幼稚園の卒園式。娘は寂しさのあまり大号泣! 肩を震わせて泣いているわが子を見て、私もついもらい泣きをしてしまいました。実は“鉄の女”で知られる大ベテランの担任の先生までもらい泣き。これまで多くの卒園生を出し、卒園式でも一粒の涙も見せなかったと言われていた先生だったので私もびっくり。そんな思い出深いわが家の卒園式エピソードをご紹介します。
親子にとって特別な3年間
思い起こせば、保育園への転園を失敗し、慌てて近くの幼稚園に入園手続きを行ったあの日。周りの子たちのように「プレ保育」へ通うこともなかった私たち親子は、クラスに馴染むことも大変でした。
さらに娘は延長保育を利用することも多く、寂しい思いをさせているのではないかという葛藤もあった日々でした。
しかし結果的に、他の子よりも密度の濃い3年間を過ごせたようです。たくさんの先生に顔と名前を覚えてもらえたので、娘も幼稚園が大好きでした。
だからこそ、私たち親子は卒園するのをとても寂しく感じていました。
緊張の面持ちで迎えた卒園式
卒園式の朝。大人のように卒園の実感が湧いているとは思えなかったのですが、いつもは元気いっぱいの娘が少し暗い表情。何となく様子が違っているなと感じました 。
いよいよ式典が始まり、子どもたちが入場します。カメラ越しに娘の様子を見ていると、少しぎこちない笑顔に見えました。
園長先生や来賓あいさつの後は、いよいよ卒園証書授与です。
ふと見ると、後ろ姿ではありましたが娘の肩が震えているのがわかりました。普段はとても明るい娘。人前で泣くことも少ないため、「もしかしたら隣の子とふざけていて笑いでもこらえているのかな…?」と私は思っていました。
大号泣の娘!
ところが卒園証書授与が娘の番になり、壇上へと上がると… 「あれ?」と娘の異変に気が付きます。
娘はなんと顔を真っ赤にし、鼻水をグスグス、喉をヒクヒクさせて大泣きしていたのです! 6歳の娘なりに、「お別れ」という意味をしっかり受け止めているのだと、私も思わずもらい泣きしてしまいました。
その後も大号泣はおさまらず。結局、卒園児の歌も泣いてほとんど歌えず、退場までずっとグダグダの状態でした。
周りを見ると、卒園という状況をまだ理解しきれていない子も多いのでしょう、娘のように泣いている子はほとんどいません。幼稚園の歴史に残る「号泣っぷり」だったと思います。
そんな娘が愛おしく思えた私は、早く娘を抱きしめてあげたいなという気持ちでした。
“鉄の女”で有名な先生ももらい泣き
式典後は各教室に移動し、保護者も交えたなかで担任の先生からのお話がありました。すると、なんと大ベテランの先生がこの3月をもって退職ということが分かったのです!
一旦落ち着いた娘も、その話を聞いてまた泣き始めてしまいました。確かにとても厳しい先生ではありましたが、そのぶん熱心で、娘のこともきめ細やかにみてくれた印象がある先生です。私も娘同様、とても寂しくなってしまいました。
先生は、これまでたくさんの卒園児を輩出しているベテランです。卒園も慣れっこなせいか、卒園式でも泣かない“鉄の女”として有名でした。
式の後に、私と娘は職員室に挨拶に行くことにしました。すると、先生は明らかに涙ぐんでいます。近くに行くと
「やだ~! ○○ちゃんがあんなに泣くから、我慢していたのに泣いちゃったよ~」と泣き笑いしながら娘を抱きしめてくれました。
娘は幼稚園の日々を思い出し、泣き笑い。こうして私も、娘の成長を改めて感じ、卒園式という日がまた大切な思い出の一つとなりました。
卒園式後、まさかのオチが!
ところで、こんなに泣いて大丈夫? と心配になったわが子ですが、実はこの日のお別れが最後ではないんです。
というのも、引き続き3月末までは預かり保育を利用する予定があったのです。そんなこともすっかり忘れて号泣した娘でしたが、あの涙が嘘のように、翌週も元気に登園していてホッとしました。
子どもの成長はあっという間。当たり前のように過ぎていく日々をもっと大事に過ごしたいと思いました。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)