小学生の漢字学習はゲームで効率アップ!無料アプリや電子媒体なしでできる簡単ゲームも

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

小1の2学期頃からスタートする、漢字学習。6年間で覚える漢字は膨大ですが、楽しく漢字力を向上させるならゲームを活用するのも1つの方法です。

今回は、小学生におすすめの漢字ゲームを紹介します。すぐに始められる簡単なものからアプリ、紙媒体まで、さまざまな漢字ゲームを通して小学生で習う漢字をマスターしましょう。

目次

小学校で習う漢字は1,000文字以上

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小学生が6年間で習う漢字は非常に多く、2017年3月に告示された学習指導要領によると、その数は1,026文字です。小学校1年生で80字、2年生は160字と1年生の倍の量になり、3年生以降は200字、202字、193字、191字と、1年間で200文字前後の漢字を習得します。

漢字の量はもちろん、難易度も徐々に上がっていきます。漢字の読み書きは習ったらすぐにマスターすれば、新たに習う漢字の学習に支障が出にくく、苦手意識も軽減するでしょう。

教育出版 https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/shou/kokugo/document/ducu5/tbqa006.html

紙と鉛筆だけでできる!小学生の漢字ゲーム

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宿題や学校の授業で取り組む漢字ドリルは、同じ漢字を繰り返し書き取ることで知識の定着を図ります。しかし、何度も同じ漢字を書き続けるのがつらかったり、書いても書いても覚えられないときもあるでしょう。

そんなときにおすすめなのが、ゲーム形式での漢字学習です。紙と鉛筆があればすぐに始められる漢字ゲームで、小学生の漢字力アップを目指しましょう。

漢字しりとり

「漢字しりとり」は、「家庭 → 庭園 → 園芸 → 芸術 → 術中 → 中東 → 東京…」のように熟語の下の漢字を使ってしりとりをしていくゲームです。漢字だけでなく、その漢字を使ってできる熟語をどれだけ知っているかも勝敗に左右します。

「『家庭 → 底辺 → 変化…』のように同じ読み方の違う漢字を使ってしりとりする」「3文字の熟語縛り」など、自由にルールを決められるので、しりとりだけで長時間楽しめるのもポイントです。

同音漢字探し

「同音漢字探し」は、同じ読み方の漢字をできるだけたくさん見つけるゲームです。たとえばお題が「ふく」の場合、「福・服・副・複・腹・幅」のように、「ふく」と読める漢字を知っているだけ書き出します。

制限時間を設けて誰が最も多く書けたか競う、チーム制にするなど、ルールを決めるとより盛り上がります。終わってから漢字辞典を引いてみると、知らなかったり忘れていたりした同音漢字を覚える機会にもつながるでしょう。

同画数漢字探し

「同画数漢字探し」は、「同音異字探し」の画数版ゲームです。「四画の漢字」なら「中・反・不・円・王」といったように、指定された画数の漢字をできるだけ多く見つけた人が勝ちになります。漢字辞典を使って答え合わせをすると、正しい画数や書き順の確認もできるでしょう。

漢字ビンゴ

「漢字ビンゴ」は「5×5」のマスを作り、習った漢字で埋めてビンゴをするゲームです。大人や出題者となる人がランダムに漢字をいい、縦・横・斜めが早くそろった人が勝ちです。勝敗は運で決まりますが、どのような漢字を習ったか思い出す機会になります。

学年が上がって知っている漢字が増えてきたら、「ごんべんの漢字」「さんずいの漢字」など、部首を指定するのもよいでしょう。

漢字読み書きクイズ

シンプルではありますが、読み書きをお互いに出題するのも、ゲーム感覚で学べる方法です。複数人で行う場合は、黒板やホワイトボード、画用紙などに答えを大きく書き、書き順などもお互いにチェックすると、楽しく漢字学習ができるでしょう。

