小学生のおねしょ、夜のおむつの原因は夜尿症。改善のための治療や自宅でできることは

5歳・7歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

トイレトレーニングで昼間のおむつは早く取れたのに、夜のおねしょがなかなか終わらないという子どももいます。小学生になってもおむつが取れない場合、その原因は夜尿症かもしれません。

今回は、小学生のおねしょに関する情報をまとめました。改善のポイントや、夜尿症治療について解説しますので、夜のトイレの悩みを抱える保護者はぜひチェックしてください。

目次

小学生でおねしょが続く!夜尿症とは

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小学生になってもおねしょが続き、おむつが取れない子どもは夜尿症の可能性があります。まずは、夜尿症の定義や原因を確認しましょう。

夜尿症とは

夜尿症は、「おねしょ」と同義です。ただし、おねしょをしてしまうすべての子どもが夜尿症というわけではなく、5歳以上の子どもが月に1回以上おねしょをしてしまう状態が、3ヵ月以上続く場合に、夜尿症と診断されます。

この定義にあてはめると、寝ているときもおむつが欠かせないほど頻繁におねしょをしてしまう小学生は、夜尿症です。

夜尿症の子どもは少なくなく、5歳では6~7人に1人いるといわれています。しかし、年齢とともに割合は減り、10歳で20人に1人、15歳では100人に1人にまで減少します。夜尿症が改善されるタイミングには個人差がありますが、なかには成人しても夜尿症が続く人も存在し、その原因はさまざまです。

夜尿症の原因

おねしょが続く夜尿症には、尿量や膀胱の大きさがかかわっています。睡眠中に作られる尿量が多い場合や、膀胱が小さい場合は、夜尿症を起こしやすい傾向にあります。

また、夜尿症は遺伝も関与するといわれており、両親が夜尿症だった子どもは夜尿症になりやすいようです。

尿量や膀胱の大きさは、夜尿症のなりやすさに関係しますが、尿意で目覚めれば問題はありません。眠りが深く、尿意や漏らしてしまった場合にも気づかないのも、夜尿症の原因の1つです。

ちなみに、我が家の息子たちはおねしょが多いほうで、長男は小学校入学前までおむつを履いて寝ていました。2年生になってからはほとんどおねしょをすることはなくなりましたが、眠りが深く、夜中にトイレに行ったことは数えるほどしかありません。

おねしょの頻度は次男のほうが高く、やはり年長の現在もおむつを履いて寝ています。もっと小さな頃と比べると徐々に頻度は下がっていますが、まだまだおむつを卒業するにはほど遠い状態です。

野花医院|子供の夜尿症・おねしょ(小学生・中学生) https://www.nohanaiin.jp/enuresis/

小学生のおねしょ、おむつを履くのはOK?

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夜尿症は小学生になっても続く場合があり、最近はドラッグストアなどでも大きめのおむつが多く販売されています。保護者としては頻繁におねしょをする子どもにはおむつを履かせたほうが楽な部分もありますが、小学生がおむつをはき続けてもよいのでしょうか。

夜のおむつを卒業する目安

EPARKのアンケートによると、夜のおむつ卒業のタイミングで最も多いのは、3歳から3歳半でした。

※「EPARK」より

3歳前から夜もパンツで寝られる子どもも少なくありませんが、多くの子どもは3~4歳で夜のおむつを卒業していることがわかります。

6歳以上で卒業する場合も

アンケート結果からわかるように、4歳以上でも夜のおむつが外れない子どもも一定数存在します。なかには6歳を過ぎても夜おむつをして寝る子もいますが、「おねしょを頻繁にするから」だけでなく「おねしょをしたときのために、念のために履かせる」というのも、年齢が上がってもおむつを履かせ続ける理由の1つです。

夜おむつを履く小学生もいる

小学生になってもおねしょが続き、おむつを履いて寝るという子どももいます。具体的にどれくらいの子どもがおむつを履いて寝ているかはわかりませんが、「10歳で20人に1人」は夜尿症だといわれているので、小学生のなかの数パーセントはおむつを履いているのではないでしょうか。

実際、幼児用より大きく、大人用より小さいサイズのおむつ、ジュニアサイズのおむつも販売されています。おむつを履く理由はおねしょが続くことに限りませんが、こうした商品が市販されているのも、小学生のおむつ需要が一定数あると考えられる理由の1つです。

おむつはいつまで?夜おむつは?卒業のコツも。トイトレはいつから? https://epark.jp/kosodate/enjoylife/k-when-diaper-graduation_11373/

小学生のおねしょは習慣で改善する場合も!

