新たな土地に引越した私たち家族。近所に挨拶に行くと、わが子たちとそれぞれ同い年の6歳と3歳の兄弟がいると分かりました。母親も愛想がよく優しそうな人で喜んだのも束の間、ある日突然兄弟がわが家にやって来て…。
突然遊びに来た兄弟
引越しの片付けが終わった休日のある日、インターフォンが鳴り、見ると例の兄弟が玄関に立っていました。
子ども2人だけがいることに戸惑う私。お兄ちゃんに
「うちに来ることは話したの?」と聞くと
「お母さんは遊んでいいって言ってたよ!」と言い、勝手にわが家に上がり始めました。
勝手に2階に行く兄弟。さらに、3歳の弟は
「おしっこ…」と言い出し、私は世話でてんてこまい! その間にもお兄ちゃんは勝手に部屋のドアを開け、ソファを飛び跳ね、好き勝手し放題。しかし、初めて遊ぶ子どもに強く注意することはできませんでした。
家の外を横切る人影
わが家の息子たちも楽しそうに兄弟と1時間ほど家の中で遊び、今度は外で遊ぶことに。しかし私は次第に「親は何してるんだろう」と思うようになりました。
すると横目に人影がうつり、ふと目をやると、なんと! 兄弟の母親が買い物袋を持って歩いて通り過ぎようとしているではありませんか!
わが家との距離はわずか5mほどなのに、脇目もふらず買い物に行こうとする姿に、私は絶句しました。
30分ほどして戻ってきた母親は、今度は軽く会釈をし、そのまま自宅へ入って行きました。その姿に私の怒りは頂点へ達しました。
何より腹が立ったのは、トイレの世話も必要な3歳の子を、一度挨拶をしただけの私に何も言わず預ける無神経さです。
ケガやお漏らしをしたらどうするつもりなのか、買い物に行くことを子どもにも私にも告げず出ていき、子どもが帰ると言ったらどうするつもりなのか…。
結局、3時間ほど遊んで兄弟は帰宅。ヘトヘトでしたが頭の中では怒りが収まらずにいました。
ついに母親に直談判!
その後も兄弟はわが家に来て、予定があると言っても
「いつ帰って来るの?」としつこく聞いたり
「家で遊ばせて!」と言い、断ると
「なんで!」と怒った様子を見せるように。
母親に加えて兄弟のわがままさに、さすがに頭に来た私は直談判しに行くことを決心。
しかし、今後もご近所付き合いを続けていかなければなりません。
兄弟宅へ向かい、インターフォンを押し
「ご相談があります」と言う私。軽やかな声で
「はーい」と返事がありました。出てくるのを待つ間も「逆切れされるかも」「反論されたら?」など緊張しました。
母親が出て来たので
「いつも遊んでもらいありがとうございます。ただ、最近困ることがありまして…」と切り出し、
「遊べない日があることを兄弟に話してほしい」
「わが子と同じように厳しく接することもある」
「休日は家の中では遊べない」という3点を母親に伝えました。
すると母親は
「キツく言ってもらって構いません」と一言だけ。こちらがモヤモヤした気持ちを溜めながらも、言葉を選んで慎重に話しているのに、母親は悪びれる様子も考え込む様子もありません。
その瞬間「この人には何を言っても無駄だ」と悟りました。そしてそれまでの怒りも、諦めに変わったのでした。
私が出した答え
私は、兄弟をわが子と同様にしつけることに決めました。挨拶や、靴を揃えることから教え、わがままを言う時は
「ここは君の家じゃない」と厳しく諭します。
その結果、今では兄弟はお行儀よく遊ぶようになりましたが、母親は外で会っても、挨拶だけです。
子どもに罪はありません。親がしっかりマナーや遊びのルールを教えてから、他の家で遊ぶようにするべきだと私は思います。
この兄弟が他の家に迷惑を掛けて疎まれることがないよう、代わりにしつけていくことが私の役目だと思って過ごす日々です。
(ファンファン福岡公式ライター / おとうふ)