「恋は盲目」と言いますが、特に結婚してから相手の悪いところにようやく気づくことは多いのではないでしょうか。私の男友達は、周囲の反対を押し切って結婚しましたが、相手の正体が発覚したのは3年後でした。あの時、忠告を聞いておけば… と振り返っても、手遅れだったのです。
腐れ縁の5人組
私を含めた女3人と、男2人の幼馴染5人は、小学生の頃からの付き合い。大人になってからは全員が揃うことも少なくなりましたが、帰省すると誰からともなく連絡があり、実家近くの公園に集まります。
その中の1人N君が、就職してすぐから長らく付き合っていた彼女と結婚することに。
「お祝いしよう!」となり、幼馴染5人で集まってパーティーをしました。
「とにかくかわいい」
「ちょっとわがままだけど、こんなに好きな人に出会えたのは初めて」と、これまでもノロケを聞いていたので、最初はお祝いムードだったのですが…
「実は昨日ケンカをしたばかり」という話から、彼女のわがままっぷりがどんどんと露呈していきました。
聞けば聞くほど心配に…
まず、前日のケンカの原因は、シャンプー。真面目なN君は
「一緒に住むのは結婚式を挙げてから」と決めており、先に引っ越したN君の新居に、彼女が「泊まりに来る」という形でした。そこにN君用のシャンプーしか置いておらず、お風呂に入ろうとした彼女が
「こんな安物のシャンプーは使えない!」と怒ったというのです。
ブランドのオーガニックシャンプーしか使わない彼女は
「3年も付き合っているんだから、私の使うシャンプーは当然知っているよね? どうしてないの?」と言ったそうですが、N君いわく
「百貨店で1つ5,000円するシャンプー。さすがに彼女が買ってくると思った」とのこと。
また、彼女の希望で、新居の家電は全て最新のものを揃えたといい、かなりの金額に。結婚を考え出したときから、2人で貯めていたお金だったそうで
「式も控えているから、少し節約していかないと」と話していた矢先に
「仕事帰りにひと目惚れした」と、彼女が10万円のバッグを買ってきたといいます。
聞けば聞くほど、金銭感覚のズレがひどく、私たちもどんどん不安に…。
「結婚してから、さらに大変なことになるのでは」
「子どもが生まれたら、感覚のズレはもっと大きくなるかもしれない」と、N君の結婚を素直に喜べなくなっていました。
とはいえ、幼馴染の全員が反対しても、それで破談になることはなく…。昔からよくしてもらったN君の両親の喜ぶ顔を見て、N君の幸せを心から願いました。
3年後、「報告がある」と連絡が…
それから順番に結婚したこともあり、なかなか会う機会が減ってしまいましたが、N君から届く写真つきの年賀状で夫婦仲がよいことは伝わっていました。
しかし、結婚から3年後、N君から
「報告したいことがあるから集まりたい」と、幼馴染グループに連絡が。
元々肌の白いN君でしたが、久しぶりに再会すると顔面蒼白のような状態。緊張の面持ちで話し出したのは、やはり離婚の報告でした。
実は彼女は、社会人になってから結婚するまで、お年玉や誕生日祝いとして毎回100万円を両親から現金でもらっていたとのこと。そのおかげで、毎月バイトで数万円しか稼いでいない彼女が、高い化粧品やバッグを好きなように買えていたのだそうです。
結婚を機に両親からのプレゼントがなくなったものの、買い物をやめられず、N君が渡していた家族用カードで借金を作っていたとのこと。N君宛てに督促が届き、ようやく気づいたときには、100万円以上の負債になっていたそうです。
すでに心を決め、淡々と話していたN君ですが
「やっぱり、みんなに言われたことは正解だった。あの時に気づいていれば…」と涙目に。
ただ、本当に彼女に惚れ込んでいたN君。彼女と知り合うきっかけを作った同僚を「恩人」と呼び、披露宴のステージにまで上げていた当時のN君に、私たちの声なんて届くはずもなかった…。
「だから言ったのに!」
「20年来の幼馴染をなめるな!」と憤る私たち。なぐさめてもらうつもりだったN君は、
「次に付き合う人は、すぐにみんなに会わせるから。絶対にいい人を選ぶから!」と固く誓ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/ふわずみ みか)