親戚の葬儀に参列したときのことです。兄夫婦は、仕事の関係で少し遅れたやってきたのですが、義姉の姿にドン引き! 遅刻をしてきたことで余計に悪目立ちしてしまい、ついには親戚が大激怒する事態に…。とても気まずい思いをした体験談です。
義姉は天然お嬢様
2つ年上の私の兄と数年前に結婚した義姉。彼女は私と同じ35歳。清楚な見た目で透明感のあるお嬢様なイメージです。
もちろん社会経験もあるのですが、同い年とは思えない非常識行動が多いので、私は少し苦手でした。
私の娘が生まれた時も、何の事前連絡もなく自宅に訪れてきて、ちょうど健診で不在にしていると、玄関前に勝手に冷蔵品のお菓子を置いてそのまま帰ってしまったことも…。
兄も実母も「かわいいじゃない」の一点張りで全く取り合ってもらえないので、私はいつも困っていました。
親戚の葬儀で悪目立ち
ある寒い2月のことでした。親戚の葬儀に行くことになりました。故人は私の祖母の姉にあたる人で、生前は良くしてもらったこともあり、幼い娘を夫に預け、私は1つ年下のいとこと一緒にお通夜から参列しました。
兄夫婦は仕事のため、翌朝の告別式から来ると実母から聞かされていたのですが… 告別式が始まっても来ません。
「あれ? 来ないね」とお焼香を済ませた私といとこが話していると… 1時間近く遅刻して兄夫婦が現れたのです。
そして義姉を見ると、なんと真っ白な毛皮のコートを着ています! 思わず言葉を失う私達。
告別式に来るとわかっているはずなのに、あの服装はちょっと…。
遅刻したということもあって、悪目立ちした義姉。会場内はザワついているのが分かりました。
「あのコートはちょっと…」
「外で脱いでくればいいのに」という声に、関係者としては非常に恥ずかしくてたまりませんでした。
親戚の叔父が「非常識だ」と大激怒!
お焼香を済ませ故人を送り出した後、精進落としを別室でいただくことに。
私が座った席のちょうど後ろ辺りに、実家の両親と兄夫婦が座っていました。そこへやって来たのが、親戚の叔父。
普段は温厚な人ですが、規則に厳しいまじめな人です。
兄夫婦のところにやってきて
「何やってんだよ、いい大人が!」と注意したのです。
「遅刻してきた挙句、あの服装はなんだよ! 葬式だぞ!」とスゴイ剣幕。義姉は
「す、すみません…」としか言わず、圧倒されている様子。
兄は
「すみません。突然だったもので」と言うも、
「だったら会場の外で脱いで来いよ! 失礼だぞ!」と叔父の怒りは収まりません。
そこへプライドの高い実母が
「急だったんだし、仕方ないでしょ。せっかく忙しいなか来てくれたのに、その言い方はないじゃない!」と応戦。
叔父もそれに対し
「きっちり教育しとけよ! ありえないだろ。安いやつでもいいから黒のコートぐらい買ってやれよ。常識だろ!」と顔を真っ赤にして言い放ちます。
会場内は一気に緊迫したムードに。
私は穴があったら入りたい… まさにそんな気持ちで、この大人げないやり取りを見ていました。
関係のないフリをして乗り切った私
完全にこちらが悪いのに、なぜか逆ギレをしている母と、当事者なのに他人事でボーっと座っているだけの義姉を見て、とても恥ずかしい思いをしました。
私は関係のないフリをして、「どうか早くこの時間が過ぎ去って欲しい」と下を向いてしまいました。
結局、故人の娘さんが
「今日は母に免じて収めてください」と割って入ってくれて、兄が謝罪し、ひと段落。お弁当の味なんて、ほとんど覚えていないくらい私にとっては苦しい時間でした。
帰り道。一緒の新幹線で帰ろうと母に言われていたのですが、私は一緒に帰るところを誰かに見られるのが嫌で、いとこと2人で先に会場を後にしました。
新幹線の中では、葬儀の悲しみよりも兄夫婦たちの話で持ちきりだった私たち。今もわが家の“伝説”として語り継がれています。
帰宅後、母にメールで「きちんと常識を教えておいてね」と釘を刺した私。母も少し反省した様子で「そうね」と返してきました。
幸い、あれから身内の不幸はありませんが、次回はこんな思いをしないように社会のルールをわきまえて欲しいなと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)