3歳になる娘は「大人みたいな靴がいい〜」なんて言ったり、言葉はまだ未熟ですがよく喋るおませさんに成長しました。そんな娘が、ある日呆れたような口調で放った一言。普段は方言なんて使わないのに、なんと流暢にうちなーぐちを話してきたのです…!
沖縄独特の言い回し
沖縄には方言の他に、独特な言い回しが多く存在します。
「今から行くね」を「今から来るね〜」と言ったり、混雑していることを「いっぱい(混雑)してるね〜」と言ったり…。
どれも親や周りの大人たちが普通に使っていたので、私自身なんの疑問ももたずに使ってきました。
娘も同じで、おままごとで「今から来るわよ〜」、「お店がいっぱいしてま〜す」と言ったり、他にも「明日いけばいいさ〜」というような沖縄特有の「さ〜」をつけた話し方をします。
ちなみに沖縄では名前を伸ばして言う独特の文化あり、娘も私のことを「マーマー」と呼びます。お姉ちゃんのことは「ねーねー」、お兄ちゃんのことは「にーにー」です。しかし話す時のイントネーションは沖縄でも、娘が今まで方言を使うことはありませんでした。
どこで覚えたの!? お風呂を促した私に娘が衝撃の一言
ある日のこと、出かける予定があったためお風呂に入るよう娘へ呼びかけましたが、
「これ(アニメ)が終わってから〜」と言うばかりで、まったく動こうとしません。
ようやく娘が見ていた番組も終わり、再度お風呂へ行くよう声をかけると、今度は
「これまで見てから〜」と言い出すではありませんか。家を出る時間も迫っており、イライラした私は
「さっきのアニメが終わったら入るっていったでしょ〜!」と強めに声をかけます。
それに対し娘は、今にも
「ったく」と聞こえてきそうな顔つきで立ち上がると、
「はっさ! マーマーよ。でーじうるさい」と言いながら服を脱ぎ始めたのです。
あまりにも自然に、流暢な方言が娘の口からでてきたことに驚く私。
「はっさ」は沖縄だと「あら!」とか「ああ! もう」のようなニュアンスの言葉で、「でーじ」は「とても」「大変」という意味です。
つまり娘の言葉を標準語になおすと
「ああもう! ママよ。とってもうるさい」となります。
その後、本人は何事もなかったかのように服を脱ぎ終えると、スタスタと私の横を通り過ぎ脱衣所へ。
呆気にとられていた私ですが、娘が急に方言を使い出したこと、態度がまるで反抗期の中学生みたいだったことが徐々に可笑しくなり、大笑いしながら娘の元へ向いました。
子どもが話す方言のパワー
お風呂場で、方言をどうやって覚えたのか娘に聞いてみたのですが
「ん〜わからな〜い」とのこと。
両親が使っているからじゃないかと思う方もいるでしょうが、私たち夫婦は「でーじ」よりも「しに」の方をよく使います。
「しに」も「でーじ」と意味は似ていますが、 「しに」は比較的後からできた若者の方言で、ニュアンスでいうと「超」とか「めっちゃ」と同じ感じです。「しに痛い」、「しに大きい!」のような感じで使います。
「でーじ」をどこで覚えたかは、本人が語らないため真相は謎のままとなりました。
もしあのとき、普通に
「うるさい」と言われていたらイライラしていたかもしれません。まだまだ言葉も完璧でない3歳児が、急に方言を喋り出すというアンマッチさにとても可笑しくなったのです。
方言の魅力を感じたとともに、子どもの吸収力の凄さを再確認した出来事となりました。
(ファンファン福岡公式ライター/きゆな なみ)