【必ず盛り上がる!】短時間でできる漢字学習ゲーム18選!! https://blog-giga-teacher.com/kanji-game/

小学生の漢字学習がより楽しくなる、無料漢字ゲームアプリ

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昨今は電子機器を活用した学習も浸透しており、スマホやタブレット向けの漢字ゲームアプリもリリースされています。小学生向けのおすすめ漢字ゲームは、3つです。

漢字道場

「漢字道場」は、漢検10級から2級までの漢字をステージ別で学べるアプリです。オンライン対戦形式のゲームで、書き取り問題に速く回答できたほうが勝ちです。書き順も正しくなければいけないので、遊びながら漢字とその書き順を定着させられます。

友だちとの対戦、1人でのゆっくり練習などモードは複数あり、苦手な漢字も楽しく練習できるでしょう。

ひとコマ漢字

「ひとコマ漢字」は、小学生が習う漢字の書き取り学習用アプリです。正しい書き順やとめ・はね・はらいなどを意識した書き取りができ、きれいに漢字が書けるようになります。

漢字がわからなくなった場合にヒントを提示してくれるなど、自主学習をサポートしてくれる機能も搭載。ただし、書き取りのみに特化しているので読み方や送り仮名、漢字を使った熟語などを学びたい場合には向きません。

小学生手書き漢字ドリル1026

「小学生手書き漢字ドリル1026」も、小学生で習う漢字を網羅したアプリです。学年ごとにメニューがわかれているので、いま習っている漢字の練習だけでなく、過去に習った漢字も遡って練習できます。

読み書きや四字熟語など、問題数は約3,000問と非常に多く、長く楽しめるのも魅力です。

漢字学習にアプリを使用する際の注意点

スマホやタブレットを用いた学習は、ゲーム感覚で取り組めるのがメリットです。遊びながら漢字力アップを目指せますが、長時間の利用は視力低下などを引き起こす恐れがあります。

また、使用中の端末に他のゲームやSNS、動画アプリなどが入っていると、漢字学習をしているはずが別のことに時間を使っていた…ということにもなりかねません。アプリの漢字ゲームは時間やルールを決め、学年が低いうちは保護者の目の届く場所で取り組むことも大切です。

【2024年】小学生の国語・漢字の勉強アプリおすすめランキングTOP10 https://app-liv.jp/education/kids/0564/

紙媒体の漢字ゲームも多数!

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かるたやパズルのような、紙媒体の漢字ゲームを学習に取り入れるのもおすすめです。小学生の漢字学習に活用できるゲームを3つ紹介します。

漢字はかせ

幻冬舎の「漢字はかせ」は、漢字の「へん」と「つくり」に分かれているカードです。山札からめくったカードと場にあるカードを組み合わせて、いちばん多く漢字を作った人が勝ちです。

小学生が習う多くの漢字のなかから、頻出の「へん」と「つくり」を厳選しており、部首や漢字を自然に覚えられます。84枚のカードを使ったゲームはほかにもあり、子どもから大人まで幅広く楽しめるのも特徴です。

京大・東田式 頭がよくなる漢字ゲーム

「京大・東田式 頭がよくなる漢字ゲーム」も、幻冬舎が出版する漢字ゲームです。パズル学で日本で初めて博士号を取得した京都大学の東田大志さん考案のパズルゲームで、遊びながら部首や読み、熟語、画数を覚えられます。

ルールは簡単で、手札と場にある漢字カードの「部首」や「読み」を合わせるか、「熟語」を作るだけ。手札が最初になくなった人が勝ちです。漢字だけでなくイベントカードもあり、小学4年生までに習う漢字のうち124字をマスターできます。

熟語はかせ

「熟語はかせ」も、幻冬舎が出版する漢字ゲームで、「漢字はかせ」の熟語版です。山札から引いたカードと場にあるカードで、最も多く二字熟語を作った人が勝ちになります。

96枚の漢字カードでできる熟語は多数で、遊びながら知らない熟語を覚えたり、漢字の読み方を復習したりできます。トランプのような遊び方もでき、語彙力アップを図りたい場合に最適です。

