この春の二人旅、チェロとピアノが織り成す九州の美味しい旅をご一緒に。

 年が明けて、今年も柏木広樹(チェロ)と光田健一(ピアノ)が繰り広げる”二人旅”ツアーがいよいよ始まる。自他ともに認める九州好きのチェリスト柏木広樹に今回のライブと九州の魅力を、そして2年目を迎える葉加瀬太郎、西村由紀江とのNH&K TRIO公演について聞いた。

二人旅 チェロ 柏木広樹 & ピアノ 光田健一
目次

九州二人旅は太り旅?

九州の魅力ですか?
総じて「明るい!」人々の魅力に加えて、我々「二人旅」ならぬ「太り旅」と称するだけあって、どこでも美味しいものに溢れているのが嬉しい。
大抵毎年1-3月の時期に来ているから冬から春にかけての芽吹いていくものを堪能させてもらっているかな。
1月30日の長崎を皮切りに、熊本、大分、福岡と続き、一旦は葉加瀬太郎氏との公演で東京に戻るけれど、3月下旬にはまた九州で宮崎・鹿児島でライブをやらせていただきます。

健ちゃん(※光田健一氏)と「二人旅」を組んでからもう長い時間を経てきました。
最初の頃は刺激の方が多かったけれど、今はもう空気のような存在。
会話がいらなくて、自然に物事が成立しているような気がする。
見えている風景が同じだから、そこに向かう手法は気にしなくなっている、そんなアンサンブルはなかなかないと思います。

人生を変えるような運命的な「出逢い」を表現したい。

今回のツァーでは新曲を披露します。
テーマは「出逢い」
出逢いって色々なことを連想すると思うんだけど、人生を変えるような運命的な出逢いを表現出来たらいいなと。

例えば初めて子供を抱いたとき。
これは自分に置き換えているんだけど、この時の気持ちってもう言葉では言い表せない。
よく友達の赤ちゃんを抱かせてもらう時なんか、落としたらどうしようとか怪我させないように注意して…とかなり心配になるのだけど、自分の子どもを初めて抱いた時は「これは絶対に落とさない!」という確信が持てました。この感情は初めて経験するもの。
もちろんお母さんの女性には絶対にかなわない。でも世の中のお父さん連中はみんなこの感情をわかってくれるのでは。苦笑
そして、恋愛や仕事、人生そのものの「出会い」を想像してほしい。
僕はいつもこんなアイディアを創っているけれど、それを素晴らしくまとめてくれるのが健ちゃんなんです! ぜひ楽しみにしていてください。

葉加瀬太郎さんと西村由紀江さんのトリオは最小単位の民主主義社会

NH&K TRIO 葉加瀬太郎 & 西村由紀江 & 柏木広樹

そして、昨年から大きく動き出したNH&K TRIO、
葉加瀬太郎さんと西村由紀江さんの3人で組んでいるトリオも2年目のツァーが始まります。今年のテーマは「moderato モデラート」です。昨年が「Adagio アダージオ」だったので、なんだか僕達らしくていい感じじゃないですか?
福岡公演は5月5日福岡サンパレスです。まだ詳しいことは言えないけれど、第一部はかなりすごいことになるかも? 去年とは違った深いアプローチを計画しています。こちらも期待していてください!

デュオとトリオの違い?
トリオは「社会」なんです。太郎(※葉加瀬太郎氏)がよく言うのが「民主主義が成立する最小単位」なので多数決が取れると。
デュオはそうはいきません。どこに合意を求めるのか、それができなかったらどこまでも平行線… でも合わせているうちはダメ、合うからデュオになる。そしてトリオは神経が2方向に行くけれど、デュオは一つなんですよ。

九州の美味しいものを求めて

九州は本当に美味しいものばかり。
今の季節だと、長崎五島の魚、特に青物。熊本天草の車海老。
オールシーズン美味しいけど大分では関アジのりゅうきゅうが食べたいし、
福岡は玄海の冬のアラが食べたいし、かといっていつも美味しい宮崎の地鶏炭火焼きも食べなきゃならないし(笑)。
最後は鹿児島、昨年初めて行った「美鶴」のウナギは忘れられない。
今回の二人旅ツァーに佐賀が入ってはいないけれどこちらは有明海苔。我が家の海苔はすべて有明産です。
ちなみに宣伝するわけではないけれど、うちの台所の茅乃舎率は相当高いですよ。(笑)

< 2024年1月某日 柏木広樹 談 >

聞き手: 樋口洋子

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

長年音楽・楽器業界で仕事をしてきました。わくわくドキドキと感動をお届けできるアーティストの情報をご紹介していきます。

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