば、登校時の洋服を選ばせる。宿題する時間を子どもに決めさせるなど。洋服選びは小学生低学年のうちは難しいですが、気温や天気を一緒に確認し、これくらいならどのような服が良いかを相談してきめていくのもよいですね。

また、子ども自身の考えを尊重してあげられるように子どもが悩んでいた場合は、「○○ちゃんはどうしたい?」「〇〇君はどう思う?」などと親の意見を述べる前に子ども自身の考えを聞いてあげてください。

親が先に意見を押し付けたり決めつけていくと、子どもは自分のしたいことではなく、親が喜ぶ方を選んでしまうように。子どもが本当にしたいこと・本音をきちんと話してくれる親子関係を構築していきましょう。

失敗も成長の糧として見守る

“失敗は成長のもと”というように、何事も失敗から学んでいくことがあります。親は子どもの安全を見守りながら、失敗した経験を次に活かせるようなアドバイスをしてあげましょう。

さまざまな経験をしてきた大人達にとっては、子どもが直面するものごとへの最短ルートや正解が分かっているかもしれません。なるべく楽に正確に安全に正解ルートへ導きたくなりますが、子どもにとっては自分で考え、努力する過程こそが大切な時期なのです。

時には「そのやり方遠回りかも?」「こっちの方が楽なのに…」などと思う場面でも、グッと我慢して子どものそばで見守ってあげましょう。そして、それが失敗に終わってしまった場合でも頑張ってきたことをしっかりと褒めてあげてください。

危険なことはきちんと伝える

ヘリコプターペアレントにならないためとはいえ、子どもを放置したり野放しにするのはよくありませんよね。

小学生になると友達関係でのトラブルも増えていきますが、子ども達だけではどうしても解決できない問題(いじめにつながることなど)は親が介入し問題解決を図る必要があります。

子どもの意思を尊重しながらも、いけないことはきちんと叱り、どうしてダメなのかを丁寧に説明してあげましょう。

元保育士ママ

手助けする事柄などは子どもの年齢によって、対応を変えていく必要もあります。適度な距離感を保ち、子どもの自立を支援しましょう。

優しい気持ちで子どもを応援しよう

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子どもを大切にする=管理する・支配するということではありません。自己肯定感をしっかりと持ち、健やかに成長できるよう親や周りの大人は優しい気持ちで見守ってあげましょう。

誰もがヘリコプターペアレントの予備軍になりかねない今、夫婦でも子育てについて話し合い、今一度育児の仕方を振り返ってみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

・goo辞書│ヘリコプターペアレント(helicopter parent)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書

・Weblio辞書│ヘリコプターペアレント – ヘリコプターペアレントの概要 – わかりやすく解説 Weblio辞書

・子育て百科│過保護と過干渉の違いとは?知らないと子供の将来に影響が… | 子育て百科 (kosodate-hyakka.com)

・ベネッセ教育情報サイト│ヘリコプターペアレントによって育った子どもの特徴4つ|過保護にならないための対処法とは?|ベネッセ教育情報サイト (benesse.jp)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

6歳と11歳の娘の育児真っ最中のママライターです。結婚前は保育士として私立保育園で約3年間勤務経験あり。保育士目線と母親目線で子育ての悩みに寄り添えるような記事を書いていきたいと思っています!

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