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年齢が上がってもおねしょが続く場合、「夜尿症だ」と悩む保護者も少なくありません。私自身、周囲の子どもが夜のおむつをどんどん卒業するなか、終わる気配のないわが子のおねしょに悩んだ時期もありました。

「寝ている間のことはわからないから」と自分に言い聞かせてはいたものの、焦りを感じていたのは事実です(次男に関しては現在もその状態です)。

小学生になってもおねしょが続く場合、「夜尿症だから病院に行ったほうがよい」と考えるかもしれません。しかし、なかには習慣を見直すことで症状が改善する場合もあります。小学生のおねしょ改善に向けて実践したいことは、次の7つです。

生活リズムを整える

不規則な生活をすると、夜尿症が悪化することもあります。「おねしょをしてしまうから」と、夜更かしさせて睡眠時間を短くするのもよくありません。起床・就寝時間を決めて早寝早起きを意識することはもちろん、できるだけ決まった時間に食事をして生活リズムを整えるのも、夜尿症の改善には大切です。

寝る前の水分量に注意する

寝る前に水分を多く摂ると、大人でも夜中にトイレに行く頻度が上がります。夜多く水分を摂っている小学生は、寝る前の水分量を注意することで夜尿の回数が減る可能性は高いでしょう。

寝る2~3時間前には夕食を済ませること、夕食後から寝るまでの水分はコップ1杯程度に留めることを意識してみてください。

塩分を控える

塩分を多く摂取するとのどが乾き、水分の摂りすぎにつながります。水分摂取を我慢しても、塩分を摂りすぎること自体が夜尿の原因になり得ますし、塩分過多は体に悪影響を及ぼす可能性もあるので、塩分は控えたほうが懸命です。

寝る前にトイレに行く

寝る前にトイレに行くだけで、おねしょの確率が下がる場合もあります。尿意がなくても布団に入る前には、トイレに行く習慣をつけるとよいでしょう。また、布団に入ってから時間が経っても寝付けないときも、一度トイレに行っておくと安心です。

睡眠中に冷やさない

体が冷えると膀胱が収縮しますし、尿量を増やすようホルモンが働くため、おねしょの頻度が上がることもあります。夜尿症の改善には、睡眠中に体を冷やさないことも大切です。

冬は夜用の靴下を履く、暖かいパジャマを着るなどして、睡眠中もしっかりと寒さ対策をしてください。夏場は冬と比べるとおねしょが減ることもありますが、冷たい飲み物を飲み過ぎたり、エアコンの設定温度が低すぎたりすると体が冷えてしまうので、夏も意識的に体を冷やさないようにしましょう。

便秘にならないようにする

夜尿症と便秘は無関係に思えますが、便秘で腸に大量の便が溜まると、膀胱を圧迫して夜尿症を引き起こすことも。睡眠時間や食生活などを改善し規則正しい生活を送ることは、便秘解消という観点からも夜尿症の改善に役立つ可能性があります。

保護者の対応も重要

小学生になってもおねしょが続きおむつが取れないと、保護者は焦ったりイライラしたりするかもしれません。しかし子どもを責めたり怒ったりしても、夜尿症は改善しないどころか、悪化する可能性もあるため注意が必要です。

夜尿症で最も悩み、改善したいと思っているのは子ども自身です。自己肯定感が下がることのないよう、保護者にはポジティブな声かけやアクションを起こすことが求められます。

【注意!】夜トイレに起こすのはよくない

「おねしょをする前にトイレに連れて行けばいい」と、夜中にトイレに起こすのは、夜尿症の改善には逆効果だといわれています。夜尿症には、睡眠中に分泌される「抗利尿ホルモン」の量が少なく、浸透圧の低い尿が多く出るタイプがあります。

