登山アプリ・Webサービス「YAMAP」を運営するヤマップ(本社:福岡市博多区)は、緊急事態宣言の全国的な解除に伴う、経済・社会活動の段階的再開の動きを受け、これからの登山活動を考える一助として、全国の登山者2万人を対象に「全国一斉登山トレンド調査2020」を実施しました。その興味深い結果を3回に分けて紹介します!
今年の登山活動をどう考えている?
【全国一斉登山トレンド調査2020】全国の登山者2万人にアンケート
アンケートとYAMAPユーザーの行動データに基づいたこの調査では、「新型コロナウイルスとの共生」を前提とした新しい生活様式が、登山者の行動意識にも大きな変化をもたらしていることが見えてきます。
2.これからの登山に向けて
登山活動は「やめない」がソーシャルディスタンスを意識
緊急事態宣言解除後となる現在から、これからの登山活動が、どのように変わっていくのでしょうか。登山者の意向を聞いています。 引き続き感染拡大防止に向けた対策に取り組み、これまでの登山活動とは大きく状況が変わりうるとはいえ、今年の登山活動を「やめる」と答えた人はわずか1割(11.2%)でした。登山活動の再開そのものは、引き続き多くの登山者が望んでいます。
野外アクティビティーである登山に、密集・密接・密閉の「三つの密」はほとんどありません。しかし、人と接触する機会は少なからずあります。 人とすれ違う際、適切な距離を保つことに配慮する登山者は多く、新しい生活様式と同様に、ソーシャルディスタンスを意識した登山活動が求められています。
マスクの着用意向、登山中は低く、登山前後に高い ― 屋外/屋内で顕著な差
登山者同士、ソーシャルディスタンスに十分な注意を払いながらも、移動時や宿泊時など、”三密”につながりやすい場面もあります。 ”三密”場面での感染対策として代表される「マスクの着用」について、その意向を聞いてみると、登山活動中については着用意識が低く、さらにはマナー違反といった批判意識も低いことが分かりました。
しかし、登山前後(特に「公共交通機関」と「山小屋」)については、マスク着用の意向が非常に高くなっています。決して「終始着用すること」が求められているのではなく、屋外/屋内での必要性の有無が判断されているといえそうです。
登山志向は「個人(ソロ)/少人数」×「日帰り」×「近場」にシフト
「ソーシャルディスタンスを意識した登山活動」と「マスクの携行(必要に応じた着用)」に加え、「個人(ソロ)/少人数」での「日帰り」登山も、強く求められていることが分かります。
さらに「遠方の山」よりも「近くの山」に行く機会を「増やしたい」と答えた登山者が15.8ポイント多く、登山活動は、物理的に近しい山と自然を楽しむことから再開されていくように見受けられます。 緊急事態宣言下では「遠征登山を控える動き」に合わせ「移動距離を減らした登山活動」が増え、解除後引き続き「ソーシャルディスタンスを意識した登山活動」と「マスクの携行(必要に応じた着用)」など対策をしながらの登山行動が強く求められていることが分かりました。また、「個人(ソロ)/少人数」×「日帰り」×「近場」での登山志向も総じてみると「近接する人々への心遣いを常にもちあわせながら、近くて低い山と自然を楽しむ」山の楽しみ方 “ご近所登山” がこれからの登山のスタンダードになっていくと考えられます。
ご近所登山は、登山活動に慣れ親しんだ人でなくとも比較的始めやすい登山の形でしょう。しかし、あまりに人けのない里山や標高1,000m以下の低山の中には、たくさんの道があちこちに入り組み、本来歩むべき登山道が分からず「道迷い」につながりやすいところもあります。 実際、警察庁の調査(※)によると、「道迷い」による遭難事故は全遭難者のうち約4割を占め、例年の最多要因になっていることからも、十分に注意が必要です。 ※ 警察庁生活安全局「平成30年における山岳遭難の概況」 この調査結果を踏まえYAMAPでは「今後も、低山情報をさらに充実させ、身近な山と自然の楽しみ方を広げていくと同時に、登山活動の安心・安全につながるさまざまな取り組みを行います」と話します。
■YAMAPとは 電波が届かない山の中でも、スマートフォンのGPSで現在地と登山ルートが分かる、登山を楽しく安全にするアプリ。 山行の軌跡や写真を活動記録として残したり、山の情報収集に活用したり、全国の登山好きと交流することもできる、日本最大の登山・アウトドアプラットフォーム。
ヤマップ
住所:福岡市博多区綱場町2-2 福岡第一ビル6階 電話:092-710-5511 ※本調査に関する問い合わせ先
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