子どもに教える正しい箸の持ち方!楽しくできる練習方法

箸の持ち方の練習は、親子共に根気が必要。何度言ってもなかなか上手に持てないと、親も子も疲れて練習する気がなくなってしまいますよね。どうにか、簡単に楽しく練習する方法はないのでしょうか。元保育士ライターが子どもの箸の持ち方や練習の仕方について考えてみました。

目次

箸の練習はいつから始めるのがベスト?

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お箸の練習を家庭で始めるタイミングはいつがよいのでしょうか。幼稚園・保育園の頃はスプーンやフォークでお弁当を食べる子も多いですが、小学生になったら給食も始まり、お箸で食べるのが当たり前になります。できれば入学前にお箸の使い方をマスターしておきたいところ。最適なタイミングは子ども様子をみて考えましょう。

これができたら箸の練習をスタートしたい!チェックリスト

お箸を正しく持つには、ある程度指先が器用に動くようになってからの方がスムーズに練習しやすいです。子どもの発達段階を以下のリストをみてどこまでできているかチェックしてみてください。

□スプーン・フォークが上手に持てる

□鉛筆を正しく使える

□じゃんけんのチョキができる

□大人が使う箸に興味がある

上の4つをクリアしているとお箸の練習にとりかかりやすくなります。それぞれのチェックポイントを詳しく見てみましょう。

スプーン・フォークが上手に持てる

1歳くらいから子ども達は自分でスプーンやフォークをもって食べたいという意識がでて、このくらいの年齢でスプーンの練習をさせる家庭も多いでしょう。

最初はスプーンを上から握って持つ「上持ち」の子が多く、その後下向きに握れる「下持ち」に変化していきます。2、3歳くらいになり慣れてくると親指と人差し指で握る「バキューン持ち」ができる様になります。この「バキューン持ち」がお箸の練習を始める第一関門です。

鉛筆が正しく持てる

お箸を持つ前に、できるようになっておきたいのが鉛筆の持ち方。正しい鉛筆の持ち方である親指・人差し指・中指の3本の指で持つ方法は、そのまま上箸の持ち方にも使われています。まずは、クレヨンや鉛筆をしっかりとその握り方で握れるようにしてあげましょう。

じゃんけんのチョキができる

スプーンやフォークは握る力と指先よりも手首や指全体の力を使って食べていますが、お箸は細かな指の動きが大切になっていきます。親指以外の指も自由に動かせるようになってから練習をスタートさせるとよいでしょう。

子どもの発達状態をみるのにわかりやすいのがじゃんけんです。じゃんけんのチョキやピースサインは、特定の指を子どもの意識で曲げたりのばしたりする必要があり、このポーズができるようになっていると子ども自身で自分の指を思い通りに動かせている証拠になります。

箸に興味がある

お箸の練習を始めるにあたって、子どもが興味を持っているかも大事なポイントです。スプーンやフォークの練習と比べてお箸は一日でできる様になるものではありません。お箸を使ってみたい!と子どもが思うことが練習を楽しく始められる基準にもなります。

元保育士ママ

特に食に関心がない子は箸や食器にも興味がなかなか向かない場合が多いでしょう。ママやパパが可愛い箸を使ってみるなどしてアプローチをかけるという方法もありますよ。

子どもに持たせる箸の選び方

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子どもが箸の練習を始めるにあたって、まずは適切な箸を用意しなけらばなりません。お箸の長さや形状などどのようなものをえらんだらよいでしょうか。

理想の長さは一咫半(ひとあたはん)

お箸の人気ブランド「箸蔵まつかん」のサイトによると、理想の箸の長さは一咫半(ひとあたはん)と言われています。これは、親指と人差し指を直角(バキューンのかたち)にして二つの指の直線距離の1.5倍のこと。子どもの箸もお子さんの手の一咫半の長さを図って選ぶとよいでしょう。

年齢と箸のサイズの目安

上手くサイズが図れないとき、プレゼント用に子どもの箸を選びたい時には年齢に合わせてお箸の長さの目安を知っておくとよいですね。

子どもの年齢箸のサイズ
1~3歳13~14㎝
3~5歳(幼稚園児)15~16.5㎝
6~10歳(小学校低学年・中学年)18㎝
11歳~(小学校高学年)19~21.5㎝

子どもの成長は早く、体格や手の大きさにも個人差があるので、ちょっとお箸が小さくて持ちずらそうなら早めにサイズアップしてあげるとよいでしょう。

おすすめの箸の素材・形状

大人もお箸の形によって好みや掴みやすさが変わりますよね。子どもも同じです。特に箸に慣れていない時期は、デザインよりも箸先の形状などを重視して選んであげるのがポイントです。

天然木や漆塗りのもの

小さな子どもに選ぶ箸は、口に入れても安心な素材を選びたいところ。竹や天然木のものを選ぶのがおすすめです。漆塗りを選ぶなら、100%漆塗りの物を選ぶ方がよいでしょう。

