赤ちゃんを抱いて中学校の卒業式へ 不登校だった女の子が堂々カミングアウト!

長男の中学校の卒業式で実際に起こったお話です。小学1年生から不登校だったクラスメイトの女の子。 それから約8年後、中学の卒業式に出席した驚きの姿とは…。 尊敬していた先輩ママの娘さんだっただけに、今も忘れられない出来事です。

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尊敬できる先輩ママ

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 始まりは小学1年生のクラス懇談会でした。保護者が順番に子どもの近況報告をするなかで、1人のママが
 「うちの子は不登校で学校に来ていないので、学校の様子を知りたくて今日は来ました」と少しとまどいながらも語り始めました。
 娘さんは、夏休み明けから不登校になってしまったそうです。歳の離れた兄と姉がいて、末娘とのこと。

 子育て1年生の私からすると、学校の様子を知りたいという親心も、懇談会の場で語る勇気も、周囲に理解を求める姿勢も「さすが3人の子どもを育てる先輩ママさん!」と感じ、尊敬の念を覚えました。

 小学6年生でまた同じクラスになり、最後の懇談会にも出席され
 「娘はほとんど学校に来ることはなかったけれど…」と前置きをし、お子さんの様子を落ち着いた様子で語る姿が印象的でした。
 「本人なりに考えがあるようで、本人の意思を尊重してあげたい」と娘さんの気持ちに寄り添う姿勢は変わらず、自分もかくありたいと思ったほどでした。

 やがて卒業式を迎え、私はその日初めて、娘さんの姿を見かけることができました。ふと「中学も不登校なのかな」と心配になり、「中学からは心機一転、通えるようになれるといいね」と心の中で彼女に声をかけました。

あっという間の中学校3年間

 中学校の3年間はあっという間でした。小学校より保護者参加の行事が減ったこと、私が2人目の妊娠・出産・育児に追われたこともあったのかもしれません。部活三昧の長男からは学校の情報が得られず、小学校からのママ友が頼りでした。

 ママ友からの学校ネタは、「○○君が全国大会に出た」、「生徒会長になった」などどの活躍話が中心で、先輩ママの娘さんは相変わらず不登校という噂も耳にした程度でした。

 そしてあっという間に卒業式の日がやってきました。

卒業式でまさかの光景!

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 卒業式当日、吹奏楽部の音楽で入場してくる卒業生たち。保護者は拍手で迎えていましたが、突然周囲がざわつき始めました。
 なんと、卒業生の中に、赤ちゃんを抱いて入場してきた女の子がいるのです! 大勢の視線にも負けず、幼さが残りつつも、しっかりとした表情でした。

 何が起こっているのか保護者席はざわつき、やがて私の耳にも届いたのは、同じ小学校の保護者の
 「ほら、あの不登校だったAちゃん。赤ちゃんを産んだんだって!」というひそひそ話でした。

 式が終わると、娘さんは赤ちゃんを抱き、周りには同級生の女の子が集まっていました。そして、その子の母親、つまり私の尊敬していた先輩ママさんの周りにもたくさんの保護者が集まって、情報収集していました。記念すべき卒業式は、その親子が注目を浴びる形となりました。

「子どもの意思を尊重」するとは

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 ママ友の話によると、中学になっても変わらず不登校だった娘さん。歳の離れたお姉さんの影響を受けて、化粧やおしゃれを覚え、お姉さんと夜遊びに出かけるようになったそうです。

 先輩ママは、上の子が一緒だからと安心し、本人が外に出る機会として夜遊びを許し、結果妊娠してしまったそうです…。相手とはまだ結婚はできないけれど、産んで育てたいという意思を尊重したということでした。

 ちょうどその頃、私は2歳になったばかりの次男の子育てに疲れ切っていました。子育てがどれほど責任と苦労があるか、身にしみて感じていた私は、あまりにも短絡的で無責任だと感じてしまいました。

 「子どもの意思を尊重」といっても、中学生に夜遊びを許すことも、成熟していない母体での出産を許すことも理解できず、挙句は卒業式に赤ちゃんを抱いて出席なんて! それまで尊敬していた先輩ママに、私が子育ての考え方で救われてきたことは事実です。でも、最後には疑問ばかりが残ってしまいました。

 その後、一家で引っ越ししたという情報を最後に、今の様子は何もわかりません。女の子は30歳を過ぎた頃。生まれた子どもは女の子が出産した年齢になっているはず。
 どこかで、母として頑張っているのだろうと思っていたいです。

(ファンファン福岡公式ライター / 文月)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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