抗利尿ホルモンは年齢が進むにつれて正常に分泌されるようになりますが、夜中に起こしてしまうと、睡眠だけでなくホルモン分泌も妨げてしまい、夜尿を繰り返してしまうのです。

夜尿症の治療法のなかには尿が出たら起きるという「アラーム療法」もありますが、保護者の判断で無理矢理起こすのは避けたほうがよいでしょう。ちなみに、宿泊行事など特別なシチュエーションにおいて、おねしょをしないために起こすのは例外です。

知らないと損 こどもの夜尿症を減らす為の生活習慣の7つのポイント https://www.sunny-clinic.jp/childhood-illness/7habits/
夜尿症 -寝る前の水分摂取控えて- https://www.tokushima.med.or.jp/article/0000428.html

小学生のおねしょ(夜尿症)は治療が必要?

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年齢を重ねても夜尿症改善の兆しが見られない場合は、医療機関で治療を受けるのも1つの方法です。小学生のおねしょには、どのような治療が行われるのでしょうか。

成長とともに自然と治ることも

夜尿症は病気ではないので、治療をしなければ治らないというわけではありません。膀胱や脳の発達とともに自然と症状が改善することも多く、毎年15%の子どもが成長によって夜尿症を克服しているといわれています。

しかしその年齢には個人差があるため、子どもが早く改善したいと思っていたり、保護者が「そろそろ病院に行ってみたほうがよいのでは」と判断したりしたら、病院で治療を受けるのもよいでしょう。この場合も無理強いはせず、子どもの意見を最優先して自尊心を傷つけないよう注意しましょう。

治療は何科を受診すればよい?

夜尿症は小児泌尿器科のほか、小児科や泌尿器科でも治療できます。まれに、夜尿症だと思っていたら基礎疾患などが原因だったということもあるため、医療機関では夜尿症改善のための治療の前に、検査をするケースも少なくありません。

迷ったら、かかりつけ医などに相談するのもよいでしょう。

治療開始の目安

夜尿症の治療を開始するタイミングは、おねしょの頻度や子どもの年齢を目安にしましょう。成長とともに改善する可能性もありますが、小学生になっても週3回以上おねしょをする場合や、小学校3年生以上で週数回おねしょをする場合は、医療機関での治療も視野に入れることをおすすめします。

基本の治療内容

受診する医療機関にもよりますが、基本の治療内容は初診での検査から始まります。その後、症状に合わせた治療のスタートです。

夜尿症の治療には、排泄の時間や姿勢、水分摂取の制限、その他生活習慣に関する生活指導や行動療法などがあります。これらで効果が著しくない場合は、抗利尿ホルモン剤の投薬、尿を関知するとアラームが鳴りトイレに行かせる夜尿アラーム療法などを追加するのが一般的です。

医療機関で治療を受けると、早い場合は3~4カ月でおねしょをしなくなることもあります。ただし、成長の過程には個人差があるので、治療を受けても改善までに2~3年かかる場合もあるので、どのような選択をしても保護者は穏やかに見守るのがよいでしょう。

仙川泌尿器科|子どものおねしょ(夜尿症) https://www.uesugi-uro.com/enuresis2/
はまみこどもクリニック|夜尿症 https://www.hamami-kodomo.com/enuresis.html
日本泌尿器科学会|『おねしょ』(夜尿症)が治らない https://www.urol.or.jp/public/symptom/09.html

小学生のおねしょ・夜のおむつは焦らず怒らないことが大事!場合によっては治療も検討を

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小学生で夜におむつをするぐらいおねしょを頻繁にする場合は「夜尿症」と診断されるケースが多いといえます。保護者は夜尿症について怒ったりせず、子どもの成長を見守ることが重要です。

小学生のおねしょはデリケートな問題ですが、私自身、息子の夜のおむつ期間が平均より長いことや、成長とともにおねしょをしなくなることを経験したので、1人でも多くの方に「いずれ改善する」という安心感を持っていただきたいと思い、今回のテーマとして取り上げました。

夜尿症が長く続く場合は、医療機関での治療も視野に入れながらおむつ外しのタイミングを見計らいましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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