箸先に滑りどめがついているもの

子どもが使う箸は、できるだけ箸先に滑り止め加工がしてあるものを選びましょう。麺類やお豆などツルっとしたものも滑り止め付きの方が食べやすくなります。

トレーニング箸を使うのもあり

子どものお箸の練習段階でよく使われているのが、「エジソン箸」でも知られているトレーニング箸。こちらは練習用として開発された補助具のようなものです。

正しい持ち方になるよう、親指・人差し指・中指の置き場所にリングが取り付けてあり、指をはめて使用します。自然と指の場所が固定されて正しい持ち方を矯正できるというもの。食べ物がつかみやすくなるので子どもの自信にもつながりやすいという点も魅力的ですね。

ただし、こちらは幼児向けのサイズが一般的で手が大きい子などには使いづらく感じることも。2.3歳で初めてトレーニングをするという場合におすすめです。

正しい箸の持ち方

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ここからは箸の正しい持ち方や練習方法をご紹介します。まずは実際に箸を使って、親がただしく持てているかを確認しながら試してみてくださいね。子どもにもわかりやすいように3つのステップに分けました。

STEP
上の箸は鉛筆と同じ持ち方にする

まず最初に上の箸を親指・人差し指・中指の3本で持ちます。この時、鉛筆と同じ持ち方になるようにしましょう。指の位置は、親指が箸の後ろから3分の1位になるように持ちます。

STEP
下の箸を入れる

しっかり持てたら、次は下の箸を持ちましょう。下箸は親指の付け根当たりに入れて、薬指と小指で支えます。薬指の第一関節位に箸がつくようにすると安定します。

よく子どもにみられるのが上箸を持つ指が人差し指と親指のみになっていて、中指が箸の上に着てしまう場合がありますので注意してみてください。

STEP
上の箸だけ上下に動かす

動かすのは上の箸のみ。上下に動かしてお箸の先端を開閉します。この時下箸が親指の付け根で固定されていないとグラグラしてしましい、うまく開閉せずものをはさみずらくなるので注意してみてあげましょう。

子どもと楽しく!おすすめの箸の練習法

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お箸は正しい持ち方でものを掴む練習を繰り返すのが大切です。しかし、食事の場面だけではなかなか習得しずらいので、遊びの中にお箸の練習を取り入れるのがおすすめです。

おままごとを本物の箸でやってみる

ごっこ遊びが好きな2、3歳の子どもなら、いつもしているおままごとも本物の箸を使用してみるとよいでしょう。お料理をしてもらうコックさんやお母さんになりきって炒め物などをお箸でやってもらうなどもあり。麺や野菜の代わりに毛糸を使うとつかみやすいです。

デコレーションボールで箸つかみゲーム

よく箸の練習で行われるのが豆掴みゲームですね。つるつるしたお豆を掴むのは、慣れてきてからだとゲームも盛りあがるのですが、練習を始めたばかりではうまくつかめず小さな子どもはすぐに飽きてしまうかもしれません。

そんな時には、よく100円均一などでも売っているデコレーションボールを使った掴みとりゲーム。デコレーションボールは、手芸の飾りなどに使われる小さな丸いカラフルなボールのこと。柔らかくほどよい弾力もあり箸でつかみやすいのが特徴です。色もカラフルなので、小さなお子さんも視覚から楽しんでもらえますよ。

元保育士ママ

上手につかめるようになったら、つるつるした素材や小さなボールを用意するなどして難易度を少しずつあげていくのがポイント!

子どもが箸でつかみやすいような食事メニューに

箸を練習中の時には、食事のメニューも子どもが箸でつかみやすいようなものにしてあげるとよいでしょう。ハンバーグなども一口サイズにあらかじめ分けてあげて小さくしておくなどもよいですね。大きすぎるものは、めんどくさがると箸を挿して食べてしまうこともあるので、どうやったら掴めるか、食べやすいかを教えてあげましょう。

食育の一つとして楽しく箸を練習しよう

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正しい持ち方で食べられるようになると大人になってからも、恥ずかしい思いをせずに食事を楽しめますね。子どもに教える際には、「何度いったらできるようになるのか」などと親も疲れたり、ついついきつい言葉で教えてしまいがちに。

食は命の源ですから、楽しく美味しく食べられることが一番!子どもがご飯の時間を嫌いにならないように、サポートしていきましょう。上手にできた時にはしっかり褒めてあげてくださいね。

【参考文献】

子供用のお箸のサイズ・長さから選ぶ-(13cm~21cm)お箸の専門店【箸蔵まつかん】のギフト通販オンラインショップ (hashikura1922.com)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

6歳と11歳の娘の育児真っ最中のママライターです。結婚前は保育士として私立保育園で約3年間勤務経験あり。保育士目線と母親目線で子育ての悩みに寄り添えるような記事を書いていきたいと思っています!

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