「へん」と「つくり」を合わせるゲーム 漢字はかせ https://www.gentosha-edu.co.jp/book/b341666.html
京大・東田式 頭がよくなる漢字ゲーム 新装版 https://www.gentosha-edu.co.jp/book/b440360.html
「漢字」を合わせるゲーム 熟語はかせ https://www.gentosha-edu.co.jp/book/b373376.html

小学生の漢字をより定着させるためのポイント

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小学生が習う漢字をマスターするには、ゲームだけでなく日頃の学習も重要です。最後に、漢字練習をする際に意識したいポイントを確認しましょう。

書くときは声に出してみる

漢字は読み方を覚えると書き取りの効率も上がります。自宅などで書くときは、読み方を声に出してみましょう。見本を見る、自分の声を聞く、ノートに書くという3つの動作で視覚・聴覚・触覚を刺激し、記憶しやすくなります。

イメージしやすい覚え方を見つける

漢字の成り立ちや意味を知ると、漢字にイメージがつくこともあるでしょう。自分で覚えやすいイメージを確立させるのも、効率的な学習に役立ちます。たとえば、「空が青くて日が出ている→晴れる」「木がたくさんある→森」のように覚えるのもよいですし、語呂合わせや呪文のように書き方を記憶するのも1つの方法です。

筆者は中学生の頃、友人に「挨拶」の書き方を教えてもらいました。「テムヤテミクタ」という呪文のような言葉に従って書くと、「テ(てへん)ム(挨の右上部分)ヤ(矢)テ(てへん)ミク(拶の右上、「く」が3つ)タ(右下)」で「挨拶」となります。

20年ほど経った現在も、「挨拶」の漢字を思い出すときはこの呪文を使っているので、覚えやすさは重要だなと痛感しています。

熟語で覚える

漢字1つひとつを単体で覚えることも大切ですが、熟語で覚えると漢字の意味も見えてきます。たとえば「学」を使った熟語には「学習」「学校」「自学」「学費」などがあり、「学校」や「勉強(学び)」といった意味を持つのがわかるでしょう。

繰り返し書くことは重要?

学校の宿題では複数回の書き取りが求められることもあります。もちろん、繰り返し書くことは記憶の定着につながりますが、ただ書けばよいというわけではありません。

「10回書きましょう」といわれたときに、前述のように声に出し、意味を確認しながら覚えるのは有効です。しかし、「1画目ばかり10個書いて、そのあと2画目を10個…」というように作業的に書いては意味がありません。

また、書き順やとめ・はね・はらいなどを意識せずになんとなく書くのも、効率的な学習とはいえないでしょう。ただ10回書くよりも、意味を考えながら丁寧に5回書くほうが、漢字を早く覚えられる可能性が高いので、書き取りはポイントを押さえて行うのがおすすめです。

漢字の覚え方にはコツがある! 覚えづらい原因と対策・勉強法8つ https://benesse.jp/kyouiku/202103/20210331-1.html

小学生の漢字ゲームは多数!自分に合った方法で漢字を覚えよう

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小学生向けの漢字ゲームはアプリや紙媒体の商品だけでなく、自分で作ることもできます。遊びを通して楽しく漢字を学ぶと、漢字への苦手意識も克服できるでしょう。紙と鉛筆があればすぐに始められるゲームもあるので、ぜひ実践してみてください。

小2の息子は漢字が非常に苦手というわけでもなく、かといって「大好き」でもありません。宿題や家庭学習でチェックをすると時折間違いがありますが、「5回書いて」といって終わらせていました。よく考えずに「間違えたら練習すればよい」と思っていましたが、確かに無意識で作業的にやってもあまり意味がないので、少し反省しました。

また、ゲームを通した学びというのはいままで私の発想のなかになかったので、これからは一緒に楽しく漢字を覚えられるような工夫をしていきたいと思います。小学生の子どもを持つ保護者は、意欲的に漢字学習に取り組める環境やアイデアで、一緒に漢字のマスターを目指しましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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